B/Cについての貿易用語解説。貿易実務の情報サイト 「らくらく貿易」。|B/C 貿易用語集

  • Twitter
  • facebook
  • LINE
検索

とりたててがた・トリタテテガタ 取立手形 

Bill of collection
外為実務用語。
B/Cと略す場合が多い。

主に信用状なしが多いが、まれにB/Cでも信用状付もある。信用状付きのB/B(Bills bought)買取手形と対をなす取引形態。

一言で言えば、輸出者が金融機関に手形を持ち込んだ際に、金融機関が買取をすればB/Bで、しなければB/Cとなる。

なおB/Cという用語は、輸出入いずれにも用いることができるが外為の現場では輸入で用いられることが多い。輸出では、この場合は単に「Collection:コレクション」と表現する。

ワンポイント1:
輸出者から見たB/CとB/Bの比較。

B/Cは、B/Bに比べて買取りという銀行与信が発生しないので、金融機関に持ち込んでからの手続きが、B/Bに比べて簡単、かつ銀行手数料も少なくて済む利点がある。

また送金ベースでの資金回収が、ひたすら輸入者からの送金待ちであるのに対して、B/Cでは船積書類が金融機関経由となるので、輸入者は支払(又は引受)をして初めて貨物を引き取れる。

この結果、
・資金回収の確実性が増す
・信用状を輸入者に求めるほどではないが、送金では不安
という輸出者のニーズを満たす取引としてB/Cは利用されることが多い。

ワンポイント2:
輸入者にとってもメリットはある。

B/Cでは多くの場合、信用状を前提としていないので、取引金融機関に信用状を開設してもらう必要がなく、与信も手数料も当然ながら発生しない。

また船積書類が金融機関経由となるので、輸出者の資金回収が送金ベースに比べて確実となり、円滑な船積が期待できる。

さらに海外から船積書類が取引金融機関に到着した後に、輸入者が支払(または引受)をすれば、金融機関から受領した書類で、貨物の引取が行えるため、更なる与信供与を金融機関い求める必要もない。

とれじゃりーちぇっく・トレジャリーチェック 

Treasury check
外為実務用語。
米国財務省発行の小切手のこと。

日本語では「財務省小切手」と訳すように、政府発行の小切手全般をさすが、外為ではまず100%、米国財務省発行の小切手のこと。

この財務省小切手は発行される理由も金額も多種ある。有効期限は券面上には明記されていないが、発効日から6ヵ月を経過したものは、金融機関によっては取り扱いを断られる可能性がある。

ワンポイント:
トレジャリーチェックに限らないが、小切手を海外に送付して、資金を受領したのちに、当該小切手の偽造や変造、盗難などを理由として、支払銀行から資金の返還請求が来る場合がある。

これは小切手決済に関する法制度の違いによるものであり、日本サイドとしてはどうしようもない事である。

米国財務省小切手では、最長4年間はこの状態が続く。よってリスクを考えると、たとえ手数料が自己負担となろうとも、送金扱いでの資金回収を、まず念頭に置くべきと思う。

どくりつせいのげんそく・ドクリツセイノゲンソク 独立性の原則

外為実務用語。
LC決済の原則に関する用語。
信用状統一規則第四条に定める信用状取引における重要規定の一つ。

信用状統一規則第四条では、信用状に基づく取引では全当事者が原契約に拘束されないと定めている。(原契約の基礎となる売買契約など)

これはすべての当事者は信用状取引において他の契約を演繹できないことを意味する。

この効果として商品取引の専門家ではない銀行が、当事者として信用状取引に参画できることになる。

ワンポイント:
この規定は銀行間取引でもよく守られており、たとえ原契約通りの書類であっても信用状条件と不一致の場合は、それをもって不渡りの原因となる。

この不渡りに対して原契約等を根拠とする抗弁は、認めてもらえないのが実態である。

とくていきかんわたし・トクテイキカンワタシ 特定期間渡し

外為実務用語。
先物為替予約の受渡し時期の決め方の一方法。
確定日渡し(ある特定の日を定める方法)と対をなす概念。

この「期間渡し」には特定月を受渡し期間とする「暦月渡し」も含まれる。

期間の定め方に特に決まりはないが、東京・ニューヨーク外為市場の休場日には受渡し開始日と終了日を設定できない。

またUSD以外の通貨を約定した場合は、その通貨を法定通貨(資金決済などに法定強制力を持たせたもの)とする国が休日の場合は、その日を受渡し開始日や最終日と出来ない場合がある。

