トルコで朝ごはんに誘われると集合時間は9時とか10時とかでブランチという感じです。トルコの朝ごはんに欠かせないのはお茶とパンにオリーブ。トルコのオリーブ生産量は世界3位です。オリーブオイルの輸出量は世界6位で日本にも輸出されています。|トルコ朝食の定番オリーブ・オイルは日本にも輸出

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トルコ朝食の定番オリーブ・オイルは日本にも輸出

トルコの朝食

トルコに来て、「お茶飲みにいかない」とか、「今度ご飯食べにおいでよ」という誘いをよく受けるようになり、人好きのするトルコ人らしいとありがたく思っていました。ただ、「朝ごはん食べにおいで」という誘いは、最初のころは、かなり不思議でした。

集合時間は9時とか10時とかで週末に誘われることが多く、行ってみると朝ごはんというよりはブランチという感じで、2時間3時間とゆっくりおしゃべりをしながら、いろいろなものを食べつつ、仲良しと時間を過ごすイベントのような位置づけな感じです。家だけでなく、カフェなどでも朝ごはんの提供があり、「朝ごはん18種類で30リラ、お茶は無制限」といった看板が店先に出ているところもあります。

朝ごはんは、トルコ語ではkahvaltı と言いますが、これはコーヒーを意味する kahveと下や元を意味するaltıから成る複合語です。コーヒーを飲む前にお腹に入れておくものという意味があります。実際に、朝ごはんを食べた後にはトルココーヒーを飲む習慣もあります。ただし、朝ごはんを食べるときにはコーヒーではなく、お茶を飲むのが一般的です。

トルコの朝ごはんに欠かせないのは、まずはお茶とパンにオリーブ、そして白チーズです。これに、ゆで卵やメネメンというトマトとピーマンの卵とじやオムレツといった卵料理がつきます。トマトやキュウリ、パセリやミントといった野菜、ジャム、バターも朝ごはんの定番です。さらに、クロテッドクリームと蜂蜜、大きな餃子の皮のようなユフカという皮の中にひき肉やチーズ、ホウレン草や長ネギなどを入れて焼いたボレキやギョズレメといったものも並びます。食事の中で一番好きなのは朝ごはん!という人も結構いるほど、朝ごはんは特別な食事になっています。

トルコ人の家の冷蔵庫には、オリーブと何らかのチーズが入っています。パンも主食なのでほぼ必ず常備されています。食事を作る時間がない、簡単にすませたい時には、朝ごはんの定番である、お茶とパンとオリーブとチーズを夕食代わりに食べて、「今晩はもう面倒くさいから朝ごはんですませたわ」ということもあります。朝に食べる食事だけではなく、朝ごはんとして食べられる定番のものを朝ごはんとひとくくりにしている面もあるようです。

トルコの朝食の定番オリーブ

朝ごはんの定番のオリーブは、マルマラ海、エーゲ海、地中海の沿岸地域で栽培されています。この地域に行くと、葉の裏が白っぽいオリーブの木が植わったオリーブ山が延々と続いていて壮観です。トルコでは、オリーブグリーンの実よりも、熟して黒くなったオリーブを塩漬けにしたものや若い実に傷をつけてあく抜きしてから塩漬けにしたものがよく食べられています。

オリーブの2019年-2020年の生産量を見ると、トルコは33万トンでエジプト、スペインに次いで世界3位となっています。消費量でもトルコはエジプトに次ぐ世界2位で、国内消費が多いためか輸出量は、84,000トンに留まっています。

オリーブオイルの生産では17万トンの生産量で、スペイン、イタリア、ギリシャ、チュニジアに次ぐ世界5位となっています。オイルは輸出量でも世界6位。ちなみに輸入量で世界8位となっている日本にも輸出されています。

実家の近くのスーパーでオリーブオイルを手に取ったら、原産国がトルコになっていてなんだか嬉しくなりました。

参考資料:
オリーブ・オリーブオイル業界レポート(トルコ輸出業協会)2020年6月版
https://tim.org.tr/files/downloads/Strateji_Raporlari/Zeytin_Zeytinyagi_Sektor_Raporu.pdf

