国際海上輸送では、長い時間と距離を貨物が移動するため、事故の可能性が高いものです。商品にまで影響を及ぼす事故とその事故原因を考えてみました。 |国際海上輸送にありがちな事故と原因

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国際海上輸送にありがちな事故と原因

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国際海上輸送にありがちな事故と原因を考えてみました。

国際海上輸送では、国内輸送と違って長い時間と距離を貨物が移動するため、事故の可能性が高いものです。

貨物外装の小さな破れやへこみは日常茶飯事といっても過言ではありません。

では、外装のダメージだけならともかく、商品にまで影響を及ぼす事故とその事故原因とはどのようなものがあるのでしょうか。

1.コンテナの劣化などによる損傷
コンテナは本船上で貨物の一番の外箱になるものです。長い航海中に海水や雨水にさらされるため、長期間の使用により劣化してしまいます。劣化部分から海水や雨水がしみ込み、水濡れやカビ・錆が生じます。冷凍・冷蔵コンテナは劣化による故障が商品の凍結・解凍、変質・劣化の原因になります。

コンテナの損傷・故障はバンニング前のコンテナ内の確認で事故を防止できます。通常、デバン後にコンテナ内の清掃や異常がないかの確認を行って返却を行いますが、バンニング前にも再確認することが重要になります。

2. 荷役作業中のラフ・ミスハンドリングによる破損
ラフ・ミスハンドリングとは、荷役時に乱暴に貨物を扱うことです。足で蹴って貨物を移動させたり、水のたまった路面に置いたり、コンテナや貨物を他の物と衝突させたりすることで、破損やへこみ、変形などが起こります。

3.積み付け・積載不良、固縛不十分
貨物の積み付けがコンテナ内で一方だけに偏っている、または、しっかり固定せずにコンテナ内で貨物が動く状態だと、輸送中の揺れや振動で荷崩れしてしまいます。また、カートン内に可動域があることでも商品が破損します。

梱包状態やラッシング(ロープなどでコンテナ内で貨物が動かないように固定すること)が悪くて貨物がダメージを受けても、保険請求できないので、注意しましょう。これは協会貨物約款I.C.C.でも、免責事項として定められています。

4.温度変化
基本的にドライコンテナは通気口などもないため、外気温の影響を受けやすく、コンテナ内が高温になります。高温になったコンテナと外気との温度差で結露が生じ、貨物に水滴がつき、そこからカビや錆が生じてしまいます。

そこで温度変化への対策が必要です。特に金属部品や電子機械など、水気や埃対策が必要な貨物には真空梱包が適しています。これは、商品を透明フィルムで多い、フィルム内の空気を抜いて真空状態にすることで、埃や湿気などの外気から守ることができます。

以上がよくある事故とその原因です。他にも機器の設定ミスや保管不良、船舶や車両などの不良、梱包不良など様々な原因があります。

ダメージを最小限にするために、梱包を頑丈にすればするほど安心ですが、手間とコストがかかります。また、貨物容積が大きくなり、輸送費も多くかかってしまいます。日本人は特に外装にこだわりがちで、カートンの小さな破れだけでもフォワーダーにクレームを入れることが多いそうです。

貨物には海上保険をかけることでリスクをある程度回避することができます。ただし、上述したように、梱包または梱包準備の不完全、コンテナ内への積み付け不良による事故は保険請求の免責事項となっています。事故が免責事項によるものでないことを証明するためにも、バンニング後は写真を撮るようにしましょう。

実際に保険請求となった場合は関係書類を提出し、損害の状態維持もしくは写真などで事故現場の記録を残します。請求額が20万円を超えるときは、保険会社のサーベイヤー(鑑定人・検査人)立ち合いの元、保険請求が妥当かどうか審査します。そして、保険会社は輸入者に保険金を支払ったあと、被保険者に代わり運送人に損害請求をしています。そうでなければ、運送人は貨物を安全確実に運ぶことを怠ってしまうからです。

2017/10/07

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