この「特定期間渡し」の特徴は、予約履行可能な期間中であれば、いつでも、また、輸出・輸入の同方向であれば、取引種類に係わらず、何回でも分割実行が可である。なお分割使用しても特段の手数料は発生しない。

ワンポイント:
東京やニューヨーク外為市場が休場の場合、その日を特定日とする為替予約の締結は出来ない。

それでも為替予約を締結したい場合は、休場日を挟んで「特定期間渡し」の予約を締結すれば、休場日にも為替予約が使用できる。

裏ワザというほど大げさではないが、憶えておいて損はない方法である。

とうきょうかわせしじょう・トウキョウカワセシジョウ 東京外為市場

Tokyo foreign exchange market
外為実務用語。
世界の主要外為市場の一つ。

他の市場と同じ電話マーケットであり、特定の取引場所がありわけではない。参加者は金融機関とブローカーと呼ばれる短資会社。

ロンドン市場やニューヨーク市場と取引時間帯が重ならないため、比較的実需筋(投機筋の反対語)の取引が多いという特徴がある。

値動きは前日の欧米相場の流れを受けてそのまま動きやすい。

ワンポイント:
外為市場は相対(あいたい)取引と呼ぶ個別取引で成り立っており、取引時間外でも相手さえいれば取引は成立する。

東京外為市場を説明する場合に、24時間取引可能とする場合があるが、この点をとらえて説明しているものである。

東京市場で相手が見つからなくとも、海外市場にそのままつなげば、相手が見つかる場合がほとんどである。ディーラー自身は、東京市場の取引時間帯を意識することはあまりない。

とりひきやっかん・トリヒキヤッカン 取引約款

General Terms and Conditions
輸出入契約交渉に関する用語。

相手先との交渉開始段階で明示される「取引約款」のこと。価格、決済方法、納期などの表面約款だけでなく、契約法務に関する裏面約款も含まれる。

どっくふぃー・ドックフィー 

Documentation Fee
Documentation Feeを略してDOC Fee。
海運輸送(コンテナ)で使われている物流用語。

B/L(船荷証券)発行手数料のこと。船会社が荷主に対して請求する。B/L Feeという場合もある。

関連用語:
B/L Fee

とりっぷす・トリップス TRIPS協定

TRIPS
Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rightsの略。

WTO設立協定の一部。知的所有権について締結された協定「知的所有権の貿易関連側面に関する協定」のこと。サービス貿易に関する自由化のあり方を定めた取り決め。

国際的な自由貿易秩序維持形成のための知的財産権の十分な保護や権利行使手続の整備を加盟各国に義務付けることを目的とし、加盟国は協定の内容を各国の法律に反映。WTO協定の一部であるため、WTOの紛争解決手続きを用いることができる。
(WTO 参照)

とりむ・トリム TRIM協定

TRIM
Agreement on Trade-Related Investment Measuresの略。
WTO設立協定の一部。
投資について締結された協定「貿易に関する投資措置」のこと。通称「TRIM(トリム)協定」

外国からの投資を受け入れる際に行われる様々な要求、例えばローカルコンテンツの使用要求、輸出入均衡、為替規制・輸出制限(国内販売要求)などを投資制限要求として禁止することを明示している。
(WTO 参照)

とりっぷちゃーたー・トリップチャーター

Trip Charter
海運用語。
用船契約の一種。
積地から揚地までの往復航海(One Round Trip Charter)、または片道航海(One Way Trip Charter)のように契約期間が短期間の契約形態をトリップチャーターという。

とらんぱー・トランパー 不定期船

Tramper
海運用語。
トランパー(不定期船)のこと。海上輸送方法の一種で、スケジュールが事前に決まっている定期船に対し、特定の航路を定めずに、貨物の有無により不定期に運航される輸送方法のこと。

どうぶつけんえき・ドウブツケンエキ 動物検疫

Animal Quarantine
外国からの動物の病気の侵入を防止するため行われる水際対策の一つ。
動物検疫所が行う検疫制度のこと。世界各国で実施されている。

動物検疫所は、動物の他、それらから作られる畜産物の輸出入検査、犬や猫、サルなどの輸入検査、水産動物の輸入許可業務を行っている。

どあつーどあ・ドアツードア

Door To Door
戸口(ドア)から戸口(ドア)まで一運送者の責任で輸送すること。国際宅配輸送方法。

A地点で貨物をピックアップ、輸出通関後、国際輸送、輸入地での輸入通関、B地点への配達までの一貫輸送のこと。

ドアツードア輸送を行う業者はフォワーダーと呼ばれる。
(Integrator 参照)

