私はケニアに住む前まで発展途上国というだけでフードデリバリーのようなサービスは存在しないだろうと思い込んでいまし た。しかしナイロビではその思い込みを覆すほど便利なフードデリバリーがあります。 |ケニアのフードデリバリー事情

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公開日:2016.03.18

Mama Africa! Kenya便り:ケニアのフードデリバリー事情

こんにちは。

皆さんはケニアのフードデリバリーと聞いて
どの様なイメージをお持ちでしょうか。

私はケニアに住む前まで、発展途上国というだけで
そのようなサービスは存在しないだろうと思い込んでいました。

事実、地方にこそ存在しませんが、
ナイロビではその思い込みを覆すほど
便利なデリバリーサービスがあります。

今回はその仕組み、普及した理由、
そして将来性についてお届けします。

まずは、仕組み。
レストラン等の実店舗がデリバリーサービスも提供している
という点は、日本と変わりません。

一方、宣伝方法が日本と大きく異なり、紙の広告を使わない
ことが特徴です。
日本では、折り込みやポスト投函またオフィス周辺でのビラ配り等、
依然として紙広告が主流ですが、ケニアでは紙自体の価格が高い
という理由もあり、主にインターネットや口コミで紙広告は
ほとんど見かけません。

そのため、注文方法もインターネットが一般です。
SMSを含め、お店に直接電話注文する場合もありますが、
主流はオンライン注文で2つに分けられます。

1つは、インターネットからデリバリー専門サイトへアクセスし、
登録されたお店の中から注文するものと、
もう1つは、お店がテナントとなっているショッピングセンターが
運営するサイトから注文するものです。

このオンライン注文で驚きだったサービスは、
現在地から近隣のお店を検索出来るだけではなく、
食べたいものを選択すれば
近隣のお店を紹介、
メニューの一覧を閲覧、
デリバリーの所用時間、
また利用者の評価など、
日本となんら変わらない、注文には十分な情報があることです。

所用時間も、ケニアではとても珍しく大幅に遅れず、
注文をすると定期的にオペレーターやインターネットを通じて
デリバリーの現在地が随時連絡される仕組みになっています。

デリバリー代はとても安く、日本円にして約200円〜300円/回程度。
利用者の多くはまとめて注文をする人が多いためデリバリー費用は
ほとんど掛からないといってもいいでしょう。

デリバリーサービスが普及した理由は、
以前お届けした慢性的な交通渋滞と携帯電話の高い普及率が
大きく関係していると考えられます。

利用者の用途は主にオフィスで取るランチやホームパティーを
含め多彩な料理を注文する中流階級の家庭だと言われています。

日本のように簡単にランチを楽しむ場所が付近にあまりなく、
ゆっくり取りたがるケニア人にとっても都合がよく、
また社員が時間通りに仕事に戻ることにもつながり
非常に利点があります。

ホームパティーを好んで開く外国人や、治安の理由から
夜の外出がなかなか出来ない家族にとっては、
渋滞のひどいナイロビで何時間もかけてレストランを回るのは
とても非効率で、デリバリーが準備時間を大幅に省くことにもなります。

最後に将来性、それはサブ・サービスの拡充が
成長に必要と考えられます。
フードデリバリーの機能や利便性は整っていますが、
それ以外のサブ・サービスを充実させることが必要です。

日本では当たり前のポイントサービス、
食品以外の商品の取り扱いなどは現時点で存在しません。

例えば、携帯電話の電子マネーと連携してポイント制を導入する
ことやケニアではお花が安く綺麗な花が食卓を賑わすことも
多いことから、その食事に合った花を一緒に届ける
フラワーデリバリーも一つのアイデアではないでしょうか。

今後、安定的かつ更なる顧客獲得に向けた企業間の競争が進み、
そこにサブ・サービスのノウハウを有した日本企業がケニアに
参入するチャンスもあると思います。

次回はチャイ(賄賂)についてお届けしたいと思います。

2016/3/18 E W Africa, Schema Corporation

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