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EXW vs. FOB: あなたに合うのはどっち?

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国際貿易に携わる企業にとって、適切な貿易用語を選択することは、円滑で収益性の高い取引を実現するために非常に重要です。最も一般的な貿易用語はEXWとFOBの2つですが、あなたのビジネスにはどちらが適しているのでしょうか?

EXWはEx Worksの略で、売り手の責任は工場や倉庫で終わり、買い手は輸送や保険の費用をすべて負担します。一方、FOBはFree on Boardの略で、売り手の責任で商品を船に積み込み、その後の輸送や保険はすべて買い手の責任で行います。どちらの用語にも長所と短所があり、間違った方を選ぶと、思わぬコストや遅れが発生することもあります。

国際貿易用語の理解

国際貿易用語(インコタームズ)とは、国際貿易取引における買い手と売り手の責任と義務を定義するために使用される、標準化された貿易用語のセットです。国際商業会議所(ICC)がインコタームズを発行しており、世界中で認知・使用されています。インコタームズは、引渡し場所、リスクの移転、買い手と売り手の間のコスト配分を指定するために使用されます。

EXWとは?

EXW/Ex Works(イーエックスワークス)は国際貿易用語で、売主の責任が工場または倉庫で終わることを意味します。買い手は、売り手の敷地から最終目的地までのすべての輸送費と保険料を負担することになります。言い換えれば、売り手は商品をその施設で利用できるようにする責任があり、買い手は商品の輸送を手配し、その費用を支払う責任があります。EXWは買い手に最も責任を負わせるものであり、買い手は収集地点から配達地点までのすべてを手配する責任を負うことになります。

EXWの利点は、売り手が商品を自分の工場で利用できるようにする以上の責任をほとんど負わないということです。つまり、売り手は商品の製造や生産に集中でき、輸送や保険の心配をする必要がありません。しかし、これは買い手にとっては、輸送や保険の費用をすべて手配して支払わなければならないというデメリットもあります。

FOBとは?

FOB(フリーオンボード)とは、国際貿易用語で、売り手が出荷港で商品を船に積み込む責任を負うことを意味します。買い手は、出荷港から最終目的地までの輸送費と保険料をすべて負担することになります。つまり、売り手は商品を船に積み込むまで責任を負い、それ以降はすべて買い手が責任を負うことになります。この用語は、売り手が商品を船に積み込む責任を負うため、売り手に多くの責任を負わせることになります。

FOBを使用する利点の1つは、売り手が商品を船に積み込む責任を負うことです。つまり、買い手は商品の積み込みを心配する必要がなく、輸送と保険費用の手配と支払いに集中することができます。ただし、売り手にとっては、商品が正しく時間通りに船に積み込まれるようにしなければならないため、デメリットにもなり得ます。

EXWとFOBの主な違い

EXWとFOBの主な違いは、売主の責任が終了し、買主の責任が開始される時点です。EXWの場合、売主の責任は売主の敷地内で終了しますが、FOBの場合、売主の責任は商品が船に積み込まれた時点で終了します。つまり、EXWの場合は、輸送や保険の費用をすべて手配して支払う必要があるため、買い手の責任が重くなります。一方、FOBの場合、売主の責任は、商品が正しく時間通りに船に積み込まれることを保証しなければならないので、より大きな責任があります。

EXWとFOBのもう一つの違いは、関係するリスクの度合いです。EXWでは、商品が売主の敷地から出た時点で、買主がすべてのリスクを引き受けることになります。つまり、輸送中に発生した損害や損失については、買い手が責任を負うことになります。FOBでは、商品が船に積み込まれるまで、売主がすべてのリスクを引き受けます。つまり、商品が船に積まれる前に発生した損害や損失については、売主が責任を負うことになります。

EXWを使用するメリットとデメリット

長所

- 売り手は、商品を自分の施設で利用できるようにする以上の責任をほとんど負わない。

- 売り手は商品の製造や生産に集中でき、輸送や保険について心配する必要がない。

- 買い手は、輸送や保険のコストをよりコントロールすることができます。

 短所

- 買い手は、輸送と保険の費用をすべて手配し、支払う必要があります。

- 買い手は、商品が売り手の敷地から離れた時点で、すべてのリスクを引き受けます。

- 買い手は、売り手の敷地から商品を引き取るための手配をしなければなりません。

FOBを利用するメリットとデメリット

 長所

- 売り手は、商品を船に積み込む責任があります。

- 買い手は商品の積み込みについて心配する必要がありません。

- 買い手は、商品が船に積まれた後の輸送費と保険料について、よりコントロールしやすくなります。

 短所

- 売り手は、商品が正しく時間通りに船に積まれることを保証しなければなりません。

- 売り手は、商品が船に積まれるまでのすべてのリスクを引き受けます。

- 買い手は、商品が船に積まれた後の輸送費と保険料をすべて手配し、支払う必要があります。

EXWを使用する場合の例

EXWは、買い手が売り手と同じ国にいる場合や、買い手が自分で輸送や保険の手配をしている場合によく使われます。例えば、アメリカの企業が中国のメーカーに商品を発注する場合、自社で輸送や保険を手配している場合は、EXWを選択することがあります。この場合、輸送と保険のコストを管理することができ、商品をメーカーから引き取る手配をすることができます。

