タイでは現地で働く独身日本人を集めた婚活パーティがなかなかさかんなようです。それだけタイに在住するシングルの若い世代が増えていることでしょうか。|タイでの婚活パーティ事情

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タイでの婚活パーティ事情

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先日バンコクから一時帰国している知人から、こんなニュースを聞いた。

「最近、現地で働く独身日本人を集めた、婚活パーティがなかなかさかんなのよ。それだけ、シングルの若い世代が増えたってことよね」

5年前、私がバンコクに駐在している頃には、なかったビジネス&サービスだ。タイの日本大使館によると、2014年現在、タイに在留している邦人は64,000人。そのうち女性はわずか2万人と、男性の半分以下である。

さらに、これらの多くは銀行、商社、メーカーといった企業の駐在員とその家族だ。しかし、婚活市場が活気づくほど、ここにきて、独身の男女の割合が増えてきたのだろう。

バンコクでの婚活パーティ、場所は日本人が比較的多くすむ、ビジネス街のホテルのレストランバーで行われることが多く、海外ならではの贅沢なロケーションが会を盛り上げる。異国の地で仕事などにトライしようという男性や女性は、おおむねバイタリティがあって前向きな人が多いと思われるが、日本よりも狭い日本人社会ならではの気苦労もあり、簡単に恋愛を楽しめない、という声も聞こえるという。また、出会いの場も限られており、こうしたイベントへの需要は潜在的にあった。

うまいところに目を付けたものだと思う。料金は男性6,600円から7,500円、女性は4500円から6000円。海外に住みたい、アグレッシブな性格で頼りになる男性と結婚したい、とわざわざ日本から参加する女性も少なくないという。特に、いわゆる適齢期を逃し、日本の婚活市場ではなかなか思いどおりの相手に巡り合えない日本人女性から、注目されているそうだ。海外では日本の生活や日本語が恋しいうえにライバルも少なく、恋愛もうまくまとまれば一気に将来を見据えた展開になるはずだ。

一方、2011年より、タイ人同士の結婚斡旋事業を始めたツヴァイバンコクもこの市場に乗り出した。世界のなかで、タイには中国、アメリカについで多くの日本企業が進出しており、少子化を見据えたグローバル戦略を取り始めている。

同社は、現地での独身男女向けのパーティを実施するほか、海外にて入会した会員に対しては国内のツヴァイ会員の情報を随時提供し、帰国時には店舗での顔合わせをセッティングするなどきめ細かなサービスで婚活市場を練り歩く。

海外における婚活ビジネス、様々な形での展開が臨めそうだ。

2016/12/2 フリーライター 蛭川 薫

携帯電話のマーケットはまだまだある

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20年以上前に、ベトナムに数か月滞在したことがあった。

この頃はまだインターネットがそれほど普及しておらず、もちろん旅の情報は紙ばかりだった。日本での通信手段は固定電話。パソコンはなく、原稿もワープロで書いていた。

そんな時代に旅したベトナムはまだまだインフラが整い始めたばかり。大型ホテルなどがぽつりぽつりとあるだけで、今のようなお洒落な飲食店や雑貨店などは皆無だった。

そんな街で、私は、この国の人々の多くが携帯電話を使っているのを見て驚いた。電話線がなくても電話できることが不思議で、その小さな機器を自分も使ってみたいな、と思いながら私は、インフラはときに、ある過程を飛び越えて必要な場所に必要なかたちで届けられるのだということを実感した。

ところで、現在の携帯電話の世界最大の市場は、中国とインド。フィンランドの大手携帯電話メーカー、ノキアは、この両国に、先進国仕様の製品ではなく、現地の事情やニーズを丹念に調査した端末を発売し、市場を拡大した。

大ヒットした携帯電話の特徴は、例えば家族で一台という考えのもと、ひとつの電話のなかに電話帳機能を複数存在させたり、農村部や山間部での使用にも耐えられるよう、泥やホコリに強い仕様を施した。このほか、FMラジオと懐中電灯として使えるなど、現地の人々の暮らしに密着した数々の機能が充実。しかも一定時間通話し続けると、通話が自動切断されるといったサービスも。

