ECサイト市場が拡大する中フィンランドでは消費者が注文した商品をピックアップできるコレクションポイントに、新しいコンセプトを取り入れました。オンラインショッピングの消費者向けに、購入した消費者が受取り直後に洋服の試着がすぐできる試着室やインテリア商品をその場で飾ってみたりできる消費者(ユーザー)の視点スペースです。|フィンランドの小包ロッカー(コレクションポイント)革命

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公開日:2020.02.20  / 最終更新日:2022.10.20

Terve! フィンランドの小包ロッカー(コレクションポイント)革命

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ECサイト市場が拡大する中、フィンランドでは消費者が注文した商品をピックアップできるコレクションポイントに、少し変わったコンセプトを取り入れたサービスが導入されました。

今回はこのコレクションポイントについて紹介します。

フィンランドの郵便局「Posti(ポスティ)」は、こうした市場を睨みながらヘルシンキ市内に商品ピックアップポイントまたは配送スペースやロッカーの設置を拡大する必要があると考えていました。

ただし今までのような「小包ロッカー」ではなく、オンラインショッピングの消費者向けに新しいセルフサービスとなるようなものを取り入れたいと提案しました。

そこで提案を受けたデザイン会社Fyra社とMotley社は、商品を購入した消費者が受け取り直後に、例えば洋服の試着がすぐできる試着室やインテリア商品を開けてみて、その場で飾ってみたりできるスペースを考えてみました。このような消費者(ユーザー)の視点のサービスコンセプトを用いた「Box」というコレクションポイントができあがりました。

提案通り、試着室や商品を開けてみる充分なスペースに加えて、返送の場合でも対応できるようにリサイクルパッケージを設置したり、返品配送サービスを導入したりしました。

さらには、例えばオンライン業者が商品などを紹介できる展示スペース「スポットライト」を設けて、ちょっとしたイベントを開催できるようにソファーを設置したりコーヒーなどの飲み物も用意したりしました。従来のようなただ商品を受け取ったり送ったりする機能だけではなく、新しいサービスの体験をこの場所でできるよう、Postiは新しい取り組みに挑んでいます。

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こうしたPostiの取り組みの背景には、もともとの人的資源の少なさに加えて日本と同じく高齢化社会による介護サービスの導入(このPostiの事業のひとつとして実施しています)や、AIなどのテクノロジーの導入が盛んに叫ばれているからだと専門家たちは話しています。

そうしたことから、単に効率重視のロッカーやコレクションポイントをつくるのではなく、もっと消費者自身が楽しめるような、そしてここを利用する価値が感じられるようなサービスをこれからは考えていかなくてはならないと、Postiや協働したデザイン会社は話しています。

今回の「Box」は、ヘルシンキ市内限定ではありますが、将来フィンランド全土にわたってこうしたコレクションポイントができたら、その土地の特徴を生かしたサービスなどが考えられると思います。

例えば北部の都市ロバニエミのコレクションポイントだったら、サンタクロースやログハウス風、オーロラのイメージを用いたデザインコンセプトや、遠隔地同士をつなげるサービスなどを導入すると、フィンランドの新しい観光スポットになりそうな予感がします。

画像出典元:
https://www.fyra.fi/en/references/posti/

2020/02/20

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