2021/03/31
土窓愉見
トルコ在住

繊維大国トルコはマスクも輸出大国に

トルコの友人が作ってくれたマスク

コロナウイルスが流行するまでのトルコでは、マスクをしていたら重篤な病気にかかっていると思われてきました。

日本人の友達がマスクをして空港に行ったら、チェックインカウンターで病気だと疑われ、かかりつけの医師から飛行機に乗っても問題ないという診断書を持ってくるようにと言われたことがあるほど、マスクをするのは特別なコトでした。

そんなトルコですが、今回のパンデミックに対する対応は意外と早かったように感じます。一般の人がマスクをするようになったという意味ではなく、マスクの生産という点でですが。

トルコは繊維大国で、綿花や羊毛の生産から始まって製糸、織布、縫製とどの段階も盛んです。その理由は次のようなことでしょうか。

1. ボタンやベルトなどのアクセサリー類も国内生産されているので、原材料のすべてを国内調達できること
2. ヨーロッパ連合と関税同盟が締結されているためヨーロッパへの輸出コストがおさえられること
3. 地勢的に、ロシア・中央アジア・中東・アフリカ・ヨーロッパと5つの大きな市場に近いこと

1は、繊維産業に特化した理由ですが、2・3は、他の産業にも当てはまり、近年全方向への輸出が増えている傾向があります。

繊維産業に限って言えば、最近中国などに押されている状況はありますが、2019年度の繊維品の輸出額は99億ドル、総輸出額の約5%を占めています。(ITHIBイスタンブール繊維産業輸出協会)

こういった下地があったこともあり、まずは縫製技術を持っている繊維産業の企業がマスク生産に参入してきました。世界的にパンデミックが始まった2020年2月には、既にマスクの輸出が急速拡大しました。トルコ統計局のデータによると、2019年2月のマスク輸出額は98,000ドルでしたが、2020年の2月には2300万ドルで、236倍と爆発的に増えています。

トルコで最初の罹患者が見つかったのは3月に入ってからだったので、生産されたマスクは、2月には主に中国、ドイツなどに輸出されていました。3月に入ってトルコ国内でも罹患者が出始め、4月には外出時にマスクをつけることになってからは、トルコ国内でも品薄状態になっていました。

こういった中、トルコでも国がマスクの配布を始めました。トルコに居住している人は国民であるかどうかを問わず、申し込めば5枚ずつマスクをもらえました。マスク受け取りの通知が来たら、最寄りの薬局で見せるだけでもらえたので、受け取りも簡単でした。配布されたマスクは、国の機関が生産したものでした。

トルコでは、2020年の3月以降、民営企業に対するマスク生産奨励が実施されただけでなく、国の各機関もマスク生産を実施しています。
・「青年スポーツ省」管轄の青少年センター
・「国防省」管轄の縫製所
・「保健省」管轄化の病院付属機関院
・「法務省」管轄の刑務所
・「産業技術省」管轄の機械化学産業機構
など、多彩な機関でマスク生産がおこなわれ、「文部省」管轄の実業高校50校では、毎月200万枚のマスクを生産しています。

2020年9月には1,000以上の民営企業もマスクを生産しており、昨年までは年間生産業が5千枚前後だったところ、同じ量を毎週生産するようになっているといいます。夏以降、生産されたマスクの最大輸出国はドイツなどヨーロッパ諸国が占めています。2020年前半期の使い捨てマスクの輸出額は10億5100万ドルとなり、一大マスク輸出国の仲間入りを果たしました。

最近、トルコでもまた罹患者が増え、週末や夜間の外出制限が実施されています。外出時にマスクをしていないと罰金刑となっています。マスクの重要性が、健康面でも、経済面でも認識され始めているように感じるこの頃です。

記事出典元:
ITHIB (イスタンブール繊維産業輸出協会)
https://ithib.org.tr/tr/bilgi-merkezi-istatistik-aylik-ihracat-kayit-rakamlari-2019.html

