品目別規則。EPA特恵税率を適用するためには産品が協定締約国原産の原産品でなけらばならないが、非原産材料を一部に使って生産していても原産品とみなす場合がある。この基準が品目ごと(HSコードごと)に決められており、品目別規則(PSR)という。|Product Specific Rules PSRの貿易用語説明

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Product Specific Rules PSR

品目別規則。

EPA特恵税率を適用するためには産品が協定締約国原産の「原産品」でなけらばならないが、非原産材料を一部に使って生産していても原産品とみなす場合がある。この基準が品目ごと(HSコードごと)に決められており、この基準のことを品目別規則(PSR)という。

PSRは3つに分かれている。
1. 関税分類変更基準
非原産材料のHSコードと産品のHSコードが異なっていること。類、項、号のどのレベルでの変更が基準となるかは協定・品目ごとに異なる。

2. 付加価値基準
一定の付加価値が締約国域内で付加された場合に原産品とみなす基準。

3. 加工工程基準
各製品で定める「特定の加工」が域内で施された場合に原産品とみなす基準。

PSRは各協定の附属書に示されている。また、税関HPの「原産地規則ポータル」で検索できる。

Profit‐and‐loss statement 

損益計算書
P/Lと略す。

損益計算書とは、企業の一定期間における自身の経営成績を示すもの。収入と費用とを対比して、その差額を利益・損失として示す。いわば企業活動についての成績結果書といえる。

外為取引で損益計算書に接する機会はまずないが、海外企業との取引で、財政状態を知る必要がある場合は、必須な資料であり、財務分析などにも利用されている。

Promissory note

約束手形
外為実務用語。

手形振出人が、受取人またはその指図人や手形所持人に対し、将来の期日に手形記載の金額を支払うことを約束する有価証券のこと。

外為ではもっぱら為替手形が用いられるため、国内取引ほど目にしないが、金融機関からユーザンスの供与受ける場合やインパクトローンの借り入れをする場合に用いられる。

Personal check

パーソナルチェック 個人小切手
外為実務用語。

本来は個人の日常生活に利用する目的で、本人が金融機関に開設した当座預金の残高を、引き当てに振り出されるもの。

日本では目にする機会は少ないが、海外(特に米国)では日常的。小切手の金額、使用目的に制限はない。

外為では資金決済手段として、クリーン・ビルの一種に分類される。この場合、法人振出の小切手でもパーソナル・チェック扱いとなる。

ワンポイント:
■有効期限に注意する
国によって異なるが、一般的に振出日から3か月程度が多い。この有効期限は、支払国の銀行に到着する時点であり、海外へ取立てる場合は2~3週間程度の期間が必要なことから、受け取り後は早めに銀行などに持込む必要がある。

■米国払いの小切手は、支払後でも取り消される場合もある。
日本ではそんなことはないが、米国では一旦支払いがなされても、その小切手が偽造や変造されていると判明した場合は、たとえ支払後であっても支払いは取消され、受け取った資金返却しなければならない定めである。

この期間は米国の各州によって異なるが、1~3年であり、米国財務省発行の財務省小切手では最長4年と、想像以上に長いので注意する。

リスク回避のためには電信送金が望ましい。

Performance bond

契約履行保証
外為実務用語。
パフォーマンスボンドと呼ぶ。

輸出者が契約条件どおりに契約(債務)を履行することを、銀行が海外輸入者に対して保証すること。

プラント輸出に多く見られるが、プラント輸出に限るわけではない。新規取引の場合に、輸入者から要求されることもある。

銀行にとって保証料そのものは、保証金額が取引総額の数パーセントという場合もあり、収益自体はそう大きなものとはならない。しかし本体の契約に関わる外為取引を取り込むことは大きな魅力であり、積極的な対応を取ることが多い。