軽量でありながら価格も数千円程度に抑えた点も、売り切れが続くほどの大ヒットのひきがねとなった。
これからの市場開拓を考えたとき、既存の製品やサービスにとらわれず、市場の状況をよく見て、そのニーズをしっかりとくみ取ったシステムを提供していく。そして価格も見直し、誰にでも手が届くよう設定する。

また携帯電話がコミュニケーションツールとして、またこれらの国はソーシャルメディアへの関心も高く、2012年の調査によるとインドでは毎月1億ものアプリケーションがダウンロードされており、2016年には、データ通信料市場は160億ドル規模になる見通しだと発表した。

マーケットのチャンスはまだまだある。

2016/10/8 フリーライター 蛭川 薫

人々の心をとらえる企業に必ずあるカルチャーとは

最先端のテクノロジーを駆使し、クリエイティビティにあふれた製品やサービスを提供するには、スタッフのすべてが優れたカルチャーを常に身近に感じていなければならない、とするのは、かのFacebook社のCEOマーク・ザッカ―バーグ氏。

創業以来、世界最大のソーシャルネットワーキングサービスの展開で、私たちの社会や価値観に大きな衝撃を与え続けている同社躍進の要因のひとつに、カルチャーがあることは間違いない。

例えば「Facebook Artist in Residence Program」という取り組み。これは、社内スタッフの目の前で、アーティストが試行錯誤を繰り返し悩み長時間を費やして、アートとテクノロジーが融合した作品作りを行い、展示すというもの。こうした工程を通して、フェイスブックは、社員に対して、会社自体が懸命にものづくりをしている、そしてそれを大切にしているのだ、というメッセージを発信し続けている。

そして今年、フェイスブック社内の壁画一面に全長6メートルもの、鯨と狼の壁画が誕生した。深いブルーをバックに、鯨とその背中に乗った狼がまっすぐに進行方向を見つめる巨大な絵。白く浮かんだ2頭の生き物は、眺める人によって様々なメッセージを受け取ることができるようで、完成後、壁画の前を通る社員が壁を見つめているという。

この作品を手がけたのは、なんと日本人女性。アジア人として今年初めてプロジェクトのメンバーに選ばれたミキマサコ氏は、サンフランシスコでアーティストとして活動するほか大学でもクラスも担当。もともとは西海岸の音楽に憧れを持ち、18歳のときにカリフォルニアの大学に進学した。当初、コミュニケーションを専攻していたが、のちに絵に転向。子供の頃から絵をかくのが得意だったこともあるが、転向の理由を彼女は、英語が苦手でアートにずいぶん助けられたからだと語る。

今回の壁画で氏は、日本人のままでいたいのにそれがかなわないといった思いや、多くの人々とコミュニケーションをとることが困難だった時代を思い出し、Artist in Residenceのシーズン4のテーマ、「多様性」に重ねて表した。

非言語だけれどもときにはとても雄弁なアートという表現手段。
Facebook社にはアナログリサーチラボというスペースがある。ここには活版印刷機からシルクスクリーンの機材が揃っていて、デジタルが進んでいる企業ながら、ポスターといったアナログな作品作りもさかん。同社のデザイナーはここで自由に制作を行うほか、レコードプレーヤーが置いてあったりギャラリーのような展示スペースもあったり、自由にアイディアを形にできる空間となっている。

さらにアナログリサーチラボの室内外のデザインも社員が手がるなど、カルチャーを大切にする同社の姿勢は一貫している。

そしてこのようにアートと企業の密接なかかわりあいは、どんな製品やサービスであっても、「誰かが懸命に作り上げなければそれは生まれない」という気概のあらわれ。

それが企業の原動力となっているのは言うまでもない。

2016/8/2 フリーライター 蛭川 薫

車の未来は電気自動車と自動運転トラック!?