FOBを使用する場合の例

FOBは、買い手が売り手と異なる国にいる場合や、商品を海外に発送する場合によく使われます。例えば、アメリカの会社が中国のメーカーに商品を発注し、その商品を船便で輸送する場合、FOBを選択することがあります。これにより、売り手は商品を船に積み込む責任を負い、買い手は商品を船に積み込んだ後の輸送費と保険料を手配することができます。

EXWとFOBの選び方

EXWとFOBのどちらを選ぶかについては、以下の要素を考慮することが重要です:

- 買い手と売り手の所在地

- 輸送と保険の手配

- 関係するリスクのレベル

- 各当事者が負うべき責任の度合い

買い手と売り手が同じ国にあり、買い手が独自の輸送と保険の手配をしている場合は、EXWが最良の選択となる可能性があります。しかし、買い手と売り手が異なる国にあり、商品が海外に発送される場合は、FOBが最良の選択となる可能性があります。

まとめ

円滑で有益な取引を行うためには、適切な貿易用語を選択することが重要です。EXWとFOBは最も一般的な貿易用語の2つで、それぞれにメリットとデメリットがあります。EXWとFOBのどちらかを選択する際には、買い手と売り手の所在地、輸送と保険の手配、各当事者が負うリスクと責任の度合いを考慮することが重要です。これらの要素を慎重に検討することで、企業は自社の取引に適した貿易用語を選択し、予期せぬコストや遅延を回避することができます。

OEMとは

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OEMは「Original Equipment Manufacturer」の略称です。製造業において製品をデザイン・開発し、製造する能力を持っている企業が他社のブランド名で製品を生産することを指します。

あらゆる製品で採用されている製造方法で、一例としてアパレル・コンピューター・スマートフォン・自動車・化粧品・食品が挙げられます。

OEMとODMとPBの違い

OEM、ODM、PBは、製造業における異なるビジネスモデルを指す用語です。

OEM(Original Equipment Manufacturer)

製品ブランド側が他の企業に製造を委託するモデルです。ブランド側は製品設計やマーケティングを担当し、製造プロセスを委託先メーカーに任せます。委託先はブランド側の要件に基づいて製品を生産、ブランド側のブランド名で販売されます。

ODM(Original Design Manufacturer)

委託先メーカーが製品設計と製造を製品ブランド側に対して提供するモデルです。委託先メーカーは製品設計を行い、ブランド側の要件に基づいて製品を生産します。製品はブランド側のブランド名で販売する場合も、委託先メーカーのブランド名で販売する場合もあります。

PB(Private Label)

製品ブランド側が他社の既製品を購入し自社ブランド名で販売するモデルです。ブランド側は自社ブランド名を製品に付けて販売しますが、製品設計や製造は他社が行っています。PBモデルでは、製品設計や製造に関与せず、既存の製品を選ぶことが特徴です。

まとめ

OEMは製品の製造を委託するモデルで、ODMは製品設計と製造を委託するモデルです。一方、PBは既存の製品を購入して自社ブランドで販売するモデルです。それぞれ企業戦略やビジネスニーズに応じて選択されます。

OEMの種類

大きく分けて2つの形態があります。

フルOEM(Full OEM)

ブランド側が製品のすべての設計や仕様を提供し、委託先がその要件に基づいて製品を生産する形態です。ブランド側は製品の外観、機能、パーツの選定、製造プロセスなどを指定し、委託先はそれに従って製品を製造します。フルOEMでは、ブランド側が製品に対する完全な制御を持ち、自社のブランドイメージや品質基準を保つことができます。

セミOEM(Semi OEM)/ファブリケーションOEM(Fabrication OEM)

ブランド側が一部の要素や部品の設計を提供し、委託先が残りの製造プロセスを担当する形態です。ブランド側は製品の部品など一部の要素の設計や製造を行い、それ以外の工程は委託先に任せます。セミOEMでは、ブランド側は製品の主要な要素を制御し、自社の技術や特許を活用しながら、効率的に製品を生産することができます。

