訪日中国人による「爆買い」が流行語にもなったのは2015年のこと。現在は個人消費者がインターネットを介して国境を超えて買い物をする越境ECにトレンドが移っています。|中国爆買いが終えん、トレンドは越境ECへ?

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中国爆買いが終えん、トレンドは越境ECへ?

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訪日中国人による「爆買い」が流行語にもなったのは2015年のこと。あれから2年、爆買い失速で日本のドラッグストアは店頭収益爆減・・・。

しかし、訪日中国人は帰国後、日本の商品をインターネットで買うリピーターになっていました。

個人消費者がインターネットを介して国境を超える買い物をすることを越境ECといいます。そして、日本の最大の越境EC相手国は中国なんです。

2016年、中国が日本から越境ECで購入した額は1兆366億円。これは30.3%増で、まだまだ伸びると予想されています。

中国の越境ECは配送方法によって、それぞれ徴収される税や手続きなどが違います。

一つは「直送」モデルです。
これは、EMSや国際宅配便を利用して消費者に日本から直送する方法です。個人の郵送品として扱われ、貨物の内容は自己申告に基づき簡易的に通関されます。「行郵税」が適用。税率は品目により3段階。免税措置もあります。

もう一つは「保税区」モデルです。これは、商品を船便などで中国国内の自由貿易特区の保税区にいったん納入します。注文が入れば管理業者が商品を保税区から消費者に配送。保税区から出るときに納税します。保税区に一括搬入することで運賃が節約でき、注文から配送までの時間が短縮できます。

保税区は越境EC輸入モデル都市及び総合試験区として、杭州、天津、上海、重慶、合肥、鄭州、広州、成都、大連、寧波、青島、深セン、蘇州、福州、平潭の15都市。

直送モデルも保税区モデルも一回の購入額2,000元まで、年間20,000元の上限あります。超える場合は一般貿易として扱われます。

中国では越境ECによる輸入を個人の物品ととらえ、「行郵税」を適用してきました。しかし、一般貿易との不公平感から、2016年4月に新制度が導入されました。

新制度では保税区の行郵税廃止、ポジティブリスト方式による輸入商品の限定、保税区入庫時の通関単の提出、初回輸入時の輸入許可証や登録手続きが必要になります。また、保税区は行郵税に代わり、関税・増値税・消費税が適用されます。関税は暫定0%、増値税・消費税は軽減税率で徴収されます。品目により税率が異なります。

ところが、公告から施行まで短期間だったこともあり、施行直後は大混乱。税関で貨物の半数以上が通関できないという事態が起こりました。

そこで、新制度の導入に1年間の猶予が与えられ、税率が先行して施行されることになりました。後に、さらに延長され、2018年1月1日より新制度で完全運用すると発表されています。

制度自体も発表当初は規制が厳しく、特に新商品の購入が実質難しい状況でしたが、申請手続が簡略化されるなど、たびたび変更が発表されています。

「上海・浦東新区における非特殊用途化粧品の記録管理の試験運用に関する公告」によれば、スキンケア、メイクアップ、など一般化粧品の初回輸入を「許可制」から「届け出制」へ変更し試験運用するとのこと。

現状では越境ECに対する政府態度は規制緩和傾向にありますが、まだまだ不安定なのも事実です。一般貿易で適用されている法規制や手続きにも素早く対応できるように、準備しておくのが賢明と思われます。

2017/06/07

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