先ごろ、オランダで、2025年までには、化石燃料を動力源とする自動車の販売を禁止しようという法案が下院議会に提出され、多数の賛成者を得ました。

この法案が可決されれば、ガソリン車はもとより、軽油、ハイブリッドカーまでもが規制されることになり、販売が許可されるのは、電気自動車のみ、という図式ができあがります。

オランダ国内ではすでに電気自動車の占める割合が全自動車の9.6%(4300台)。エコ意識の高さが今回の結果を招いたと言えそうですが、施行までの期間の短さを懸念する声も多く、2025年までに実現に至るかは微妙なところ。

とはいうものの、自動車メーカーをはじめ、新しい市場に寄せる期待も高く、水素を燃料とする燃料電池車両は販売が許可される見込みとあって、どんな車両が開発され、販売されるのか、そしてマーケットがどこまで拡大するのか今後の動きに目が離せないところです。

また、加速、操舵、ブレーキのすべての自動車運転操作を無人で行う、自動運転車が一般道を走る社会も、ここにきていよいよ現実味を帯びてきました。

この春、ドイツ、スウェーデン、デンマークなどから一斉にスタートした自動運転のトラック隊列は、オランダ・ロッテルダムに無事ゴール。人の手を介さずに安全で正確にトラックが走行できることが実証されました。この自動運転車を生産し、走行させるための技術は徐々に整いつつあり、今後、実際導入されるにあたってのおもなハードルは、高速道路での専用レーンや専用の出入り口の整備といったインフラや、行政への働きかけにあるともいえそう。

自動運転のトラック導入には、安全面、コスト面などに大きなメリットがあり、導入を待ち望む声も少なくない。

安全面においては、日本でのトラック運転手の労働者割合は10万人につき27人となっており、年間死亡者数は940人。ほかの職業と比較すると死亡者数が突出して多くなっているこの数字を、自動運転トラックなら限りなくゼロにすることができます。

またコスト面を見てみると、一般的にトラックを使用した場合の輸送コストの75%が人件費と言われていて、自動化が実現すればこの分のコストは確実に削減可能となるほか、人が運転している場合に必要な休憩時間もかからないため、生産性はさらに開きが出る見込み。

また、自動運転のトラックは、一定の速度を保ちながらの走行が可能なため、燃料効率が非常にいいという特徴があるほか、WI-FI機能を使って何台かが等間隔で走行するといった方法を採用すれば、前の車による空気抵抗が利用でき、より燃費があがる。

平成23年現在、日本におけるトラック運転手数はおよそ79万人で、もし、トラックの自動運転が導入されればこの労働者は不要となるほか、ドライバー相手の休憩施設やガソリンスタンドなどが影響を受けるのは必至で、こうしたデメリットを指摘する声も無視できませんが、大勢は導入にあるといえるでしょう。

2016/6/16 フリーライター 蛭川 薫

女性の購買行動が8割を決める!

購買行動の意志決定においては女性がその8割を握っている、こんな見出しを目にすることも多くなってきました。

女性の社会進出が進み、所得が増えるにしたがって、実際に女性が使用する商品ばかりではなく、夫が所持するものや、家族の消費財、高額な商品なども女性が購買の決定権を握っていることが、ここ数年の総務省や各機関の調査などから明らかになってきています。

もはや女性の購買行動を無視したマーケティングなどありえない、とまで言えるほど。

以下、詳しく見てみましょう。

まず、収入ですが、女性の大学進学率がここ20年で倍以上に増えたことで女性の就業率や所得金額がアップ。
国税庁の調べによると、2010年には給与所得者全体で、女性の給与が全体の1/4を占めるまでに拡大しています。

また、結婚や出産で一時的に仕事を辞めても将来仕事に復帰する女性も増え、共働き世帯数がそうでない世帯数を上回る結果となっています。

総務省の発表を見ると、1999年には、男性のほうが4万円も上回っていた30歳未満の単身世帯の可処分所得も、2009年には、女性のほうが男性よりも高くなっています。

一方、アメリカでも、高学歴化した女性たちが所得の高い仕事に就くことから、2005年にはすでに若い男女の年収の逆転現象が発生。その結果、2028年には全女性の収入が全男性を上回るとされています。

さらにアメリカでは、78%もの女性が商品購買前の情報をインターネットで得ており、もしどれかひとつのデジタルデバイスをあきらめなければならなかった場合、テレビを捨てると答えた女性が58%、PCが不要とする女性は11%。いかにオンライン情報とオンラインビジネスが浸透しているかがわかります。

三菱総合研究所・生活者市場予測システムの発表によると、電子レンジや洗濯機など、既婚女性の9割が、主に女性が使用する商品を購買する際に決定権を持っている、と回答。しかも、自動車や液晶テレビ、ノートパソコンといった夫とともに使用する商品に関しても、4割~6割の割合で妻が購買を決めていると答えています。