とらすとれしーと・トラストレシート 輸入貨物担保保管証

Trust Receipt
輸入実務で使われる書類の一種。T/Rと略す。

荷為替手形決済までは、貨物の所有権・担保権は銀行にある。貨物入荷時にまだ手形決済前のことが多く、その場合、輸入者が銀行から船積書類を借り受ける為に銀行に提出する保管証のこと。保管証と引き換えに船積書類が渡され、貨物を引き取ることができるようになる。

どっくれしーと・ドックレシート

Dock Receipt
船会社が発行する貨物受取書のこと。
輸出実務で使われる書類の一種。コンテナ貨物がコンテナ・ヤードに搬入された時に発行される。

船荷証券(B/L)はドックレシートの情報をもとに作成されるため、信用状情報に合致する正確な記載が必要。
(Mates Receipt 参照)

とくていげんさんちしょうめいしょ・トクテイゲンサンチショウメイショ 特定原産地証明書

EPA Certificate of Origin
原産地を証明する書類のうち、特に経済連携協定(EPA)の関税率が適用できることを証明する書類。

各EPAには原産地規則が定められており、特定の要件を満たしたものしか、EPA税率を適用することはできない。原産地規則を満たしていることの証明として、特定原産地証明書がある。

輸入者は、EPA税率を適用したい場合、特定原産地証明書を税関に提出する必要がある。

日本における特定原産地証明書の発給機関は日本商工会議所。
(Certificate of Origin 参照)
(EPA 参照)

どらふと・ドラフト

Draft
喫水または吃水(きっすい)。
船が水に浮かんでいるときの水面から船底までの距離のこと。

貿易決済に使う手形という意味もある。

とりけしかのうしんようじょう・トリケシカノウシンヨウジョウ 取消可能信用状

Revocable LC
LC(信用状)に関連した用語。
信用状の一種。
取消可能信用状のこと。
輸入者が勝手に支払条件を取り消すことができるため、一般的には用いられない。
(Letter of Credit 参照)

とりけしふのうしんようじょう・トリケシフノウシンヨウジョウ 取消不能信用状

Irrevocable LC
関係者全員の承認がなければ取り消しができない取消不能信用状。

LC(信用状)に関連した用語。一般的な信用状形態。

2007年信用状統一規則によると、信用状に取消不能の記述がない場合でも、取消不能信用状とみなされることになっている。
(Letter of Credit 参照)

どらいこんてな・ドライコンテナ

Dry Container
常温輸送で使用される一般貨物用密閉型コンテナのこと。

長さは通常20フィート(約6m)、40フィート(約12m)の2種類。高さは8フィート6インチ(約2m60㎝)が一般的。そのほか、高さ9フィート6インチ(約2m90㎝)のハイキューブ型がある。

どらむ・ドラム

Drum
梱包方法の一つ。D/Mと省略。
液体を輸送する際に使用される梱包方法(スチール、ファイバー、プラスチック製ドラム)。

どれーじ・ドレージ

Drayage
コンテナを陸上輸送すること、陸上輸送料のこと。(ヨーロッパでは Haulageと表現)

CY(コンテナヤード)から荷主指定の倉庫などへの陸上輸送の往復料金である。CIPやDAPなどの貿易条件であっても、ドレージは含まれていないので、輸入者負担となる。

とりぷりけーと・トリプリケート

Triplicate
3通のこと。

ワンポイント:
3枚つづり(=in triplicate)や3通作成の証明書(= Triplicate certificate)などの使い方をします。

BL(Bill of Lading=船荷証券)は、船会社が船積み地点で貨物を受け取ったことと、指定の目的地までの運送およびその荷揚げ港で貨物受取人に貨物を引き渡すことを約した有価証券、つまり貨物の所有権を表す証券です。

手形と同じく裏書によって譲渡可能となります。オリジナル3通それぞれに裏書をして貨物受取人に郵送し、貨物受取人が現地船会社代理店に提示して、貨物引取りが可能となります。

とらんしっぷ・トランシップ

Trans Shipment
輸送経路途中で積み替え=ダイレクト輸送ではなく、経由地で積み替える輸送方法のこと。