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税務署から「国外送金等に関するお尋ね」が来た!

税務署から何か来るとドキッとしませんか?

「不動産に関するお尋ね」はご経験おありでしょうか?
今回はその外為版とでもいう、
「国外送金等に関するお尋ね」についてです。

この「国外送金等に関するお尋ね」とは
海外と資金のやり取りをした、
主に個人に対して税務署が送ってきます。

「お尋ね」文中には、その資金について報告を求めています。
なんで?唐突に?と思われるかもしれませんが、
この段階で税務署は、
あなたの資金の動きに関心を持っています。

この「お尋ね」むやみやたらに出されません。
一定の根拠に基づき税務署は作成しています。

そして、これはと思う人に送るのです。
なので、単なる照会状と考えると、大変なことになります。

ここで税務署が根拠とするものが、
今回お話しする「国外送金等調書」(以下「調書」)のことなのです。
この報告、金融機関にとっては直接商売に関係しないのですが、
法律で決められた事で報告もれは許されません。

ではこの制度について説明します。
まず制度名ですが、「国外送金等調書制度」と言います。

ちゃんとした法律も設けられています。
金融機関はこの法律に従って、「調書」を作成し税務署に提出します。

ではこの「国外送金等調書」(以下「調書」)とは何者でしょうか。
具体的には以下の特徴を持っています。
1.対象取引
海外との資金のやり取りすべてです。
船積書類が、金融機関を通過する輸出入取引は対象外です。

2.対象者
個人も法人もすべてです。但し公共法人等は除きます。

3.金額
一件百万円超からすべて対象です。
米ドルやユーロのような外貨取引は、
一定の換算率で円に引き直して判定します。

4.報告義務者
海外取引を行った金融機関です。
つまり皆さんが報告義務者ではないので、
「お尋ね」が来ても、ピン!と来ないわけです。

5.制度の目的
ハッキリ言うと、税金逃れを防ぐためです。
国内取引であれば、相手方への税務調査も可能ですが、
海外では簡単に調査にも行けないので、
このような報告義務を金融機関に課して、
実効を上げようとしているのです。

そこで結論です。
税務署からの「お尋ね」はこのように、
金融機関からの報告を基にしています。
任意調査の形式とはいえ、放置は好ましくありません。
必ず回答するように致しましょう。

ただし税務署は、この段階では確定判断まではしていません。
つまり脱税容疑の調査ではないのです。

ただし早めにきちんと正確に、報告することが肝心です。
それが一番の対応方法です。

実はこの制度を知っている人の中に、
税務署への報告を嫌って、金額を百万円以下にする人がいます。
百万円を超える場合は、
複数回に分けたり、別々の金融機関を使ったりするわけです。

このやり方。たしかに金融機関から「調書」はでませんが、
金融機関は当局から「疑わしい取引」という報告を求められており、
変だなと感じた場合は、当局へ報告するシステムになっています。

税務署がその報告を基に調査に入る可能性は充分あります。
調査で発見された場合は、
この行為は徴税回避そのものと判断される可能性が高く、
とてもお勧めできる話ではありません。

税務署から「お尋ね」が来た場合は、
正確、迅速に対応するのが一番です。

そして対応に困るときは、
直接、関係資料等を持って照会してきた税務署に問い合わせるのが、
結局は一番の近道となります。

「国外送金等に関するお尋ね」に対して、
変に委縮する必要はありませんが、
その重要性については是非理解するようにして下さい。

2016/04/03 貿易実務の情報サイトらくらく貿易

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