海外からの送金ではTT送金の通知だけが来て、入金が行われていないことがあります。銀行では実際に資金が到着して初めて入金の処理をします。|TT送金の通知がきたが入金されてない。どうして?

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TT送金の通知がきたが入金されてない。どうして?

海外の商売相手から、
「代金をT.T.送金した。」と言ってきた。
早速、銀行に照会したら、
「(送金)通知は来たが、入金はされてない。」といわれた。

てっきり入金とは自分の口座だと思ったので、
「自分は構わない。すぐ入金してほしい。」と頼んだら、
断られてしまった。なぜ???

これは実際にある話です。私も何度も経験しました。
もっとも私は銀行の側でしたが...。

なんでこんな変なことになるかと言えば、
相手銀行の送金方法に問題(というか理由)があるのです。

海外からの送金では送金指図だけが来て、
実際の資金が同時に来ないことがままあります。

送金指図はPayment Order(ペイメント オーダー)と呼ぶ、
具体的な送金内容がのっている電文です。

実はこれだけでは、銀行はお客さんへの入金ができません。
実際に資金が到着して、初めて入金処理をします。
無い袖は振れないというわけです。

では先方がなぜ送金通知と資金を、分けるようなことをしたかです。
主な理由は次の二つです。

一つ目は時間節約のためです。
送金通知と資金を一緒にすると、時間がかかる場合があります。
例えばオセアニアからのUSD(米ドル)建て送金を考えます。
この場合相手銀行と日本の銀行間の資金決済は、
主にニューヨークで行います。

資金受渡しはニューヨーク時間の昼間が普通なので、
日本やオセアニアから見ると、
受渡は発信した当日の、夜間にされることになります。
このため受渡結果が分かるのは、時差の関係で翌営業日です。

結局、電信送金を取り組んでも、一日余計に掛かることになります。
これでは電信送金の意味が無い。と考えた場合、
内容だけでも早く到着させようとすると、
送金通知と資金は別々にせざるを得ないというわけです。

二つ目の理由は、相手銀行の資金手配の都合です。
今度は海外から円建て送金が到着した場合を考えます。

海外の銀行は米ドルやユーロほど日本円は保有していないので、
円資金の支払には米ドルなどを売却して、
その資金で購入した日本円を、
日本のコルレス銀行に付け替える必要があります。

この間どうしても時間が余計に掛かるので、
送金通知は到着したが、入金してもらえない。
こんな状態になってしまうのです。

何れの理由も、もっともな部分はあるのですが、
受取人にしてみれば、自分の与り知らない理由で、
不利益を被ることになるわけです。

現在ではこういった不利益解消のために、
送金通知と資金は同じ電文にのせるという、
送金方法がつよく銀行に求められています。
シリアル・ペイメントといいます。

そして時差の影響を極小化するため、
ニューヨークの銀行間市場では機械化を進めて、
24時間資金処理が出来るようになってきています。
今後は今回のようなことは、
まれな出来事になっていくと思います。

2016/2/22 貿易実務の情報サイトらくらく貿易

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