Anadolu Ajansı(アナドル通信社)
マスク輸出状況ニュース記事
https://www.aa.com.tr/tr/ekonomi/turkiyenin-en-fazla-tek-kullanimlik-maske-sattigi-ulke-almanya-oldu/1947697

TRTHaber (TRTニュース)
https://www.trthaber.com/haber/koronavirus/turkiyede-haftada-50-milyon-maske-uretiliyor-514410.html

文部省
https://www.meb.gov.tr/cerrahi-maske-ureten-meslek-lisesi-sayisi-50ye-cikarildi-ayda-2-milyon-maske-uretilecek/haber/20574/tr

2021/01/11
土窓愉見
トルコ在住

トルコ地震と命の三角形

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震源地近くのエーゲ海 筆者撮影

日本でも報道されているように、2020年10月30日トルコ時間14:51にトルコ第3の都市イズミールの沖合で地震がありました。

イズミール地方は、1900年から現代までの120年間でマグニチュード4以上の地震が695回あり、1900年以前にも332回の大地震の記録があるところです。今回の地震があってすぐに安否を尋ねるために連絡を取った友人は、生まれも育ちもイズミールという60代の方です。

「自分は地震に慣れていると思っていたけれど、今回の地震は今までに体験してきたものとは全く違った、1分以上揺れが続いて、本当に怖かった。」とおっしゃっていました。彼女の住んでいる建物は破損もなく、棚なども倒れることなく被害はなかったというのが幸いです。

とはいえ、今回の地震は2020年に世界中で起こった地震の中で最も死者の多い地震となってしまいました。9日経った11月8日現在、死者数は115人、けがをした方は1035人で、23人が入院治療している状況です。

倒壊した建物からの救出作業はすべて終了し、建物の残骸を取り除く作業に入っていると、AFAD(トルコ内務省災害緊急事態対策庁)から発表されていますが、この9日間にマグニチュード4以上の大きさの余震が46回、微震も加えると2,846回の余震があったといい、まだ予断は許さない状況のようです。

今回も含めて、トルコで起きた地震の死傷者の多くは、建物の倒壊が原因となっています。そのため、地震が起きた際の最初の対応が異なっています。日本で生まれ育ち毎年地震の避難訓練を経験した私にとって、まず机の下に隠れるが常識でした。しかしトルコでは、地震が起きたらまず壊れなさそうな家具などの脇にうずくまるか横になるようにとアナウンスされています。

命の三角形のサイン

壁が倒れてきたり上から天井が落ちてきたりした際に、丈夫な家財の脇には三角形の隙間ができる可能性が高いからです。この三角形の隙間は「命の三角形」と呼ばれています。まず、そういったところに身を寄せて、揺れが収まったところで外に逃げるのがベストなのだそうです。

今回、倒壊した建物はすべて1999年以前に建てられたものだということでした。1999年は、死者1万7千人超というトルコ史上最大の被害が出たイズミット地震が起きた年です。この地震を境に、トルコでも地震対策が次々と出されてきました。建築基準も強化され、今回の地震でもこの新たな建築基準を満たしている建物はほとんど被害がなかったと言われています。

ただ、今回倒壊した建物の中にも、1階が商業施設になっている建物で柱が抜かれていたものがあったという報道があります。柱を抜いてしまったら、地震がなくても建物が倒壊する可能性があるというのはわかりきったことのように思いますが、毎年のようにこういった事件があるのは残念なことです。

地震対策については日本が非常に進んでいるという認識が、トルコでも浸透しています。地震学者の中には、日本の大学で学んだ方々も多く、耐震建築や緊急地震速報などをテーマとした、日本の技術を紹介するワークショップも実施されています。

政府レベルでも協働体制があり、2018年には、日本政府とトルコ政府の間で「防災協力に関する覚書」が調印されました。災害緊急時の対応をおこなうAFADで日本の国土交通省主催の防災に関するイベントが開催されることもあります。

イスタンブールの橋は陸橋なども含めて、ボスポラス海峡にかかる第2大橋を架けた日本のゼネコンが点検修理をおこなっていたのも、信頼の表れのように思います。実際私も、日本が架けた橋、日本が堀ったトンネルなら安心な気がしています。

参考サイト:
2020年11月8日付けの被害状況
https://www.nethaber.com/gundem/izmir-depreminde-olu-sayisi-115e-yukseldi-34958
https://www.milliyet.com.tr/gundem/afaddan-son-dakika-izmir-depremi-aciklamasi-6348916

イズミール地域の地震のデータ
http://www.koeri.boun.edu.tr/scripts/lst2.asp

AFAD
https://deprem.afad.gov.tr/downloadDocument?id=2064

2020/11/09
土窓愉見
トルコ在住

トルコでも身近な飲み物、薬草茶?