加えて、妻が家計の管理をする家庭は7割と、まさに、家庭のお金は女性が握り、どういった買い物をするのかのほとんどを女性が決定しているのが現状です。

また、もうひとつ、女性をマーケットのメインターゲットと考えたほういい理由として、可処分所得における消費が、どの収入の層でも女性のほうが男性を10%以上上回っているということがあげられます。

どの調査を見ても、女性のほうが男性よりも圧倒的にお金を使う。なかでも、女性は友人とのつきあいに時間とお金をかける傾向にあり、単身男性では、友人と余暇を楽しむという質問項目に対して「あてはまる」「ややあてはまる」と回答したのが24%だったのに比べ、女性では41%もの人がこうしたことを積極的に行っていると答えています。

実際、女性はいろいろなコミュニティで知り合った友人とその後も長く誘い合って食事などにでかけるケースが多く、これからはますます、女性の購買行動におけるキーワードである、「自分らしいものを選択したい」、「幸せを感じたい」、「自分で何かを育てたい」、「共感、特別感、自分へのご褒美」という感情を大切にするなどの点を念頭においてマーケティングを行うことが、必要になってくるのではないでしょうか。

2016/4/22 フリーライター 蛭川 薫

アマゾンDRSがもたらすIoTの未来

日常よく使う電化製品が壊れてしまい、大慌て。
今日にでも買いに行きたいけれど、時間がない。

そうだ、アマゾン!!

空き時間にパソコンに向かい、発注すれば、
ほとんど不便を感じることがないほどの速やかさで商品が届く。

ひと安心しながら、つくづく便利な時代になったなと、
感じられた経験はないだろうか?

アマゾンは、2013年にユーザーの注文履歴や検索パターンから、
次にオーダーされる商品を予測し、注文が発生する前に、
あらかじめその商品を輸送機関に乗せてしまうという
予測的配送システムの特許を取得した。

どこかで誰かに自宅での行動を観られているかのような、
アマゾンのこの戦法。物流システム、小売店販売など各業界への
影響はなかなかのものだった。

そして、2016年1月20日、米アマゾン・ドットコムは、
商品の自動注文システム、
「Dash Replenishment Service(DRS)」の開始を発表。

これは、プリンターのインクや洗濯機用洗剤などといった消耗品の
残量や使用期限を、モデルに対応した機器のセンサーが感知し、
ユーザーのアクションを介さず、自動注文されるという仕組み。
IoT(Internet of Things)そのものだ。

顧客はあらかじめサイトからDRSへのサインアップを
しなければならないが、一度設定してしまえば、あとは必要な
タイミングに自動で商品が届く。

これまでアマゾンでは、消耗品注文機器である「Dash Button」を
対応機器の本体前面に設置し、ボタンを押せば発注が完了する
というシステムを導入していたが、今回のDRSは、さらにそれを
一歩進化させたかたちだ。

今回DRSがスタートするのは、プリンターのブラザー工業、
洗濯機の米ゼネラル・エレクトリック(GE、洗濯機)、
血糖自己測定器の韓国フィロシスなど。

さらに、同社はパートナー企業として、浄水器の独ブリタ、
食洗器の米ワールプール、ハンドソープの米ピュルレや、
電子錠の米オーガストホーム、ペット用食器の米オーブなどと
提携したことを発表している。

DRSを導入した機器ではどんなことが可能となるのか、
もう少しわかりやすい例をあげてみよう。

例えば、スマートフォンでドアの開錠と施錠ができる、
オーガストホームの電子ロックシステム。

DRSが交換電池を自動注文するため、
外出先からのセキュリティ管理がより便利になる。

また、オーブのペット用食器の場合、センサーが食器内の
ペットフードの残量を感知。

残り少なくなると、顧客が指定しておいた商品を自動的に
配達してくれる仕組みとなっている。

同社は、
「コネクテッド・デバイスに消耗品の注文を任せられるため、
顧客の日常生活がスムーズになるうえ、機器メーカーにとっても、
自社製品に再注文の機能を容易に組み込むことで、
顧客ごとの異なる製品の提供を即座にできるようになる
メリットは大きいはず」
と説明。 

今後、家電のみならず法人企業へのシステムの
セールスもどんどん行う方針だ。

人の手を介さずに様々なサービスが受けられるIoTの未来は、
どんな色をしているのだろう。

そこで人々はどんなふうに暮らしていくのだろう。
どうやらそんなことを真剣に考えなければならないような、
アマゾンの快進撃である。

2016/3/15 フリーライター 蛭川 薫

アパレル工場が次々撤退。中国ではいま何が?