Payment Report

貿易資金決済に関連した用語。
支払又は支払の受領に関する報告書のこと。

「支払又は支払の受領に関する報告書」(旧:「支払等報告書」)は、外国為替及び外国貿易法第55条でその支払又は受領の1回当たりの金額が3千万円を超え、次の1.2.いずれかの取引をした場合、取引を経由した銀行又は日本銀行に提出をすることが義務付けられている。

1.本邦から海外へ向けた支払を行ったとき、または、海外から本邦への支払を受領したとき。

2.居住者が非居住者との間で支払または支払の受領を行ったとき。

報告義務者は支払又は支払の受領をした居住者となり、報告書は支払または支払の受領がなされた日から10日後までに支払又は支払いの受領を行った金融機関へ提出する。

なお金融機関を通さずに取引を行った場合は直接日銀に提出することになる。

ワンポイント:
かつて金融機関に本報告書の徴求管理義務があったが、現在はその義務はなくなっている。報告義務者は自主的な作成・提出を徹底しなければならない。

Profit on foreign exchange transactions

為替売買益
貿易資金決済に関連した用語。

外為取引で発生する益金の一種。逆概念は為替売買損。

銀行等と顧客の間で通貨交換を伴う資金決済がされた場合、顧客適用相場と取引通貨の仲値(TTM)との差額のこと。

顧客から見ると通貨交換を銀行等に依頼する際の手数料という意味もある。

ワンポイント:
かつてはどこの金融機関でも同じ水準だったが、現在では取引内容や取引金額によって異なる場合が出てきており、比較してみるのも良い銀行取引方法でもあるかもしれない。
(TTM 参照)

Product Portfolio Management

企業経営のマーケティング戦略に関する用語。
市場の成長率と相対的占有率から自社製品の市場でのおかれているポジションを分析するマーケティング戦略方法のこと。

市場占有率の低い「問題児」、市場成長率・相対的占有率も高い「花形製品」、市場成長率は低いが相対的占有率が高い「金のなる木」、市場成長率・相対的占有率いずれも低い「負け犬」の4ステージに分け販売戦略の検討材料にする。

Product Life Cycle

企業経営のマーケティング戦略に関する用語。
市場に製品を導入してから衰退するまでを4段階にわけ分析するマーケティング戦略方法のこと。

導入期、成長期、成熟期、衰退の4ステージに分け販売戦略の検討材料にする。

Proposal

売り申し込み
輸出入契約交渉に関する用語。
相手先に取引条件の提示を行うこと。
(Offer 参照)

PRS PIRACY RISK SURCHARGE

海上輸送で発生する物流コスト用語。
PIRACY RISK SURCHARGEの略。
アデン湾で頻発している海賊行為の対策費用として船会社がアデン湾通過する貨物に対して請求するアデン湾割増料のこと。 
(APS 参照)、(EMS 参照)

PSS Peak Season Surcharge

繁忙期割増料
海上輸送で発生する物流コスト用語。
海上運賃割増料の一種、PSSと略す。

Parameter Sheet

パラメーターシート
輸出貿易管理用語。
該非判定のためのチェックシートの一つ。

海外に製品・技術を輸出する場合、その製品や技術が輸出令別表第1や外為令別表で規制されている貨物や技術に該当しているかどうかを判定、その結果を記載するチェックシートに、「パラメーターシート」と「項目別対比表」があります。

対象となる貨物と技術ごとに、「該当」、「非該当」、「対象外」の判定を求めていますが、最終判定としては「該当」か「非該当」にチェックするようになっています。

「パラメーターシート」は分野別、特定の品目にしか対応していないが、フローチャート形式になっており、条文を熟知していなくても一通りの判定ができるように詳しい解説が書かれています。「項目別対比表」はリスト規制全部に対応しているが、条文そのものが書かれており、法令を熟知して自分で判定できる人向けといえます。
(貿易コンプライアンス 参照)