これらの形態は、ブランド側と委託先の役割と責任の範囲を表しています。フルOEMでは、ブランド側が製品全体の設計と製造を管理し、セミOEMでは、ブランド側が一部の要素を制御し、委託先は残りの製造プロセスを担当します。

OEMのメリット

次のメリットが存在します。

コスト削減: OEM企業は既に製造ラインや設備を所有しており、大量生産において効率を上げている場合に自社で製造するよりもコストを抑えられる可能性があります。

専門的な知識と技術の利用: OEM企業は、特定の製品や部品の製造において専門的な知識と技術を持っているため、製品の品質や性能を確保することができます。

生産のスピードと柔軟性: OEM企業は生産のスピードが速く、大量生産に適した体制を整えています。製品の需要が急増した場合や市場の変化に対応する場合も迅速に対応でき、生産の柔軟性が高まります。

リスクの分散: 製品開発や製造には多くのリスクが伴います。自社で全ての製造プロセスを担当する場合、リスクを一手に負うことになりますが、OEM委託することで、製品のリスクをOEM企業と共有でき、新たな市場に参入する際や新製品を開発する際のリスクを低減できます。

ブランドの拡大と市場進出: OEM企業側は自社製品を他社ブランド名の信頼性や知名度を借りて提供することで、自社の製品が新市場に参入したり、新たな顧客層を獲得する機会を得て市場競争力を高めることができます。

OEMのデメリット

次のデメリットが存在します。

利益の一部減少: 自社で製品を開発・製造する場合と比較し、OEM委託することで委託先に製造費用や利益の一部が支払われ、利益率が低下する可能性があります。

技術情報の共有: OEM委託には、製品の設計や技術情報を委託先と共有する必要があり、情報の漏洩や知的財産の保護に関するリスクが存在します。

生産の柔軟性の制限: OEM委託先の生産能力やスケジュールに依存するため、生産の柔軟性が制限される場合があります。自社で直接製造する場合と比較し、納期変更や製品改良の対応が難しいことがあります。

これらを考慮しながら、各企業の戦略や業界の特性に応じて検討することが重要です。

OEM委託先選定のポイント

次のポイントに留意しましょう。

品質管理の評価: 品質は製品の信頼性や顧客満足度に直結します。委託先の品質管理体制や品質保証プロセスを評価し、品質基準に合致することを確認してください。品質管理の認証やISO認証などの証明を持つ企業を選ぶことも重要です。

技術能力と専門知識: 委託先の技術能力と専門知識が製品の要件と一致しているかの確認と製品の設計や製造に必要な技術的な要素や業界のベストプラクティスに精通しているかの評価をしましょう。

経験と実績: 委託先の経験と実績は、信頼性と信頼度を評価するための重要な指標です。長い期間製造業やOEM事業に携わってきた企業や、類似製品の製造実績を持つ企業を選ぶことが望ましいです。

リスク管理と契約条件: 委託先との契約条件やリスク管理に関する枠組みは明確にしておく必要があります。知的財産の保護、品質管理、納期管理、責任範囲などに関する契約条件を適切に設定し、リスクを最小限に抑えましょう。

慎重な評価と選定プロセスを経て、最適な委託先を選んでください。

中国輸入に役立つ物流コストの考え方

cost

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物流コストは、商品や物資の供給チェーン全体を管理し、商品を製造または供給元から最終的な消費者まで効率的に運送するために必要な費用の総称です。具体的には、次の要素が含まれます。

輸送費: 商品を出荷元から目的地まで輸送するための費用。輸送手段(船舶、航空機、トラックなど)や距離、輸送量によって異なります。

保管費: 商品を一時的に保管するための費用。倉庫の使用料や保管スペースの費用、在庫管理などが含まれます。

処理費: 商品の積み降ろし、梱包、ラベル付けなどの処理に関連する費用。

在庫管理費: 在庫の追跡、管理、再注文などに関連する費用。

保険料: 商品の損害や紛失に備えて、保険に加入するための費用。

関税や税金: 国や地域の税制に基づいて課される関税や消費税など。

手数料: 物流プロバイダーや関税申告代理人、通関業者などが提供するサービスに対する手数料。

物流コストは企業にとって重要な費用であり、効率的な物流戦略の立案と最適化が求められます。物流コストの削減や効率化は、競争力の向上や収益性の向上につながることがあります。

中国輸入にかかるコストは何?