【株価の下落、経済成長の落ち込みにあえぐ中国】

先ごろイギリスを訪れ、英南東部で計画中の原子力発電所に
中国製の原子炉を導入することでキャメロン首相と合意した
中国の習近平国家主席。

必死の外交を繰り広げているが、
中国経済はいま、株価の下落、
数年前までは二桁を誇った経済成長率の落ち込みなど、
下降線をたどる一方だ。

中国はこれまで、
西側諸国から借りた巨額の金を全て使って工場を作り、
物をどんどん製造してきたが、
ここ数年はそれらが国中にあふれかえり、
誰もこれを買わないばかりか、
これらの在庫を保管管理するだけでも大変な状態に陥っている。

中国政府はこうした現状に危機感を覚え、
国民の不満を抑えるべく、
汚職の摘発を徹底するのか、
労働人口を増やすためにひとりっこ政策を廃止したりしながら、
政権の基盤作りに必死に取り組んでいるところだ。

【アパレル業界における、世界の工場の座をあけわたす】

アパレル業界においても、これまでは、
生産コストの低さを武器に海外から企業を呼び込み、
世界の工場の代表として君臨してきたが、
経済の減速に伴いその座も危ぶまれている。

2010年に80.5%だった中国から日本への衣料品の輸入シェアは、
翌2011年以降落ちはじめ、2014年には66.8%にまで縮小。

米国における中国からの衣料品輸入シェアも同様に、
2010年の40.9%をピークに減少へと転じ、
2014年には37.9%まで低下した(大和総研レポート)。

いっぽう、
日本への衣料品輸入のシェアを伸ばしているのがベトナムだ。
2010年、わずか5.9%だった輸入シェアを
2014年は10.1%にまで伸ばし、
米国においても7.8%から10.8%と、
アジア各国のなかで最もシェアを拡大した。

ベトナム以外では、
ミャンマー、インドネシア、カンボジア、バングラデシュ
からの輸入が増えている。 

【人件費の高騰が大きな原因】

中国からの輸入シェア低落の原因は、人件費の高騰にある。

例えば、中国の工場地帯である深センにおける、
基本給、社会保障費などを含んだ一か月の労務コストは、
2011年には500ドル、2014年には約700ドルだが、
ベトナムのハノイでは2014年度で247ドル。
ミャンマーのヤンゴンでは172ドル、
カンボジアのプノンペンで157ドルと、
いずれも中国より格段に安い。

先に記したように
中国政府は国民の労働争議やテロ行為などを何よりも恐れている。

今後、景気がますます減速すれば
労働コストの削減などを実施する企業が出てくる可能性があるが、
それに反発した従業員によるストライキが起きるリスクはある。

2015年に中国本土で発生したストライキや抗議活動はおよそ2300件。
2014年よりも約1000件近く上回っており、
労働条件の悪化はこうした状況に拍車をかけかねない。

アパレル業界における中国への回帰は、
中国経済の減速と労働争議、
そして他アジア諸国の技術力、
労務コストなどがからみあい、
なかなか難しいと言わざるを得ないようだ。

2016/2/18 フリーライター 蛭川 薫

国産ニシキゴイに海外が注目-輸出拡大

【世界中の人々を魅了する泳ぐ宝石=ニシキゴイ】

中国の古い言い伝えが語源の「登竜門」。
「黄河上流の竜門という急流を上り来ったコイは、
やがて竜になるだろう」という意味を持つ。

「泳ぐ宝石」とも呼ばれるニシキゴイは、
立身出世や商売繁盛の助けとなる縁起の良い魚として、
またその美しさから、世界中の人々を魅了し続けている。

我が国で生産が始まったのは明治時代。
以降、さかんに品種改良が繰り返され、
より丈夫で美しいニシキゴイが誕生してきた。

そんな国産ニシキゴイに、今、海外から熱い視線が注がれている。

財務省の貿易統計によると、
2014年の輸出額は前年より3.4億円増の33.1億円にものぼり、
現在、日本で養殖されているニシキゴイの約9割は海外輸出用
だということがわかる。