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日本にもどくだみ茶や柿の葉茶など薬効があるとされているお茶がありますよね。お茶とは言わないものの寒い日に生姜湯を飲んで温まることもあるのではないでしょうか。

トルコでも、身近にあるものを乾燥させてお茶として飲むということがよくあります。例えば、のどが痛いというと、「アダチャユを飲め」、「いやいやレモンミントがおすすめ」、「生姜湯にはちみつを入れたのに勝るものはなし」、「リンデン茶、村で集めてきたのがあるけどあげようか」などと次から次へとおすすめが飛んできます。

リンデン茶は、リンデンの花と苞を乾燥させたものをお茶の葉のように熱湯に入れて飲みます。リンデンは日本語で言うと菩提樹、樹齢を重ねたものは、樹高5~6mもの大木になります。トルコでは、5月頃に花が咲きます。2週間くらい、甘い香りが漂うので、リンデンの樹がどこにあるのかすぐわかります。金木犀の香りほどではないですが、優しい甘い香りです。花が咲き始めたくらいの頃に集めて乾かしたものが最上級、少し集める時期が遅れた実になったものがその次、苞ばかりのものはちょっと下のランクで売られています。イスタンブールの公園などにも植わっていて、あちらこちらで見られる木なので、シーズンになると集めている人たちもいます。

お茶としてよく飲まれているものは、身近にある植物が多く、自家製?ともいえるものがポピュラーなんです。季節ごとにお茶になる花や葉っぱなどを集めて、乾かしておいて必要な時に飲む感じでしょうか。こちらは、家に常備している「お茶」です。

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写真の左から
1. ウフラムル(リンデン茶)
2. アダチャユ(セージ茶)
3. カラバシュ(フレンチラベンダー)
4. ラバンタ(ラベンダー)
5. キラズサプ(さくらんぼうの茎)

【リンデン茶】
お茶にすると、ちょっとぬめっとした触感になります。咲いている時ほどではないものの、ふわっと甘い香りがします。鎮静作用があると言われていますが、はちみつを入れて飲むとのどの痛みが和らぐ感じがします。

【セージ茶】
抗菌・抗ウイルス作用があると言われています。風邪気味かなという時に飲んだり、うがいをしたりしています。鋭い香りがあり、少し苦みがありますが、体に良い感じがします。

【フレンチラベンダー】
血をサラサラにしてくれる効果があると言われています。脂肪を溶かしてくれるという噂もありますが、効果のほどはわかりません。香りはそれほどきつくないですが、味はラベンダーのお茶を少しまろやかにした感じです。

【ラベンダー】
6月頃に花盛りになります。水道局や大学など公共の施設の庭に一面に咲いているのをよく見かけます。ちょっといただいていいですか?ときくと、大抵、どんどん持ってけと言ってもらえるので集めて使っています。お茶にするなら、茎についたまま乾かして2・3本をマグカップに入れて使うのがおすすめです。飲んだ後に処分するのが簡単なので。ラベンダー茶は、リラックス効果があると言われているので、夜寝る前に飲むことが多いです。茎から外れてバラバラになったものは、小さな布袋に入れてガードローブに入れておくと防虫効果があるとか。

【さくらんぼうの茎】
むくみを取る効果があると言われています。トルコでは、5月~6月にかけてがさくらんぼうの旬になります。市場に行くと、1キロが3.5リラ、60円くらいです。大粒でジューシーで甘くてとてもおいしい上に安いので、思いきり食べられます。実をどんどん食べながら、茎は取っておいて、洗って乾かしておきます。1リットルくらいの熱湯に10本くらい入れて、少し置いておくときれいなピンク色になります。味は癖がなく、飲みやすいです。