中国への輸入に関わるコストは、以下のような要素が含まれます。

仕入れ価格: 中国のサプライヤーや製造業者から商品を購入する際の価格。商品の種類や数量、品質などによって異なります。

輸送費: 商品を中国から目的地まで輸送するための費用。輸送手段(海上、航空、陸上)や距離、重量などによって変動します。

関税および税金: 輸入商品に課される関税や消費税などの税金。商品の分類や原産国によって異なる税率が適用されます。

保険料: 商品の輸送中に発生する損害や紛失に備えて、輸送保険に加入する場合の保険料。

港湾手数料および関連費用: 船舶または航空機を利用する場合に発生する港湾や空港の手数料、積み降ろし費用、保管料など。

カスタムクリアランス費用: 輸入商品の通関手続きや関連文書の作成に関連する費用。関税申告代理人や通関業者の手数料も含まれます。

付加価値税: 輸入商品を中国国内で販売する場合に課される付加価値税。

マーケティングおよび販売費用: 輸入商品を宣伝し、販売するための費用。広告費、販売員の給与、マーケティング活動に関連する費用など。

これらのコストは、商品の性質、数量、価値、輸送ルートなどによって異なります。正確なコスト見積もりを取得するためには、輸入業者や物流業者と協力し、関連する法規制や税制の変更にも注意する必要があります。

中国国内での物流コスト

中国輸入における中国国内での物流コストは、以下の要素によって構成されます。

輸送費用: 商品を中国国内の供給地や工場から港湾や空港へ輸送するための費用が含まれます。輸送手段(トラック、鉄道、船舶など)や距離、輸送量によって異なります。

荷役費用: 商品を倉庫やコンテナに積み込む作業や仕分け、保管などの荷役作業に関連する費用が含まれます。作業員の人件費や作業設備、倉庫の利用料などが含まれます。

通関費用: 商品の輸入手続きや関税の支払い、規制の遵守に関連する費用が含まれます。通関業者や関税代理店の手数料、税金、規制コンプライアンスに関連する費用が含まれます。

保険費用: 商品の輸送中や保管中に発生する損害やリスクに対する保険料が含まれます。輸送保険や在庫保険などの保険料が物流コストに影響します。

これらの物流コストは、商品の性質、数量、輸送距離、地域、物流プロバイダーなどによって異なります。正確なコスト見積もりを得るためには、物流企業や関連業者と協力し、具体的な要件と条件に基づいた見積もりを依頼する必要があります。また、中国国内の法規制や税制の変更にも注意が必要です。

中国から日本へ輸送するときの物流コスト

中国から日本への物流コストは、次の要素によって構成されます。

輸送費: 商品を中国から日本へ輸送するための費用です。輸送手段(海上、航空、陸上)や距離、輸送量によって異なります。海上輸送が一般的であり、コンテナの使用や貨物の重量、航路によって費用が変動します。

港湾および空港手数料: 商品の積み降ろしや保管に関連する港湾や空港の使用料、通関手数料、保管料などが含まれます。出荷港と到着港によって費用が異なります。

関税および税金: 輸入商品にかかる関税や消費税などの税金です。商品の分類や原産国によって異なる税率が適用されます。

カスタムクリアランス費用: 輸入商品の通関手続きや関連文書の作成に関連する費用です。通関業者や関税申告代理人の手数料も含まれます。

付加価値税: 輸入商品を日本国内で販売する場合に課される付加価値税です。

その他の費用: 特定の商品や需要によって異なる場合があります。例えば、特殊な取り扱いが必要な商品の場合、特定の許認可や検査の費用がかかる場合があります。

国際輸送費を計算する際に一般的に使われる容積重量という要素について説明します。

容積重量とは

容積重量(Volumetric Weight)は、物体や荷物のサイズ(容積)に基づいて計算される重量のことです。通常、運送業者や物流企業は、輸送にかかる費用を重量だけでなく、容積重量も考慮して計算します。

容積重量は、物体の実際の重量と比較して、大きさに応じて適用される重量です。大きくて軽い物体は、実際の重量よりも容積重量が大きくなる可能性があります。これは、物体の輸送時のスペースを適切に利用し、効率的な運送を促すための仕組みです。

一般的には、以下の数式を使って容積重量が計算されます:

容積重量(kg)= (長さ(cm)× 幅(cm)× 高さ(cm))/ 体積重量係数

例えば段ボールの縦横高さの合計が160センチ以下の箱に商品を詰めて15キロの場合、かならずしも15キロ分の送料が請求額とは限りません。

容積容量の設定がある場合は「実重量」と「容積重量」の重い方が請求額になります。

計算式は

箱のサイズ:70cm×50cm×40cm

計算式:70×50×40=140,000立方センチメートル

※6,000立方センチメートルを1kgで換算。

140,000÷6,000=23.3kg

15キロより23.3キロの方が重いため23.3キロの請求という考え方になります。

体積重量係数は、運送業者や物流企業によって異なる場合があります。この係数は、実際の重量と容積重量の比率を調整するために使用されます。荷物の種類や輸送手段によって異なる係数が適用される場合もあります。