輸出先では香港が約3割を占め、
これに、オランダ、タイ、インドネシア、ベトナムなどが続く。

特に、経済状況が上向いている東南アジア諸国の
富裕層の人々にとって、“富の象徴”であるニシキゴイを買い、
飼育することがステイタスとなっている模様で、
近年、東南アジアへの輸出額が急増中だ。

【長岡市と小千谷市は共同の推進協議会を設立】

例えばインドネシアの西ジャワ州、バンドン郊外では
大手の養鯉場が日本のニシキゴイ養殖業者と提携し、
2000年より幼魚や成魚を輸入して販売している。

ニシキゴイはインドネシア語でも「コイ」と呼ばれ、
古くから食用としてさかんに養殖されてきた。

また、年間を通じて暖かいインドネシアでは、コイが活発に動き、
エサをたくさん食べるため、より大きく成育。

インドネシア国内では品評会もたびたび開催され、
最近では会場に若者の姿も目立つという。

こうしたなか、
ニシキゴイの一大産地である新潟県の長岡市と小千谷市が
さらなる輸出拡大に向けて、ニシキゴイの生産関係者や観光協会
などと「長岡・小千谷『錦鯉発祥の地』活性化推進協議会」を設立。

輸出環境の整備を進めながら、ニシキゴイ文化の価値と発信力の
向上を図ることを同意した。

さらに、両市は日本貿易振興機構・新潟貿易情報センター
(ジェトロ新潟)と協力しながら、海外各国に対して買い付けツアーを
招聘するなど、様々なプロモーションを展開。

品評会や買い付けツアーには香港やタイ、ベトナム、ドバイなどから、
多くの富裕層が参加するなど各国との絆を深めつつある。

この4月にはドバイへの初輸出が実現したほか、
ベトナムでは11月に開催された
「ジャパン フェスティバル イン ベトナム2015」に
小千谷市長や新潟県議、そして養鯉業者で構成された
小千谷市漁業協同組合の役員らが参加して、
ニシキゴイを行政機関に売り込んだ。
 
【生き残りをかける国内外生産者】

ニシキゴイは、温暖な地域であれば比較的育てやすい
といわれているが、美しく丈夫なコイに仕上げるには、
気候の安定、適した水や土の完備などのほか
、膨大な稚魚の中から選抜を繰り返して、
体形や模様などが優れた魚を生み続けなければならず、
多くの時間と手間、そして経験が欠かせない。 

近年は広島県や九州などでの生産力が高まっているほか、
中国などのアジア勢の勢いもとまらない。

こうしたなか各地域、生き残りをかけて様々な策を練る。
勝ち抜くためには、品種の多さや品質、そしてコストやブランド力
といったところがカギになりそうだ。

2016/1/27 フリーライター 蛭川 薫

タイ・バンコクのうまいっしょ北海道・白老牛

【伸びる訪日外国人観光客数。最近はタイ人も急増】

日本政府観光局の発表によると、
2015年1~8月までに日本を訪れた外国人客数は、
1287万5000人。前年同期比49.1%増と、
発表時の9月10日の時点で、すでに昨年1年間の
訪日人数1341万人を上回っており、通年で過去最高を更新する
ことが確実となった。

日本を訪れる外国人のなかでも、ここ数年、目立つのが、
国別の訪日観光客数で6位のタイ人。

今年1月から10月までに訪日したタイ人は、62万7千人と、
前年より22.2%、3年前と比べると2.4倍増えている。

これは
・ビザの大幅緩和や消費税免税制度の拡充
・アジア全域の経済成長に伴う海外旅行需要の拡大
・円安による訪日旅行の割安感の浸透
・そして観光庁や自治体が同国で積極的に
 各種プロモーションを実施した
ことなどが主な理由と考えられる。

さらに、タイでは、テレビで日本の旅行番組が大人気となるなど、
ここにきて日本への旅行はまさに一大ブーム。

訪れたい場所では定番の東京、大阪、京都などがあがるが、
雪が降らないタイでは、特に北海道へのあこがれが強く、
人気が高い。

【バンコクで開催された「うまいっしょ北海道」。白老牛が大人気】

こうした流れを受け、バンコクでは2012年より毎年、
北海道の食と観光をPRするイベント「うまいっしょ北海道」を実施。
例年多くのタイ人が詰めかけ盛況だ。

今年、会場には北海道各地から直送されたカニをはじめとした
魚介類、ベイクドチーズケーキやソフトクリームといったスイーツ、
そして余市ワインとウィスキー、ご当地キティちゃんなどが登場。