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これら以外にも、カモミールやミントなどもよく飲まれています。ミントは、生のままそのまま食べたり、お水に入れて飲んだり、乾かして粉状にしたものを調味料としてお料理に使ったりもします。身近なものをいろいろな形で使えるので楽しいです。

お茶としてよく飲まれているものは、乾物屋さんやスーパーなどで乾燥したものが売られています。ティーバックになったものも売られているので、お土産に持って帰っても喜ばれます。

2020/10/12
土窓愉見
トルコ在住

トルコ輸出産業の基幹は代々伝わる家庭の知恵!

バザールで売られているドライフルーツ

トルコは実は食料自給率100%を超える農業大国。

夏休みになると実家がある田舎に帰って、旬のものを加工して保存食を作るという人たちもいます。子供たちは田舎でのびのびと遊べて、親に孫たちを会わせることもでき、大変な農作業を手伝うこともできて、作った保存食を持って帰って冬場に食べられるという「一石四鳥」なのです。

田舎に住んでいる親や親せきが、都会に住む人たちの分も作って送ってくれるということもあるようです。最近トルコでも食の安全を気にする人たちが増えています。誰が作ったか、どのように作ったかがはっきりわかる自家製のモノを売っている市場や専門店も増えてきています。

保存食を作る方法は、大雑把に3つ。
1. 干す:果物やナッツ、野菜など。
2. 漬け込む:野菜やオリーブの塩漬けやオイル漬け、酢漬けなど
3. 煮込んで瓶詰:果物のジャム類やサルチャ

1. 乾燥食品
果物やナッツを乾燥させたものは、街中のお店や市場でも山盛り状態で売られています。1キロいくらで売られていて、凝縮した旨味があって、お土産にしても喜ばれます。

村に行くと、杏やイチジク、スモモやリンゴなどの木が自宅にあることも多く、シーズンになるとあちらこちらの庭や屋根の上に干されています。カッパドキアなどがあるトルコ中央部は高原地帯のため、夏場はほとんど雨も降らず乾燥しているので、アンズやトマトなどもしっかり乾物になります。クルミやアーモンド、ピスタチオなどは外側の果実の部分を剥ぎ、中の種の部分を干します。

トルコでは豆料理もよく食べられています。ひよこ豆やインゲン豆、そら豆やうずら豆、レンズ豆など、豆類も乾燥されたものが年中出回っています。最近、日本で売られているヘーゼルナッツや干しイチジクの原産地を見るとトルコ産となっているものが見られるようになりました。

ヘーゼルナッツの生産量でトルコは世界一を誇ります。ピスタチオ、クルミ、アーモンド、ヒマワリの種といった種実類の2019年の輸出量は60万トン、27億5千万ドルを超える額で、重要な輸出産物となっています。

2. 漬物
キャベツやキュウリを塩漬けにした漬物もポピュラーですが、トルコ人にとってとても重要なのがオリーブです。特に朝ごはんにはオリーブが欠かせません。オリーブは、熟れ始めは緑色をしていますが、完熟すると黒くなります。緑色のオリーブの方があくが強く、一つ一つ切れ目を入れてから、何度か水を変えながらつけ置く作業をする必要があります。その後、塩漬けにします。

黒いオリーブは、塩漬けにするだけで大丈夫です。特に輸出されているものは、傷まないようしっかり塩漬けになっていてしょっぱすぎることがありますが、その場合は一晩真水につけておくと塩気が抜けておいしく食べられます。

家庭で作られるジャム

3.煮込んで
イチゴや杏、バラやイチジクのジャム、オレンジやベルガモットのマーマレードなど、旬の果物を砂糖で煮込んで瓶詰にしたジャムは、作り方が割と簡単なこともあり、家庭でもよく作られています。お母さんの作ったジャムというのをお裾分けでいただくこともあります。