容積重量は、物流業界において重要な要素となっています。特に大型かつ軽量な商品など、スペース効率が重要な場合には、容積重量が実際の重量よりも費用に影響を与えることがあります。したがって、物流プロセスや費用計算において、容積重量を考慮することが重要です。

商品が日本国内に到着した後の物流コスト

日本国内での物流コストとしては、国内送料と保管費用が主になります。

港湾費用: 日本の港湾における荷役や保管に関連する費用が含まれます。入港手数料、荷役作業員の給与、倉庫利用料などが物流コストに影響します。

通関費用: 輸入商品の日本国内での通関手続きや関税支払いに関連する費用が含まれます。通関業者の手数料、関税、税金、規制コンプライアンスに関する費用が発生します。

配送費用: 港湾から最終目的地までの輸送や配送に関連する費用が含まれます。トラックや鉄道、倉庫から店舗や顧客への配送に関する費用が発生します。

具体的な物流コストに関する正確な情報を得るためには、日本の物流業者やコンサルタントとの相談や調査を行うことがおすすめです。

いちばん得したいかたのために。物流コストのすすめ

国際物流コストを下げるためには、次の方法を検討することが重要です。

海上輸送の利用:中国からの輸入は海上輸送の使用がいちばん安く、通常到着までは早くて1か月から2か月ほどかかります。

航空便と料金比較をした場合:縦横高さの合計が160センチの箱が5箱から100箱までは混載便、配送先によって80箱から150箱までは20フィートのコンテナ、150箱から200箱を超える場合は40フィートの使用がふさわしいでしょう。

貿易合意の活用: 国際貿易における関税や規制の緩和を目的とした貿易合意を活用することで、輸送コストを削減できます。自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)などの取り組みを活用し、関税優遇措置や貿易手続きの簡素化を受けることができます。

リバースロジスティクスの最適化: 不良品や返品商品の処理や再利用を効率化することで、物流コストを削減できます。リバースロジスティクスプロセスの改善やリサイクル・リユースの取り組みを通じて、コスト削減とサステナビリティを両立させることができます。

グリーンロジスティクスの推進: 環境に配慮した物流活動を推進することで、物流コストを削減できます。エネルギー効率の向上、輸送手段の最適化、排出量の削減など、持続可能な物流プラクティスを導入することが重要です。

これらの方法は、国際物流コストの削減に向けた一般的なアプローチです。ただし、各企業や業界によって異なる要素が存在するため、具体的な状況に合わせて最適な戦略を検討することが重要です。

RORO船とは

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RORO(ローロ)は、"Roll-On/Roll-Off"の略で、船舶や貨物輸送において使用される特定の船舶タイプを指し自動車、トラック、建設機械、農業機械、バス、シャーシなどの自走式の貨物を船上に載せることができる船舶です。その特徴は、船舶に搭載されたランプやドアを使用して、貨物が自力で船に乗り込み(ロールオン)または船から下りる(ロールオフ)ことができることです。

船内に広い車両デッキを持ち、貨物を効率的に積み降ろしすることができます。また、船内の車両デッキは、必要に応じて仕切りを設置することができ、貨物をセグメント化することができます。これにより、異なる顧客や宛先の貨物を区別して運ぶことができます。また、船内には固定式のバラストタンクが設置されており、船の安定性を確保する役割を果たしています。

コンテナを積んだトラックやトレーラーをそのまま運べるため、着港後は目的地まで荷物やコンテナの積み降ろしがなく、ドア・ツー・ドアで届けることができます。高速フェリー船のRORO船など選択肢が増え、生鮮食品や小物、日用品の輸送にも活用されています。

RORO船の利点

効率的に作業が行え、時間と労力を節約することができます。

大型・重量貨物の輸送: RORO船は自走可能な大型貨物や重量物を輸送することに適した手段です。建設機械やトラックなどの重い貨物を簡単に船上に載せることができます。

簡便な輸送手続き: RORO船を利用する場合、通常はコンテナなどの荷役作業や詰め替え作業が不要であり、貨物の取り扱いが簡便です。

多目的な使用: RORO船は、平成12年10月の海上運送法の改正により、貨物輸送の他にも、旅客船やクルーズ船としても使用されることがあります。船舶内部の設備や施設が利用され、船舶を多目的に活用することができます。一部のRORO船は、旅客の乗船や船内での施設の提供が可能であり、貨物輸送だけでなく観光やレジャーなどの目的にも利用されます。

