ユーエスエムシーエーの貿易用語解説。米国・メキシコ・カナダ協定。NAFTA(北米自由貿易協定)に代わる新しい貿易協定。農産物、工業製品、労働条件、電子商取引など幅広い範囲を含んだ協定。2020年7月1日発効。|ユーエスエムシーエー

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USMCA 米国・メキシコ・カナダ協定。

NAFTA(北米自由貿易協定)に代わる新しい貿易協定。農産物、工業製品、労働条件、電子商取引など幅広い範囲を含んだ協定。2020年7月1日発効。

自動車の製造において3国での製造割合を増加させること。メキシコ・カナダから米国への自動車輸出台数に制限を設けること。

乳製品市場においてカナダから米国へのアクセス増加、相手国の通貨安を防ぐ為替条項などが含まれる。

NAFTAの紛争解決システムは維持している。

2020/05/20 更新

ゆしゅつまえがし・ユシュツマエガシ 輸出前貸し

外為実務用語。
輸出者への、金融機関による輸出関連資金融資のこと。

一般には手形貸付によるが、最近では印紙節約目的で、特定当座貸越が利用されることが多い。

輸出者は、この資金で輸出商品の生産や購入を行なう。その後、輸出者は船積書類を金融機関に買い取ってもらう。融資金の返済は、この買取代り金で行われる。

なお手形貸付以外の融資方法として、輸出当座貸越(E勘定、Export Account)がある。これは個人の総合口座(当座貸越)と似ており、貸越限度額までは、金額・回数に関係なく利用できる。

ワンポイント:
輸出前貸は他の借入(例えば運転資金や設備資金)に比べて、金融機関の審査が通り易いと言われている。

この理由として考えられるのは次の点である。
1.資金の使い道がはっきりしている。
  →輸出商品の仕入や製造に充当。他には使えない約束。
2.何のお金で返済するのかがはっきりしている。
  →輸出の買取代り金が返済原資。
3.返済の確実性が高い。
  →返済金は信用状付輸出為替の買取になる場合が多く、書類さえ整えば不渡りの可能性は低い。
4.比較的短期で返済してもらえる。
  →輸出書類の買取を行ない、その資金で返済されれば、その時点で輸出前貸は終了となる。
5.金利収入以外のメリットがある。
  →輸出前貸は輸出為替持込が前提であり、外為を獲得できるというメリットが大きい。

ゆにゅうわりあてひんもく・ユニュウワリアテヒンモク 輸入割当品目

輸入コンプライアンス用語。
輸入される貨物の数量(又は金額)を国内の需要等に基づき、輸入者等に割当てをする制度のこと。
IQ(Import Quota)制という。

水産物とオゾン層破壊物質などが該当する。
水産物については原則年一回の輸入発表を行い、経済産業省で輸入割当の申請を受け付けている。電子申請可能。

割当には、
商社割当て
先着順割当て
漁業者割当て
需要者割当て
海外開発割当て
があるが、初めて輸入割当を申請する場合は先着順割当てを利用することになる。

いずれにしても輸入割当を受けないと、輸入そのものが出来ないので注意を要する。

ワンポイント:
貿易自由化の進展にともない、過去に比べると減少しているが、水産物に関しては、身近なものが対象となっており、経済産業省のHPなどで一度確認しておくと良い。(例えば海苔、さば、いわし、あじなどが対象となっている)