煮込み系の保存食で最もポピュラーなのがサルチャです。サルチャはトマトやパプリカを煮込んだペーストです。トルコの南東部では辛いパプリカのサルチャ、中央部ではしっかり煮込んだサルチャ、エーゲ海地方では天日で干しながら作るサルチャ、と地域色があるのも面白いです。

自家製のサルチャは、塩の量が違ったりニンニクなどの香辛料が入っていたりとその家の味わいがあります。旬のトマトを薪でじっくり煮込んで作ったサルチャは、トマトの旨味が凝縮されていてそれだけでも美味です。煮込み系のトルコ料理のほとんどはサルチャを味付けに使っているので、日本のお醤油かお味噌のような使い方のように思えます。

2時間ほど煮込むと水分が出てくるので、一度火からおろして挽いて皮などを取り除きます。さらに2時間近くペースト状になるまで煮込み、塩などで味付けして出来上がり。熱いうちに瓶詰にすると真空にできるので保存がききます。

サルチャのメインはトマトを原料としたもので、2018年には103か国に輸出されています。日本にはトマトピューレやダイストマトの缶詰などが1980年代から輸出されてきました。

2020/07/08
トルコ在住
土窓愉見

トルコの病院意外と進んでいるけど

トルコの病院の様子

トルコで病院にかかる際に、まず気にしなくてはいけないのが、自分のかけている保険でどの病院にかかれるのかということです。

大きく3つに分けられます。

1. トルコ国籍があるかトルコで労働許可証を持っている人たちが加入している社会保険

SSK(社会保険機構)が管理している社会保険は、トルコにある企業で働いていたり、個人事業主も含めて会社を経営していたりする方々が必ず加入している保険です。

トルコ人の多くも、この保険に入っています。社会保険があれば、国公立病院や各地域にある診療所に無料でかかることができます。医師の処方箋があれば、薬も無料になります。国と提携している私立の病院に一部自己負担でかかることもできます。

トルコ国籍があって収入が少ない世帯は、イェシルカード(緑のカード)という低所得層が医療措置を受けられるカードを申請し、病院にかかります。多くの人が加入しているため、国公立病院は非常に混んでいることが多く、医師に診てもらうために何時間も待つことになりかねません。最近は、インターネットや電話で予約が取れるようになっていますが、イスタンブールやアンカラといった大都市では、やはり混雑しています。

感染症の場合は、国が指定する病院に行くことになります。この病院は、ほとんどの場合国公立病院が指定されます。トルコでは、狂犬病や破傷風の危険があるため、旅行に来られた方でもよだれを垂らした猫に引っかかれたり、犬にかまれた場合には予防接種を受けることが勧められています。狂犬病の予防接種は、一定期間をあけて通常4回受ける必要がありますが、イスタンブールではHaseki HastanesiかEtfar Hastanesi でなら4回どれでも受けられます。

2. トルコでイキャメット(居住許可)をとる際に要求される保険

外国人は、1の社会保険に入っていなければ、居住許可をとるためにこの保険に入る必要があります。トルコ政府の補助も出ているため私立の保険とはいえかなりリーズナブルな掛け金に抑えられている保険ですが、使えるのはその保険が認めている提携病院に限られます。交通事故などの突発的な事故の場合は、100%の保障がありますが、病気に関しては、付帯条件にある免責事項が非常に多く、実際に病院に行った際には使えないこともままある保険です。

私は、2019年にリンパ系の原因不明の病気にかかり、この保険を使って病院にかかりました。提携している私立病院であれば7割を保険が負担することになっていましたが、最初の診察料は負担してもらえたもののエコーの代金は、最初は支払われず、2回目のチェックは支払ってもらえて、3回目はまた支払われず、と不思議な制度でした。

3. 日本でかけてくる海外旅行保険

ほとんどの場合、トルコの最も良い私立病院もカバーしているので、安心して医療措置を受けられます。トルコの病院の医療水準は、費用と比例する部分があります。お金をかけることができれば、非常に高い水準の医療を享受することができます。日本で2010年に厚生労働省の承認が出たBKPという治療法があります。脊椎の骨折を医療セメントによって復元する手術で、短期間で快癒し、患者さんの負担も小さいため非常に有効な治療法です。

