フランスの銀行に足を踏み入れるとなんとなく緊張した雰囲気があります。日本の銀行のように大勢の行員の方が働いている光景はありません。フランスでは、現金を持ち歩いている人は少数派です。  |銀行とお金の付合い方フランスではどう違う?

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公開日:2017.05.23  / 最終更新日:2022.10.21

銀行とお金の付合い方フランスではどう違う?

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日々の暮らしの中で生活に欠かせないのがお金の管理です。給与の振り込みから光熱費の支払いなど銀行は生活に切り離せない存在です。

今回は、フランスの銀行について書こうと思います。国が違うとシステムもだいぶ違います。

「日本の銀行は午後3時に窓口が閉まる」という話をしたら私の担当銀行員は驚いていました。

フランスの銀行は、8時半から6時まで窓口が空いていますが、受付の方が1人で取り仕切っています。

お休みは、土曜日の午後、日曜日、月曜日です。銀行に足を踏み入れると何となく緊張した雰囲気があるフランス。

日本の銀行は大勢の行員の方が働いているのが見えますが、こちらは受付の方以外は、各自の個室でお仕事をしています。何か、用事があるときはその個室に通されて話を聞くというスタイルです。

銀行口座を開くとカルトブルーと呼ばれるクレジット兼キャッシュカードと小切手がもらえます。フランス人は、日常の買い物はほぼこの翌日決済のカルトブルーで行っています。通帳はなく、毎月の明細が自宅に郵送で送られてくるシステムです。

口座は必要書類が整っていれば簡単に作れますが、注意したいのは口座管理料というお金がかかることです。作るカードの種類や保険などの内容にもよりますが、毎月1,000円ほどのお金が管理料として差し引かれています。

日本は、無料で作れるので幾つかの銀行口座を持つ場合が多いですが有料となると複数もつのも躊躇してしまうものです。しかし、うれしいことも。定期預金の利息がおおよそ3パーセントと日本に比べるとかなりお得感があります。そしてATMの引き出しは24時間自分の銀行なら無料です。他銀行への送金も手数料はかかりません。

日本の銀行は、定期預金を開設すると粗品などの贈呈、ポイントが貯まるなどの付加価値を付けていますがフランスはほとんどそういう話を聞いたことがありません。何かお金に関する相談がある場合は前もって、担当者とアポをとる必要があります。

こう書いてみると日本の銀行の方が、気軽に利用できるような身近な印象をもちます。私は小さいころ親に連れられて銀行にいくともらえるシールが楽しみだった記憶があります。親しみやすい印象はないフランスの銀行ですが、ローンの返済利率の値下げの交渉などに応じてくれることもあり融通が利く一面もあるのです。

「お子さんの誕生をきっかけにお子さん名義の口座をひらきませんか?今なら10€を差し上げます。」
「10歳になられたお子さん、定期預金を開設すると今だけ特別利息の4パーセント!」

このようなDMは定期的に届きます。子供の口座については無料で作れます。その代わり、キャッシュカードと小切手はもらえずお金を引き出すには、親の所有している口座に移し替えてとなり将来にむけての貯蓄口座として存在しています。なかなか一度口座を開いてしまうと銀行を変えるきっかけがないフランス。小さい子供こそ見込み客なのでしょう。

私も今ではすっかりカード利用者です。そして、よく最近耳にするフランス人のボヤキです。
「日本を旅行した時に海外のカードで現金を下ろせるATMが少なくて困ったよ。どうして現金で決済したがるの?」
フランスでは、現金を持ち歩いている人は少数派です。現金で一番流通しているのは5€札、10€札などの少額のお札です。100€のお札なんぞで払おうものならスーパーでもすぐ偽札判定マシーンで本物のお札かの確認が始まります。きれいなピカピカの小銭を受け取ったら偽コインの可能性がありです。

日本では、新札が喜ばれるのにこちらでは新品だと怪しまれてしまいます。なんだか文化の違いは面白いものです。旅行で、フランスにいらっしゃる際は、小さい額のお札を持ってくることをお勧めします。

そして、おつりでもらうコインの裏側のデザインにも気を付けてみてください。ユーロ通貨を取り入れている各国でデザインがちがうので見比べてみるもの面白いです。

2017/05/23

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