• Twitter
  • facebook
  • LINE
検索

EXW vs. FOB: あなたに合うのはどっち?

問い合わせ先:https://www.rakuraku-boeki.jp/publishing

国際貿易に携わる企業にとって、適切な貿易用語を選択することは、円滑で収益性の高い取引を実現するために非常に重要です。最も一般的な貿易用語はEXWとFOBの2つですが、あなたのビジネスにはどちらが適しているのでしょうか?

EXWはEx Worksの略で、売り手の責任は工場や倉庫で終わり、買い手は輸送や保険の費用をすべて負担します。一方、FOBはFree on Boardの略で、売り手の責任で商品を船に積み込み、その後の輸送や保険はすべて買い手の責任で行います。どちらの用語にも長所と短所があり、間違った方を選ぶと、思わぬコストや遅れが発生することもあります。

国際貿易用語の理解

国際貿易用語(インコタームズ)とは、国際貿易取引における買い手と売り手の責任と義務を定義するために使用される、標準化された貿易用語のセットです。国際商業会議所(ICC)がインコタームズを発行しており、世界中で認知・使用されています。インコタームズは、引渡し場所、リスクの移転、買い手と売り手の間のコスト配分を指定するために使用されます。

EXWとは?

EXW/Ex Works(イーエックスワークス)は国際貿易用語で、売主の責任が工場または倉庫で終わることを意味します。買い手は、売り手の敷地から最終目的地までのすべての輸送費と保険料を負担することになります。言い換えれば、売り手は商品をその施設で利用できるようにする責任があり、買い手は商品の輸送を手配し、その費用を支払う責任があります。EXWは買い手に最も責任を負わせるものであり、買い手は収集地点から配達地点までのすべてを手配する責任を負うことになります。

EXWの利点は、売り手が商品を自分の工場で利用できるようにする以上の責任をほとんど負わないということです。つまり、売り手は商品の製造や生産に集中でき、輸送や保険の心配をする必要がありません。しかし、これは買い手にとっては、輸送や保険の費用をすべて手配して支払わなければならないというデメリットもあります。

FOBとは?

FOB(フリーオンボード)とは、国際貿易用語で、売り手が出荷港で商品を船に積み込む責任を負うことを意味します。買い手は、出荷港から最終目的地までの輸送費と保険料をすべて負担することになります。つまり、売り手は商品を船に積み込むまで責任を負い、それ以降はすべて買い手が責任を負うことになります。この用語は、売り手が商品を船に積み込む責任を負うため、売り手に多くの責任を負わせることになります。

FOBを使用する利点の1つは、売り手が商品を船に積み込む責任を負うことです。つまり、買い手は商品の積み込みを心配する必要がなく、輸送と保険費用の手配と支払いに集中することができます。ただし、売り手にとっては、商品が正しく時間通りに船に積み込まれるようにしなければならないため、デメリットにもなり得ます。

EXWとFOBの主な違い

EXWとFOBの主な違いは、売主の責任が終了し、買主の責任が開始される時点です。EXWの場合、売主の責任は売主の敷地内で終了しますが、FOBの場合、売主の責任は商品が船に積み込まれた時点で終了します。つまり、EXWの場合は、輸送や保険の費用をすべて手配して支払う必要があるため、買い手の責任が重くなります。一方、FOBの場合、売主の責任は、商品が正しく時間通りに船に積み込まれることを保証しなければならないので、より大きな責任があります。

EXWとFOBのもう一つの違いは、関係するリスクの度合いです。EXWでは、商品が売主の敷地から出た時点で、買主がすべてのリスクを引き受けることになります。つまり、輸送中に発生した損害や損失については、買い手が責任を負うことになります。FOBでは、商品が船に積み込まれるまで、売主がすべてのリスクを引き受けます。つまり、商品が船に積まれる前に発生した損害や損失については、売主が責任を負うことになります。

EXWを使用するメリットとデメリット

長所

- 売り手は、商品を自分の施設で利用できるようにする以上の責任をほとんど負わない。

- 売り手は商品の製造や生産に集中でき、輸送や保険について心配する必要がない。

- 買い手は、輸送や保険のコストをよりコントロールすることができます。

 短所

- 買い手は、輸送と保険の費用をすべて手配し、支払う必要があります。

- 買い手は、商品が売り手の敷地から離れた時点で、すべてのリスクを引き受けます。

- 買い手は、売り手の敷地から商品を引き取るための手配をしなければなりません。

FOBを利用するメリットとデメリット

 長所

- 売り手は、商品を船に積み込む責任があります。

- 買い手は商品の積み込みについて心配する必要がありません。

- 買い手は、商品が船に積まれた後の輸送費と保険料について、よりコントロールしやすくなります。

 短所

- 売り手は、商品が正しく時間通りに船に積まれることを保証しなければなりません。

- 売り手は、商品が船に積まれるまでのすべてのリスクを引き受けます。

- 買い手は、商品が船に積まれた後の輸送費と保険料をすべて手配し、支払う必要があります。

EXWを使用する場合の例

EXWは、買い手が売り手と同じ国にいる場合や、買い手が自分で輸送や保険の手配をしている場合によく使われます。例えば、アメリカの企業が中国のメーカーに商品を発注する場合、自社で輸送や保険を手配している場合は、EXWを選択することがあります。この場合、輸送と保険のコストを管理することができ、商品をメーカーから引き取る手配をすることができます。

FOBを使用する場合の例

FOBは、買い手が売り手と異なる国にいる場合や、商品を海外に発送する場合によく使われます。例えば、アメリカの会社が中国のメーカーに商品を発注し、その商品を船便で輸送する場合、FOBを選択することがあります。これにより、売り手は商品を船に積み込む責任を負い、買い手は商品を船に積み込んだ後の輸送費と保険料を手配することができます。

EXWとFOBの選び方

EXWとFOBのどちらを選ぶかについては、以下の要素を考慮することが重要です:

- 買い手と売り手の所在地

- 輸送と保険の手配

- 関係するリスクのレベル

- 各当事者が負うべき責任の度合い

買い手と売り手が同じ国にあり、買い手が独自の輸送と保険の手配をしている場合は、EXWが最良の選択となる可能性があります。しかし、買い手と売り手が異なる国にあり、商品が海外に発送される場合は、FOBが最良の選択となる可能性があります。

まとめ

円滑で有益な取引を行うためには、適切な貿易用語を選択することが重要です。EXWとFOBは最も一般的な貿易用語の2つで、それぞれにメリットとデメリットがあります。EXWとFOBのどちらかを選択する際には、買い手と売り手の所在地、輸送と保険の手配、各当事者が負うリスクと責任の度合いを考慮することが重要です。これらの要素を慎重に検討することで、企業は自社の取引に適した貿易用語を選択し、予期せぬコストや遅延を回避することができます。