RORO船は、自動車輸送や商用車の輸送など、自走式の貨物を効率的かつ安全に海上で輸送するための船舶として広く利用されています。自動車メーカーや輸送業者、建設機械の製造業者など、さまざまな産業や業界で活用されています。

なお、自動車やトラックなどの自走式の貨物に特化しているため、コンテナや液体貨物の輸送には適していません。これらの貨物は、他の船舶タイプや輸送手段を使用することが一般的です。

RORO船を利用する際の注意点

貨物の保護: RORO船では貨物が露天で輸送されるため、気象条件や航海中の揺れなどによる貨物の損傷や汚れのリスクがあります。適切な貨物保護措置を講じることが重要であり、梱包や防水カバーの使用、固定装置の適切な使用などを行いましょう。

貨物のセキュリティ: RORO船では、貨物が船上で露天に晒されるため、盗難や不正なアクセスのリスクが存在します。貨物のセキュリティ対策を講じるために、貨物の監視や封印、セキュリティスタッフの配置などを考慮しましょう。

航海スケジュールの確認: RORO船は特定の航路やスケジュールに依存しており、船の出航時刻や到着予定時刻には変動が生じる場合があります。貨物の引き渡しや受け取りの計画を立てる際には、船舶のスケジュールを確認し、十分な余裕を持った日程を設定しましょう。

貨物の制限事項の確認: RORO船は貨物の形状や重量に制約があります。船舶の車両デッキの高さや重量制限を確認し、貨物の制限事項に合致しているかを確認しましょう。また、特殊な貨物や危険物の輸送については、船舶や関連規制の制約を把握し、必要な手続きを遵守しましょう。

RORO船は、貨物輸送の効率性と便利さを追求する際に重要な役割を果たしています。多くの港湾や海運業者がROROサービスを提供しており、需要がある場合には輸送オプションとして考慮する価値があります。

RORO船を利用する際のデメリット

依存度とスケジュール制約: RORO船は特定の航路やスケジュールに依存しているため、航路や出航スケジュールに制約がある場合があります。貨物の受け渡しや輸送の計画を立てる際に、この制約を考慮する必要があります。

露天運搬と気象条件: RORO船は、貨物が露天で輸送されるため、気象条件による影響を受ける可能性があります。悪天候や荒天時には、貨物の安全性や遅延のリスクが存在します。

貨物保護の課題: RORO船では、貨物が船上で露天に晒されるため、適切な貨物保護が重要です。自走式の貨物は風や水の影響を受ける可能性があり、塗装の傷や環境要因による損傷のリスクがあります。したがって、貨物の保護や梱包には注意が必要です。

航行制約と貨物容量: RORO船は、車両デッキ上のスペースを利用するため、高さや重量制限があります。大型貨物や特殊な形状の貨物に対して制約がある場合があります。また、船舶の貨物容量も限られているため、需要が高い場合には予約が困難な場合があります。

フォークリフトなどを使うコンテナ船に比べて早く、簡単、安全に荷役ができますがシャーシごと船に載せるため、積載効率の点ではコンテナ船に劣ります。

セキュリティと保険: RORO船では、貨物が露天で輸送されるため、盗難や損傷のリスクが存在します。貨物のセキュリティ対策や適切な保険の確保が重要です。

これらのメリットとデメリットを考慮し、貨物の性質や輸送ニーズに応じてRORO船の利用を検討することが重要です。他の輸送手段と比較し、貨物の特性や緊急性、コスト効率などを考慮して最適な選択肢を判断する必要があります。

コンテナ海上運賃相場

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海上運賃相場が決まる要因

海上運賃の相場は、様々な要素によって影響を受けますが、次の要素が最大の影響を与える要因とされています。

1.需要と供給: 海上輸送の需要と供給のバランスは、海上運賃に直接的な影響を与えます。需要が供給を上回る場合、運賃は高まります。逆に、供給が需要を上回る場合、運賃は低下します。

2.燃料価格: 燃料費は輸送費に大きな影響を与えます。燃料価格の変動は公式運賃に直接影響を及ぼし、運送会社はこれに応じて価格を調整する必要があります。

3.航路の距離と船舶の稼働率: 航路の距離は運賃に影響を与えます。長距離航路では運賃が高くなる傾向があります。また、船舶の稼働率も重要な要素です。船舶の稼働率が高いほど、運賃は低くなる可能性があります。

