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通貨オプションを使って為替リスクに対応する

為替リスクを何とか避けたい。方法はないだろうか。

海外と取引をしていていると、為替相場の動きで採算がブレて、
困ることが多々あります。
ブレを上回る利益が確保できれば別ですが、
通常はそこまで利幅は取れません。
本当に頭が痛い事です。

何とか為替リスクに対応できないか。
今回はこの対策を考えてみます。

一般に貿易決済では、自分と相手の使用通貨が異なるので、
資金決済時の「通貨交換」は避けることができません。
このとき発生する相場のブレが、「為替リスク」と認識されます。

為替リスクへのヘッジ策とは、このブレを如何に回避するか、
という対応策に他なりません。

【究極のヘッジ策とは】
実は「為替リスク」そのものは消せませんが、
自分が全く負担しないことは可能です。

端的に言えば、すべて円建てにしてしまうのです。
もし外貨建で取引しているのであれば、
国内取引も同じ外貨建てにしてしまいます。
なんともものすごい話です。

圧倒的に自分が強くないと出来ませんが、
現実には過去何回か、このような事例に遭遇しました。
こうすると完全に為替リスクから解放されます。
リスクは100%相手持ちなので、「究極のヘッジ策」といえます。

この方法、場合によっては可能かもしれないので、
検討の余地はありそうです。

しかし、現実はそう上手くいきません。
では、どうしましょうか。もう少し掘り下げてみます。

【先物為替予約では】
教科書的には「先物為替予約」が、
対策の一番目に来るのですが、
意外に使い勝手がよくありません。

なぜかと言うと、為替予約は一旦締結すると、
原則としてキャンセルや、利用期日の変更ができないのです。
しかも為替予約は銀行にとって「与信」となるので、
為替予約を頼んだからと言って、二つ返事では引き受けてくれません。
場合によっては、担保や保証人を要求されます。

その上せっかく予約をとっても、
使うときになは当日の相場ほうが有利、
ということがしばしば起こります。

これではリスクはヘッジできても、メリットは受けらません。

【通貨オプションという手が】
では決めた為替相場の利用権は確保しつつ、
いざとなったら、その権利は放棄して有利な実勢相場を使う。
こんなことができればいいと思いませんか。

実は出来るのです。
それが「通貨オプション」の購入と呼ばれるものです。
「通貨オプションとは」簡単に言うと、
使っても使わなくても良い「為替予約」ということです。
使う・使わないは自分で決めます。

予約相場が当日の相場より良ければ予約を使い、
当日の相場が良ければ予約の権利を放棄して、
当日の相場を使います。

「通貨オプション」は通常銀行から買うのですが、
「為替予約」と異なり「通貨オプション」の購入は、
オプションプレミアムと呼ばれる手数料を、
銀行に支払います。

ただ支払うだけですので銀行与信とはなりません。
つまり担保や保証人は必要ありません。

注意点として「通貨オプション」を売る場合は、
与信の対象となります。念のため。

「通貨オプション」はプレミアムの金額にもよりますが、
利用者にメリットがある商品なので、
もっと利用されても良い気がします。

ただ銀行にうまみが少ないせいでしょうか、
積極的な販売を見たことがありません。
この手の商品は、銀行からの売込みを待っていても、
なかなか「らちが開かない」ものなので、
興味のある方は一度、銀行に照会をする事をお奨めします。

その他の方法もあるのですが、紙幅の関係もあり、
別の機会に譲りたいと思います。

2016/05/02 貿易実務の情報サイトらくらく貿易

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