Perishable Cargo

生鮮貨物
航空用語。生鮮野菜など定温輸送が必要な貨物のこと。

Port Side

ポートサイド 左舷
海運用語。
船体の名称。左舷(サゲン)のこと。船尾から船首方向に見て船の左側。

Starboard Side(スターボードサイド)=右舷(うげん)

Political Risk

非常リスク
外為ではカントリーリスクとほぼ同義に用いられる。

輸入者側の国・地域の要因(政治・経済的要因や収用等)によりもたらされる取引上のリスクを意味する。ただし他にもさまざまな要素や側面があり、決まった定義ではない。

非常リスク回避のため、輸出時に「貿易保険」を利用することが多い。貿易保険では、戦争や外貨送金規制等、輸出者や輸入者など契約の当事者に責任のない、不可抗力的な危険を「非常危険」とし、カントリーリスクと呼んでいる。

ワンポイント:
過去の事例をご参考まで。

南米向けの信用状付輸出取引で、買取済みの船積書類が、信用状発行銀行へ輸送中に、列車強盗にあい強奪されるといった事態が発生した。これも南米という地域が持つ、非常リスクの一種といえる。

信用状統一規則ではこのような場合、発行銀行や確認銀行のいわゆる支払義務は免責していないので、輸入者側は書類未受領でも、決済をしなければならない。(同規則第35条)⇒輸出者の救済規定。

ちなみに本件の場合は、輸出入者で話がまとまり、書類の再発行・コピーで対応し、決済は無事終了した。

Preliminary Cable Advice

LC(信用状)に関連した用語。信用状の通知方法の一種。
プレ・アドバイス方式のこと。プレアドと省略することが多い。
電信(Cable)で信用状内容の一部の事前通知(速報版)のこと。
オリジナル書類は後ほど郵送となる。
(Full Cable Advice 参照)

Plant Quarantine

植物検疫
農林水産省が海外からの病害虫の侵入を防ぐために行う検疫制度のこと。

苗、穂木、球根、種子などの栽培用植物だけでなく、野菜、果物、切り花、木材、穀類、豆類等の消費用植物の他、植物に有害な生きた昆虫・微生物などが検疫対象。

Processing Deal

委託加工貿易
原料・パーツ供給を海外の委託者から受けて、製造加工して輸出する貿易形態のこと。

Port of Loading

積出港
物流用語。輸出入書類に記載する貨物の輸出港のこと。

Port of Discharge

荷揚港
物流用語。輸出入書類に記載する貨物の輸入港のこと。

Place of Receipt

荷受地
物流用語。貨物の荷受け場所のことで、B/Lに記載する情報の一つ。
船会社の運送責任はPlace of Receipt(荷受地)からPlace of Delivery(荷渡し地)までである。

Place of Delivery

荷渡し場所
物流用語。輸出入書類に記載する貨物の荷渡し場所のこと。

Parallel Import

並行輸入
メーカーの子会社や正規代理店以外の業者が輸入すること。

Plywood

合板
貨物を輸送するための木箱梱包やパレットなどに使われる梱包材料の一種。
木製梱包材から有害なマツクイムシなどの病害虫がないために、一般的な材料として使われている。
(ISPM 参照)

Purchase Order

購買契約書
輸入者が輸出者に発行する購買契約書のこと。購入指示書、注文書、発注書とも言う。PO ピーオーと略す。
購入する商品名、品番、数量、金額、支払い条件などを記載します。

2020/06/28 更新

Proforma Invoice

プロフォーマ・インボイス
見積り時点で発行されるインボイス、または代金送金用に発行されるインボイスのこと。
買主側で輸入許可を得てから外貨送金を行うなどの目的に使われている。

関連用語:
Invoice
Commercial Invoice

Pallet

パレット
貨物を載せるための荷役台。台の脚と脚の間にフォークリフトやハンドリフトの爪を差し込んで移動させる。
材質は木材や合成樹脂、スチール、強化段ボールなど。P/Tと省略。