4.船舶の種類と容量: 船舶の種類や容量は、海上運賃に影響を与えます。大型のコンテナ船やタンカーなどの容量の大きい船舶は、一度に多くの貨物を運べるため、運賃を低く抑えることができます。

5.貨物の性質と需要の変動: 貨物の性質や需要の変動も海上運賃に影響を与えます。特定の貨物の需要が急増した場合、運賃が上昇することがあります。

これらの要素は相互に関連し合い、海上運賃の相場を形成しています。また、市場の競争状況や政府の規制、天候条件なども海上運賃に影響を及ぼす要素として考慮されます。

海上運賃の構成について

海上運賃は、さまざまな要素から構成されています。一般的な海上運賃の構成要素を紹介します。

基本運賃(Basic Freight Rate): 貨物の種類やルートに応じて設定される基本的な運賃です。通常、トン(重量)またはTEU(20フィート換算)単位で表されます。

燃料サーチャージ(Fuel Surcharge): 燃料費の変動による影響を補償するために課される追加料金です。燃料価格の変動に応じて調整されることがあります。

通関手数料(Customs Clearance Fee): 貨物の通関手続きに関連する手数料です。関税や税金、規制上の手続きなどが含まれる場合があります。

港湾施設使用料(Terminal Handling Charge): 貨物を船から陸上に積み降ろす際に発生する港湾施設の使用料です。貨物の取り扱いや保管に関連するコストが含まれます。

船内積載保険料(Marine Insurance Premium): 貨物の航海中の損害や災害に対する保険料です。保険の種類や保険金額に応じて変動します。

その他の追加料金(Additional Charges): 特定のサービスや要件に応じて課される追加料金が存在する場合があります。例えば、特別な取り扱いや急ぎの配送などに関連する料金です。

基本運賃(BASE RATE)について

これらの要素は、海上運賃の構成要素の一部であり、具体的な運賃の構成については、関係する運送業者や航運会社に問い合わせることが重要です。

基本運賃(Base Rate)は、海上輸送における基本的な貨物運賃の単位です。貨物の種類、ルート、船舶のタイプ、市場の需要と供給などの要素に基づいて設定されます。

基本運賃は、通常、トン(重量)またはTEU(20フィート換算)単位で表されます。輸送される貨物の種類や特性によって異なる基本運賃が適用される場合があります。例えば、一般貨物、コンテナ貨物、液体貨物など貨物カテゴリーに対して異なる基本運賃が設定されることがあります。

基本運賃は、船舶所有者や運送業者によって設定され、貨物の重量や体積に応じて料金が計算されます。他の要素(燃料サーチャージ、通関手数料、保険料など)と組み合わせて、実際の運賃が決定されます。

重要な点として、基本運賃は市場や需要と供給の変動によって影響を受ける場合があります。需要が高まると基本運賃も上昇することがあり、需要が低下すると基本運賃も下がることがあります。

割増料金(Surcharge)について

割増料金(Surcharge)は、海上運賃に追加される料金のことを指します。

燃料サーチャージ(Fuel Surcharge): 燃料価格の変動に対応するために課される追加料金です。燃料価格の上昇によって運送業者の燃料費が増加する場合、顧客に請求されることがあります。

通関手数料(Customs Clearance Fee): 貨物の通関手続きに関連する追加料金です。関税や税金、規制上の手続きなどに対応するために発生する費用が含まれます。

港湾施設使用料(Terminal Handling Charge): 貨物を船から陸上に積み降ろす際に発生する港湾施設の使用料です。貨物の取り扱いや保管に関連する追加費用が含まれます。

船内積載保険料(Marine Insurance Premium): 貨物の航海中の損害や災害に備えるための保険料です。貨物の価値やリスクに応じて、追加の保険料が課されることがあります。

緊急配送料金(Emergency Surcharges): 緊急で迅速な配送が必要な場合に課される追加料金です。通常、特定の状況や要件に応じて設定され、急ぎの対応や優先的な取り扱いを提供します。

これらの割増料金は、通常、基本運賃に加算されて総合的な運賃が計算されます。

その他の費用

海上運賃には、基本運賃と割増料金以外に次のような費用が含まれることがあります。

ドック料金(Dockage Fee): 船舶が港湾施設に停泊する際に課される料金です。停泊期間や使用するスペースの大きさに応じて料金が設定されます。

ターミナル使用料(Terminal Usage Fee): 港湾ターミナルや貨物集積場などの施設を使用するために課される料金です。貨物の取り扱いや保管、荷役などに関連する費用が含まれます。

倉庫使用料(Warehouse Storage Fee): 貨物が倉庫や保管施設に保管される場合に課される料金です。貨物の保管期間や使用するスペースの大きさによって料金が決定されます。