ゆにゅうはね・ユニュウハネ 輸入跳ね返り金融

外為実務用語。
輸入決済実務では「輸入ハネ」と略する。

輸入商品の売却代金がまだ回収できていない段階で金融機関のユーザンス期日が到来することがある。

手元に資金があればその資金で返済すればよいのだが、無い場合は支払いができないことになる。

そこで金融機関から新たに円資金の融資を受け、ユーザンスから乗り換えることを、「ハネる」という。この融資のことを総称して「輸入跳ね返り金融」と呼ぶ。

ユーザンスを用いずに、直接円資金の融資を受けることを「直ハネ(じきはね)」と呼ぶ。

ワンポイント:
通常のハネであれ直ハネであれ、金融機関から見ると、紐付き融資(ひもつきゆうし)の一種であり、与信案件として取り上げやすい側面を持つ。

紐付き融資とは、融資金の使途や返済原資(何の資金で返すのか)が明確な融資のこと。

金利支払いの必要はあるが、金融機関の支援を受けやすい資金調達手段であり、輸入取引を行う場合は、資金繰り円滑化の観点から、前向きに検討してよいだろう。

ゆにゅうしょうにんひんもく・ユニュウショウニンヒンモク 輸入承認品目

輸入コンプライアンス用語。
経済産業省の輸入公表に定める輸入承認を要する品目のこと。

■「2号承認」と呼ばれる、「輸入元・地域別の規制」
たとえば、ブラジルやフランスからのクロマグロ、コートジボワールのダイヤモンド原石などがその例となる。これらは経済産業大臣の輸入承認が必要である。

また、ワシントン条約やモントリオール議定書などに定めるものも、原産地や船積地域によっては承認が必要となる。

■「2号の2承認」とよばれる品目の規制
原産地または船積地域にかかわらず、特定の貨物について承認を要する制度。全部で102品目あり、大麻草、石綿、ウラン鉱などが代表的。そのほかワシントン条約、バーゼル条約(特定有害廃棄物関連)などで、規制されている品目があり、原産地や船積地域に関係なく全世界対象で輸入承認が必要である。

ワンポイント
輸入に関して輸入承認とは別に、「輸入割当」と呼ばれる制度があり、非自由化品目(にしんなど水産物19品目)とモントリオール議定書に定める規制物質の一部などが、輸入割当(Import Quota:IQ)品目に該当する。

これらの品目を輸入する場合は割当申請が必要であり、経済産業省ウェブサイトや経済産業省公報などに留意すること。

ゆしゅつてがたほけん・ユシュツテガタホケン 輸出手形保険

Export Bill Insurance
外為実務用語。
金融機関を被保険者として、荷為替手形取引の、代金回収不能をカバーする保険。

荷為替手形単位で保険の利用を選択できる。銀行が買い取った荷為替手形が、不払いとなった場合のリスクをカバーする。

ワンポイント:
この保険の特徴を列挙する。
・保険者は(独)日本貿易保険であるが、国が再保険に応じており、安全性の高い保険といえる。
・信用危険(リスク)だけでなく非常危険(リスク)もカバーするため、民間の保険より使いやすい側面を持つ。
・輸出振興策の一環であるため、民間の保険会社が引き受けにくい案件でも、引き受けることができる場合がある。
・保険金額は、手形金額の95%。

ゆしゅつしょうにんひんもく・ユシュツショウニンヒンモク 輸出承認品目

輸出コンプライアンス用語。

輸出承認品目とは、輸出貿易管理令別表第2に記載されている貨物、輸出貿易管理令第2条第1項第二号の規定に係る貨物のこと。(廃棄物関連、ワシントン条約関連、委託加工貿易などが該当)これらを輸出する場合は輸出承認手続が必要。

ワンポイント:
ここで「許可」と「承認」と「認可」について。

言葉を聞いただけではどう違うのかよく分からないが、行政官庁相手では立派な違いがあり、使い方を間違うと、大変なことになるので注意したい。

まず「許可」とは、行政庁が禁止事項を解除することの意味。つまり「許可」を得ないで行うと処罰されることになる。「運転免許」を考えると分かりやすい。許可を得ないで運転すると、無免許運転で処罰されてしまう。

「承認」とは、人のやったことを行政庁が正当と認める行為のこと。正当な行為であれば、行政庁が認めなくても正当であり、お墨付きが貰えてないだけのこと。但し何かするのに、お墨付きが必要と決めてられていれば、それは実質「許可」と同じこととなるので要注意ではある。

「認可」とは、「許可」が禁止事項に対する行政庁の承認であるのに対して、「認可」は禁止事項ではない事項に対する行政庁の承認のこと。

ゆしゅつきょかひんもく・ユシュツキョカヒンモク 輸出許可品目

輸出コンプライアンス用語。

経済産業省が、安全保障貿易管理の観点から規制している品目のこと。(輸出貿易管理令の別表第1に記載されている貨物や外国為替令の別表に記載がされている技術)