2010年に、カッパドキアの気球事故で腰椎を骨折した日本人の旅行者の方が、イスタンブールの私立病院でこの手術を受けられました。下手をすると半身不随になりかねない事態でしたが、早急に適切な治療を受けられたことで短期間の入院で済み、無事に日本に帰国されました。ただし、この手術は当時500万円を超える料金で、保険をかけていなければ、大変なことだったかもしれません。

トルコで生活する場合、駐在の方はトルコの社会保険を掛ける必要がありますが、企業として、あるいは個人で日本から保険をかけてこられる方が多いようです。やはり、万が一の場合を考えると、その形式が一番安心かもしれません。

画像出典元:
https://www.aa.com.tr/tr/saglik/ozel-hastane-yonetmeliginde-degisiklik-yapildi/1596677

2020/05/04
トルコ在住
土窓愉見

注意!IDの携帯が常識のトルコ

pic_turkey20200307日本で住民票の移動。今回はトルコから少し長めの一時帰国になったため転入届を入れました。

本人確認ができるもの運転免許証、パスポート、個人番号カード、住基カードといったもののいずれかの提示が求められました。

日本では、公的機関が発行した写真付きのものであれば、IDとして使えるのだなと新鮮に感じました。

というのも、トルコでは、届を出しているすべての国民にIDが交付され、常にその携帯が義務付けられているからです。

このIDは、役場、水道局といった公的機関だけではありません。銀行、宅配便の受付窓口、空港や駅で切符を買うとき、飛行機に乗るときなど様々な場面で提示する必要があります。

チケットなどをオンラインで買う際には、IDに記載されているナンバーを書き込みます。ホテルの宿泊の際にもこのIDは必要です。長距離バスなどに乗って移動する際に、IDのチェックのために車両が止められることがありますが、その際にも提示しなくてはなりません。

本当によく使うために、IDを携帯することが義務でなくても携帯する必要があるのではないかと思います。

外国人はどうするかというと、短期滞在の方はパスポートが代用できます。長期滞在する場合にはIkamet(イキャメット)という居住許可をとります。イキャメットもカードの形で、外国人IDナンバーが記載されています。

トルコでワーキングビザを取って働いている場合には、労働許可証が出るのでそのカードをIDとして使うことができます。どちらかがないと、不法滞在になってしまうので、3か月以上トルコに滞在される予定の方はご注意ください。

イキャメットの申請は、移民局のサイトから予約をとって行います。

Ikamet(イキャメット)
https://e-ikamet.goc.gov.tr/

Kimlik(キムリック)というIDは、現在チップ付きのカードに代わっていますが、数年前までは紙のカードで男性はブルー、女性はピンク色をしていました。イスラム教徒が多いトルコではジェンダー問題に関して保守的な考え方をしている人が多いですが、制度的には臨機応変な部分があります。

外科手術などをして性別が変わった場合には、裁判所に申し入れてブルーのIDの代わりにピンク色のIDが発行されていたようで、女性になった歌手がピンクのIDをゲットしたという話をテレビで見たことがあります。もちろん、その場合女性としてのステータスになるので、男性との結婚も法的に問題なくできます。

IDは、個人を表しているもの。その人を特定できるものでなくてはならないため、あるがままを反映している必要があるようです。写真がまだなかった時代、18世紀に使われていた公務員台帳には、人物の特定のために
・身長、体重、お肌の色(トルコ人は3種類に分けて表現しています。)
・髪の毛の色、目の色、ひげの形
・出身地、父親の名前と母親の名前
が記載されていました。

このうち、父親の名前と母親の名前は今でもよく使われます。外国人がとらなくてはいけないイキャメットの申請の際にも、尋ねられます。母親の旧姓ではなく、名前の方なのでご注意ください。

トルコに出張したり、旅行する際に、常にパスポートを携帯するのは面倒くさいと思われるかもしれませんが、国内線であっても飛行機に乗るときや、列車に乗る際にも必要になります。

逆にチェックイン時にIDだけ提示すれば、購入したチケットを出す必要はないので、便利かもしれません。

2020/03/19
土窓愉見 トルコ在住