大勢のタイ人が、試食などをしながら北海道の味を堪能した。
そして数々のブースが立ち並ぶなか、
タイ人を非常に喜ばせたのは、
2008年の北海道洞爺湖サミットの晩さん会や昼食会でも提供され、
世界のVIPから大絶賛された「白老牛」。

タイにはおいしい豚肉と鶏肉がふんだんにあるため、
牛肉の存在は極めて薄い。
が、和牛人気はここでも高く、去年から同イベントに出店している
「白老牛」は、来場者に大人気。

今年度は会期中3日間で、1食300バーツ(約1050円)の
サイコロステーキ100gを合計351食売り上げた。

和牛の中でも、北海道産の牛は、牛のエサとしておからや小麦、
ビールなどを使用するため脂肪の交雑がうまくすすみ
牛肉に上質なサシが入る。

さらに寒さで肉のうまさが凝縮し、深いコクとまろやかさが加わり
おいしいと評判。
「白老牛」は、そんな北海道牛の代表銘柄のひとつだ。

【和牛効果で、同町へのタイ人観光客も増加中】

同町役場の担当者によると、
このイベントへの参加は、白老牛の輸入拡大のほか、
町内を訪れる観光客の増加を狙ってのものだという。

白老町には古くからアイヌ民族が多く住み、
アイヌ民族博物館など観光施設も多い。

さらに2020年には国立博物館の建設も決定しており、
『バンコクの「うまいっしょ北海道」への出店で「白老牛」の
おいしさがタイの人々の間に浸透するとともに、
 町全体のインバウンドが増えれば何より』
と語る。

農林水産省の発表によると2014年の国産牛肉の輸出額は
1~10月までだけでも、前年同時期比較で143%の
約62億6400万円に達し、前年の輸出額57.7億円を大幅に
上回る89.6億円にまで伸びると予測。

10年前比ではなんと16.6倍と、和牛のおいしさは、
まさに世界ブランド。

このおいしさを力に、地域振興を図る白老町のようなケース。
食と観光を結ぶ、好例かもしれない。

2015/12/17 フリーライター 蛭川 薫

カメラのキタムラネットショップ13ヶ国言語に対応

このたび株式会社カメラのキタムラが、
デジカメからレンズ、写真用品、家電まで
約4万点以上の商品を網羅したネットショップにおいて、
13か国対応の言語切替システムを導入した。

カメラのキタムラではすでに中古ネットショップで
多言語に対応できるシステムを取り入れており、
今回、さらにワンランク上の商品の販路拡大を狙う。

背景には、ここ数年の訪日外国人の増加と、スマホの普及などが
あげられるだろう。

特にスマホがもたらしたライフスタイルへの影響は大きい。
誰もが気軽にきれいな写真を撮影することができるうえ、
それをFacebookやブログなどのSNSにアップしてみんなと
シェアするのも簡単。

仕事に、プライベートに、旅先ではもちろん、日常生活のひとこまを
写真に収めるのがすっかり当たり前になった。

市場を見てもスマホと写真やカメラの関わりがよくわかる。

デジカメが売り上げを急激に落とした2010年は、
ちょうどスマホが驚異的なスピードでシェアを拡大していった
時期と重なり、ちょっとしたスナップ写真を撮るためにわざわざ
カメラを携える時代は、終わりを告げたといってもいいだろう。

いっぽう、デジカメに代わって一段と売り上げ好調なのが、
従来の一眼レフカメラの機能の一部を外し、軽量&コンパクトを
実現したミラーレスカメラ。

気軽に持ち運びができるうえ、スマホやデジカメよりも格段に
画質がいい点が人気を後押ししている模様。

みんなとは一味違った写真をアップして際立ちたいという、
こだわりを持った層にヒットしている。

このたびカメラのキタムラが、ネットショップ用、
13か国の言語切替システムを導入したのはまさにタイムリー。

日本は近年、多くの製造業において生産量トップの座を中国や
韓国などに明け渡しているが、光学技術やデジタル、センサー、
そして組み立てなどの面で高度な技術力を要するカメラに関しては、
いまだこれらの国々の追随を許さず、
2014年のデジタルカメラとミラーレスカメラをあわせた
日本製製品は、なんと世界シェア80%だ
(2014年発表の日本経済新聞社による世界シェア調査)。

