2020年12月に実施されたGallup社による国際世論調査をみると、20年と比較して21年はよくなるかどうかという質問に対してフィンランド人の57%が良い年になると回答。フィンランド国外の回答者は43%、EU圏内の回答者になると35%と低い数値となっています。 |フィンランドの2021年の展望はいかに?!

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公開日:2021.01.20  / 最終更新日:2022.10.20

Terve! フィンランドの2021年の展望はいかに?!

国際世論調査フィンランドとEUの比較

未曾有の2020年が終わり、2021年が始まりました。

年が明けて未だにコロナ禍の収束は見えず、むしろ感染拡大の方向にあります。これからの展望を語るにはまだまだ予測不可能な部分もありますが、やはり人々の行動や感情から国際社会の行末は気になるところ。ということで、今回は国際世論調査の結果やフィンランド国内の傾向を紹介したいと思います。

まずは2020年12月に実施されたGallup社による国際世論調査をみていきたいと思います。この調査内容は、20年と比較して21年はよくなるかどうかという質問に対してフィンランド人回答者の57%が良い年になると回答しています。これに対してフィンランド国外の回答者は43%、EU圏内の回答者になると35%と低い数値となっています。

この結果について、フィンランドのTaloustutkimus(エコノミックリサーチ社)のRahkonen氏は「フィンランド国内におけるコロナウィルスの感染被害について、他の国と比べて大きな被害を受けていないため、やや楽観的に考えているのではないか」と話しています。

被害の大きさなどは単純に国際比較はできませんが、前回の記事で紹介したようにフィンランド国内では比較的に抑制されている要因がいくつかあげられることで、こうした先々の展望が明るいのではないかと思います。

次にSitra(フィンランド政府研究開発基金)がフィンランド国内における「コロナ後の人々のライフスタイルはどうなるのか?」という調査を実施し、その結果報告書を発行しました。この報告書では、コロナ禍によって引き起こされた日常生活がダイナミックに変化していることを指摘しています。

その変化は、住宅、都市、労働(環境)、旅行、食生活の側面でまとめられています。例えば、
・住宅であればよりコンパクトな住まいが必要になってくる
・都市であれば15分圏内の通勤がより快適になること(移動に伴うCO2排出量削減や人々の「密」を回避)
・働き方では特にクリエイティビティな領域の労働環境の新たな定義が必要になってくること(主に対面労働領域の再定義)
・旅行であればバーチャルトリップの定着化
・食についてはより倫理的で持続可能な製造および消費が必要になってくる
などが浮き彫りになりました。

こうした変化はおそらく規模は違えども、日本をはじめ世界各地でも見られる現象ではないかと思います。

この世界規模の大惨事によって人々の行動変容に影響が及んだことは事実であり、そこからどう変わっていくのかが2021年以降の国際社会の議題であり、一人ひとりが住む地域の問題・課題でもあるでしょう。

一人ひとりができることは限られていますし、人間の行動変容はすぐには変えられません。しかし人の命・健康、そして地球環境の将来を考えるきっかけとして、引き続き感染に注意しながら考え、行動に移していくことが大切だと思います。

参照記事:
Gallup社
国際世論調査についての記事 (写真元も含む)
https://yle.fi/uutiset/osasto/news/poll_finns_more_optimistic_than_most_about_2021/11714830

Sitra発行
「Lifestyles after lockdown」
https://www.sitra.fi/en/publications/lifestyles-after-lockdown/

2021/01/20

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