武器とその関連品目(武器に転用可能なものなど)が対象となる。

該当する品目を輸出しようとする者は、経済産業大臣の輸出許可が必要となる。

規制は二段階であり、まず「リスト規制」と呼ばれる輸出貿易管理令で定めたリストに該当するかどうかを調べる。

該当しなければ、次に「キャッチオール規制」と呼ばれるどこでだれがどのような用途に使われるのかを調べる。

このキャッチオール規制には、木材・食料品等を除くすべての貨物と技術が対象となる。

対象地域は、世界の全地域。スイス、イギリス、アメリカ等のホワイト国を除く。

この規制は不明点等あれば所管官庁問合せ相談が可能だが、各企業が自主的に管理しなければならない。

ワンポイント:
近年は規制が強化されており、輸出許可の有無を判断する重要性は、大きくなっている。

軍事用に転用可能な民生品に該当する恐れのあるものは、「経済産業省貿易経済協力局安全保障貿易管理課」に事前相談することが望ましい。

ゆしゅつとりたててがた・ユシュツトリタテテガタ 輸出取立手形

Export bill of collection
輸出代金の回収方法の一種。貿易資金決済に関連した用語。

輸出者が荷為替手形と船積書類を取引銀行に持込み、取引銀行が輸入者の取引銀行へ当該書類等を送付し、輸入者の取引銀行に代金取立てを依頼する。輸入者の取引銀行は、輸出者に代わって代金取立てを行う。輸出者の取引銀行は取立代金入金が、確認されてから輸出者に支払うことになる。

輸出地の取引銀行は、立替払いを起こさないため与信行為とはならない。

輸出者としては銀行に依頼し易い上に、買取に比べ銀行手数料が安くなるため、信用状無しの取引では、輸出者の資金繰りに余裕がある場合は利用されることがある。

ワンポイント:
ICC(国際商業会議所)では「取立統一規則」(URC522)を定めている。

信用状統一規則(UCP600)と異なり、あまり目にする機会がないが、必要な条項は定められており一読をお勧めしたい。

ゆーえるでぃ・ユーエルディ ULD

Unit Load Device
航空輸送で使われる物流用語。
航空機輸送用具のこと。
貨物を短時間に航空機に搭載、積み下ろしができる輸送用具(箱型コンテナ、パレット)のこと。

ゆーざんす・ユーザンス

Usance
国際金融決済の用語。
輸入貨物代金の支払を一定期間猶予する輸入金融のこと。

為替銀行や輸出者が輸入者に対して、貨物代金の決済を一定期間猶予し、その間に輸入者は貨物を売却し、代金を回収して期日に輸入決済を行うもの。

関連用語:
At Sight

輸入地の銀行が扱う「自行ユーザンス」(本邦ローンともいう)が多いが、輸出者が行う「シッパーズユーザンス」やその他の銀行が扱う「外銀ユーザンス」もある。

ゆにゅうしんせいしゃ・ユニュウシンセイシャ 輸入申請者

外為実務用語。
外為では金融機関に取引の申し出をする者を指す。

申込人のことを外為以外ではClientが用いられるようだが、外為では
Applicantが多い。特に送金関係で多い。

また信用状取引では、輸出入ともにOpenerもよく目にする。

ワンポイント:
昨今の金融情勢で、金融機関の窓口では、特に取引内容の確認と並んで重要なのが、本人確認。

金融機関の店舗窓口に来店した者が、取引依頼人本人であることの確認と同時に、依頼人そのものが実在する者かどうかの確認も、取引のつど行っている。

銀行や役所に行くときには、念のため印鑑と本人確認資料は持って行った方が良い。というのは、あながち誇張した話ではない。

ゆーえぬなんばー・ユーエヌナンバー 国連番号

United Nation Number
国連が規定した危険物を識別するための4桁の番号のこと。UN No.
危険物運送に関わる規則の中で広く利用されている。
(Declaration 参照)