パレットに小型貨物やカートンを複数積み、フィルムやバンドでひとまとめにした梱包方法をパレット梱包という。

Phytosanitary Cerificate

植物検疫証明書
国際植物保護条約では、国際輸送に使用される梱包材に対し、消毒基準を設け、消毒処理済みマークの表示方法等を規定しています。

特に、病害虫が潜みやすいとされる針葉樹製梱包材については、熱処理または臭化メチルくん蒸処理を行い、処理済み証明書を輸入時に提出することを義務付けています。

ワンポイント:
消毒処理済み表示マークのない木製梱包材が輸入されると、輸入者の経費で輸入検疫を受け、廃棄・くん蒸処理などの消毒命令に従う義務があります。輸入検疫を受けないと輸入通関はできません。

輸入契約を締結する際に、契約梱包条件として、規制対象外の合板使用を依頼するなど輸出相手先と事前に取り決めておくことをお薦めします。

Premium Rate

保険料率
保険会社と取り決める保険料のこと。
商品の性質・状態、輸送手段・経路、梱包・荷姿、過去の損害率などからレート設定が行われます。
(Insurance Policy 参照)

Products Liability

製造物責任
PLと略すことが多い。

欠陥のある商品が原因で、消費者が生命・身体・財産に損害を被った場合、製造者などに賠償責任を負わせること。

日本では平成6年7月に製造物責任法(PL法)が制定されている。この法律では発生した損害に対して、メーカーにも無過失責任を負わせている点に、大きな特徴がある。

ワンポイント:
輸入した商品に欠陥があり、消費者から損害賠償請求がなされた時、賠償責任は海外製造者に有るのはもちろんであるが、製造物責任法では、輸入者にも賠償責任があるとされている。これは輸入者も無過失責任を負うことに他ならない。

対策としては輸入契約締結時に、契約条項に求償問題を明示することがまず必要となる。

すなわち第三者から提起される賠償責任に関連する費用、補償責任などは、売主が責任を負い、買主を補償し免責することを定める必要がある。

さらに具合的な対策として、保険会社のPL保険に加入することが考えられる。

Preferential Duty (Tariff)

特恵税率
開発途上国からの産品にのみ適用される特恵税率のこと。
特恵税率適用には原則として、「一般特恵制度原産地証明書(様式A(Form A)」が必要。
(Tariff Code 参照)

Partial Shipment

パーシャル船積み
分割積み=受注数量を何回かに分けて船積みする輸送方法のこと。
信用状統一規則では「一部船積」と訳されている。

PANAMAX

パナマックス
パナマ運河通行可能船舶のこと。

ワンポイント1:
閘室(こうしつ)という一定の仕切りの中に船を入れ、水位を昇降させて、次の仕切りに引き渡しながら航行させる仕組みのパナマ運河を通行できる最大の大きさをパナマックス級船舶と言います。
(全長270メートル、全幅32メートルで、一般的には5万トンクラス)

ワンポイント2:
日本が米国に大きく依存している穀物・鉱物資源など大量バルク貨物や米東海岸発のコンテナ船は、このパナマ運河を利用しており、年間1万4000隻ほどが通行しています。すでにキャパ限界であり、通行量の増加、船舶の大型化などから、運河の拡張工事が進められています。

ワンポイント3:
このパナマ運河は、貿易リスクを考える意味で大変に重要です。米国の港湾がストライキで入港不可となった場合、パナマ運河両岸は、運河通過待ちをする船舶であふれてしまうなど、思わぬ影響もあります。

Packing List

パッキングリスト
梱包明細書のこと。
貨物の積みおろし、受け渡し確認などをスムーズに行うために、通関インボイス以外に、梱包ごとの荷印、梱包番号、重量などの梱包明細を記載した書類。

特に、書類と貨物を照合を間違いなくするため、梱包ごとの荷印(Shipping Mark=シッピング・マーク)を梱包明細書に記載することをお忘れないように。