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うちの銀行は外為処理が遅く手数料も高いが何故か?

『こと外為の話になると「うちの銀行」は、対応のスピードも遅く、
手数料も他行に比べて高い気がする。
何か原因があるのだろうか。【その1】(中小企業のオーナーより)』

今回は外為全体を見た、お話をしてみたいと思います

私が銀行の営業で外回りをしていると、企業のオーナーから
このようなお話を聞く機会がたびたびありました。

内容として共通しているのは、
普段の取引(預金や融資)では感じないのだが、
こと貿易がらみの話になると、
途端に担当者の歯切れが悪くなったり、
銀行からアレコレ条件を付けられたりもする。

そのくせ実際に取引をしたら、
やたらに処理に時間がかかり、
手数料もやけに高い感じがする。

これって何かおかしくないか?
まとめるとこんなところです。

如何でしょうか。
思い当たる方も、結構おられるのではないでしょうか。

実はこの現象、銀行担当者の知識・経験不足ばかりでなく、
もっと別のところに、根っこがある場合があるのです。
今回はそこに焦点を当てて、お話を進めていきましょう。

銀行には三大業務というのがあります。
「預金」「融資」「為替」のことです。

これは銀行業務の原点ともいえるもので、
いわば銀行業務の生命線といっても過言ではありません。

「外為」業務はこのうちの「為替」に属します。
ところがほとんどの人(銀行の人間を含めてです)は、
「為替」と言ったら国内為替(国内で取引される為替)しか、
頭に浮かべません。

「外為」が浮かんでこないのです。
なぜなのかという点は、本題から外れますので省略しますが、
この点は案外、大きいポイントなのかもしれません。

さて本題に戻ります。
このオーナーさんが感じたことですが、
自分の経験から言ってかなり的確な感じです。
そこでまず実態をご説明します。

その上で銀行と上手に付き合えるように、
アドバイスをさせて頂ければと思います。

以下箇条書きでコメントします。

1.銀行によって外為の取り扱いが違う?
「外国為替取扱」という看板を掲げている金融機関は、
街中で多く目にします。
なので、どこに持ち込んでも同じような気がします。
しかし実際に持ち込んでみると、実態は大きく異なります。

すべて自前でやっている銀行は少ないのです。
ここでいう自前とは、
営業店での顧客対応はもちろん、
海外銀行との電文や書類のやり取りまで、
すべて自分のところで行っている、
もしくは行える体制を持っている
銀行という意味です。

さすがに日本を代表する大手の銀行(例えば三大メガバンク)は、
完全に自前ですが、それ以外では名の通った銀行であっても、
すべての外為業務を、自前で行っているとは限りません。

預金や融資を自前でやらない銀行なんて聞いたことありませんが、
外為を自前でやらない銀行は、意外によく目にします。

さてこんな銀行が外為を受け付けた場合。どうするか、
実は他所の銀行に処理を依頼することになります。

ん!? 別の銀行が加わって問題はないのでしょうか。
実は次の二点で大きな問題が発生するのです。

まず第一点は、余計な時間がかかるということです。
皆さんが取引している銀行(以下取引行と呼びます)が、
もしよその銀行に外為を依頼していた場合は、
せっかく皆さんの依頼を受けても、
自分のところでは事務処理が完結しません。

他行(よその銀行)に処理をさらに頼むことになります。
これは皆さんから見れば、自分の銀行の処理時間に、
他行の処理時間が加わることになるわけです。
完全に自前で処理できる銀行と比べてみれば、
常に時間が余計にかかります。明らかに不利です。

第二点は、手数料が余計にかかるということです。
取引行は外為を持ち込む銀行との間で、
外為に関する手数料を定めます。
(これをインターバンク取引といいます)

ここで各種外為取引の手数料などを決めるのですが、
誰もただでは働いてくれませんので、
皆さんの取引行は他行に手数料を支払うことになります。
この支払の引き当ては、皆さんから徴求した手数料です。

さすがに徴求した手数料をそのまま相手に渡して、
自分の手取り「ゼロ」というわけにはいかないので、
自分の取り分も皆さんに請求するということになります。

これではどうしても完全自前の銀行に比べて、
割高とならざるをえません。

如何でしょうかここまでお話しすると、
先ほどの中小企業のオーナーさんのぼやきが、
なんとなくご理解いただけるのではないでしょうか。

時間とお金のかかる銀行と、
今まで通りの付き合っていていいのだろうか。
結構重たい問題と言えます。

次の項目では、取引銀行の外為取扱が、
自前か他行経由かの見分け方をお話しします。
(便宜的に二つにカテゴリーに分けます)

2.自前か他行経由かの見分け方
(1)仕向送金、被仕向送金
いわゆるクリーン取引と呼ばれるものです。
日本から海外へ向かう「仕向送金」、
海外から日本に来る「被仕向送金」がそれぞれ代表です。

「外国為替取扱」の看板を掲げている銀行の多くは、
このクリーン取引は完全自前の場合が多いのですが、
それでも他行に依頼している場合もあります。

この場合の一番簡単な見分け方は、
海外送金を持ち込んでいるのであれば、
実際に発信した電文モニターを見せてもらうことです。

送金が到着しないといったクレームが海外から入ってきた
ときなどが、電文モニターをもらう良いキッカケになります。

この電文モニターの発信時間の横に、SWIFTアドレスと呼ぶ、
各銀行の固有コードがあります。

このコードが取引銀行のものであれば自前で処理しているし、
他行のアドレスであればごく例外の場合(代行発電など)を
除いて、自前で処理していないと断言できます。

また海外から送金が到着している場合は、送金する場合と違って、
電文はなかなか見せてもらえないので、その代わりとして
入電した日時と到着連絡を受けた日時との間のタイムラグを、
チェックしてみると良いと思います。

朝一番に入電しているのに、案内が翌営業日になっていたら、
自前で処理していない可能性があります。

(2)輸出、輸入他
次にドキュメンタリー取引と呼ばれる、輸出入ですが、
こちらの見分け方はある意味簡単です。

銀行の担当者に実際の書類の流れを聞いてみて下さい。
いきなり聞くと疑問を持たれますので、
至急の案件で最速処理をお願いしたいので、
書類の流れを調べている、
とでも、申し入れると教えてくれると思います。

最速にもかかわらず、間に一日入ったり、
そもそも最速処理が難しいといった発言が出るようであれば、
自前ではない可能性が大です。

クリーン取引は自前でも、ドキュメンタリー取引は他行に
お任せしているという銀行は結構あります。

以上、如何でしたでしょうか。

次回はもし取引行が外為を自前でしていない場合、
如何に早く安くしてもらうかという点を、お話ししたいと思います。

続く

2016/1/10 貿易実務の情報サイトらくらく貿易

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