こうしたメーカーの動向をにらみながら、
カメラのキタムラが今回発表したネットショップにおける、
13か国の翻訳切替サービス。

中国語、韓国語、中国語や韓国語、タイ語、英語、ドイツ語、フランス語
などの言語に表示切替えが可能で、
タブレットやパソコンサイトだけでなく、スマホにも対応しているのも特徴だ。

あらかじめ自国でネット注文した品を、日本を訪れた際に店舗指定して
受け取るというショッピングの方法もぐんと容易になったこのサービス。

母国語でカメラの検索ができたり、解説を読むことができれば、
英語に頼ってサイトを眺めているときよりも、
購入までの歩幅がずいぶん縮まるはず。

これからはもっと世界のあちこちで、
日本製のカメラを手にした人たちとたくさん会えるに違いない。

2015/11/21 フリーライター 蛭川 薫

バンコクで流行に敏感な自転車男子が急増中

最近、バンコク市内を走る自転車の数がとても増えた。

もともとタイには、自転車専用レーンと貸自転車が完備されている
公園があったり、レンタサイクルで回れる観光地もあるので、
筆者も駐在中何度か自転車に乗った経験がある。

が、ご存知のとおり、タイは暑い。
歩くのさえ暑いのに、炎天下、自転車をこぐのはかなりきつい。
突然の雨もある。

しかもバンコクの道路は
凹凸が激しかったり
急な段差が出現したり
と状態が悪いうえに

バイクタクシーが右往左往し
車の運転も丁寧とはいえない。

これまで自転車はほとんど市民の足ではなかった
(もちろん自転車専用レーンや自転車の駐輪場もない)。

こんなふうに自転車にとってよくない条件がそろっているにもかかわらず、
ここ数年バンコクでは、ファッションや流行に敏感なクリエイティブ系の
仕事に携わる男性を中心に、自転車人口が急増中。

週末ともなるとあちこちで、カスタマイズしたカラフルな自転車を操る
男の子のグループが、暑いバンコク市内を駆け巡る。

海外留学や旅行の経験が豊富な裕福層の間では
エコを重視するライフスタイルも流行中で、
自分の足でペダルを踏み、風を切って街を行くサイクリング
というスポーツが、自転車という道具の美しさや機能性とリンクし、
ファンを増やしたのだろう。

また、こうした自転車ファンの多くは、
自分好みの乗り方や色などを追及し
フレームやハンドル
ブレーキそのほか
様々なパーツを組みあわせて、
自転車を自分スタイルに作り変えるという。

いっぽう、現在タイでは
日常使いの安い自転車しか製造されていないため、
自転車愛好家たちのターゲットはもっぱら、
日本、イタリア、台湾や中国、ベトナムから輸入された
マウンテンバイクやロードレーサー。

そしてこれら輸入自転車の価格は、
私たちが日本で同じ自転車を購入する金額と変わらず、
現地の物価や所得を考えると、今のところタイの人にとって
趣味の自転車は高い買い物だ。

また2012年現在、タイにおける自動車の登録台数3248万台
(このうち1915万台がバイク)、世帯所有率36%(2010年現在)。

自転車ファンは市民のごく一部にすぎないが、
タイには海外在住者も多く
(2013年調査/人口に占める海外在住者率・日本が1.6%、タイは5.6人)、
勢いがある今のバンコクを見ると、これまでほとんど需要がなかった
市場だけに、どう発展するかが楽しみだ。

バンコクでは、こうした動きにともなって
今年初めにイギリスの折りたたみ自転車メーカーのタイ初となる
ショップがオープンしたほか、
自転車ファンがゆっくりと食事しながら情報交換できる店や、
中古自転車店が次々と出現。

観光客向けのバンコク市内サイクリングツアーが定着し、
中古自転車店は地方にも広がりつつある。

タイの自転車マーケット、ビジネスの切り口もいろいろありそうだ。

2015/11/02 フリーライター 蛭川 薫

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