検査料金(Inspection Fee): 貨物の品質や安全性の検査を行うために課される料金です。公的機関や民間の検査機関が行う検査に関連する費用が含まれます。

通関手数料(Customs Brokerage Fee): 貨物の通関手続きを行うために課される手数料です。関税や税金の計算や支払い、関連書類の処理などを担当する通関業者に支払われます。

保険料(Insurance Premium): 貨物の輸送中の損害や災害に備えるための保険料です。貨物の価値やリスクに応じて料金が設定されます。

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コンテナ船とは

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コンテナ船は、海上輸送において主にコンテナを積載するために設計された船舶で貨物を効率的かつ安全に大量に輸送するための船です。

船体の上部に複数のデッキを持ち、それぞれのデッキ上にコンテナを積載するスペースが配置されています。コンテナは20フィート(約6メートル)または40フィート(約12メートル)の長さで使用されます。コンテナはクレーンやフォークリフトなどの荷役装置を使用して船上で積み降ろしできます。

コンテナ船の利点

効率的な積替:コンテナ同士が互いに密接に結合されるため、荷役時間の短縮や輸送効率の向上が実現されます。

多様な貨物の取扱:食品、衣料品、電化製品、自動車など様々な産業部門の貨物を大量に輸送することができます。

安定した航海性能:コンテナ船は貨物の安定性を確保し、荒天や波浪の影響を受けにくい構造となっています。

コンテナ船は、国際的な貿易において重要な役割を果たしています。大量の貨物を経済的かつ効率的に世界中に輸送するために使用され、国際貿易の成長とグローバルな供給チェーンの発展に寄与しています。

コンテナ船の分類

さまざまな規模や特徴に基づいて船舶所有者や運航会社に選択されるコンテナ船の分類例を紹介します。

サイズによる分類

フィーダー船: 主に港湾間の短距離輸送に使用される小型のコンテナ船です。

パナマックス船: パナマ運河を通過する最大サイズの船で、通常は5,000〜14,000 TEUのコンテナを積載します。

ウルトララージコンテナ船: 14,000 TEU以上の大型のコンテナ船で、大型港湾に対応する能力を持っています。

積載能力による分類

フルコンテナ船: 全ての貨物がコンテナに詰められ、コンテナのみを積載する船です。

マルチパーパス船: コンテナ以外の貨物やバルク貨物を積載することができる多目的船です。

特徴による分類

ローロー船: 車両やトラックなどの輪転貨物を船上で積み降ろしすることができる船です。一部のローロー船はコンテナも積載することができます。

コンテナフィーダー船: 大型の母船から貨物を受け取り、主要な港湾や地域へ配送するために使用される小型のコンテナ船です。

コンテナ船はさまざまなタイプやサイズが存在し航行ルート、貨物の需要、港湾の設備などに応じて、船舶所有者や運航会社は適切なコンテナ船を選択します。

コンテナ船の設計上特色

コンテナ船の航路は、船舶会社や輸送需要によって異なります。一般的には、主要な航路や貿易ルートに沿って運航されます。次にいくつかの主要な航路を挙げます。

アジア - ヨーロッパ航路(遠東航路):中国、日本、韓国、台湾、シンガポールなどのアジアの主要港と、オランダ、ドイツ、イギリスなどのヨーロッパの主要港を結ぶものです。主要な港としては、上海、香港、ロッテルダム、ハンブルク、フェリックスストウなどがあります。

アジア - 北米航路(太平洋航路):アジアの港と主にアメリカ西海岸の港を結ぶものです。主要な港としては、ロサンゼルス、ロングビーチ、オークランド、東京、横浜、釜山などがあります。

アジア - 南米航路(太平洋航路):アジアの港と南米の主要港を結ぶものです。主要な港としては、バルパライソ、リオデジャネイロ、サンパウロ、上海、香港などがあります。

ヨーロッパ - 北米航路(大西洋航路):ヨーロッパの主要港と主にアメリカ東海岸の港を結ぶものです。主要な港としては、ニューヨーク、ニュージャージー、ロッテルダム、アントワープ、ブレーメンなどがあります。

アフリカ - ヨーロッパ航路:アフリカの主要港とヨーロッパの主要港を結ぶものです。主要な港としては、ダーバン、カイロ、トリポリ、ロッテルダム、ジェノバなどがあります。

これらは一般的な航路の一部であり、実際の船舶輸送の航路はさまざまな要素によって決まります。航路は、需要・供給の変動、政治的な要因、天候条件、航行制約などによって変わります。

コンテナ船の設計上の特徴は、貨物の効率的な積み替えと安定した航行性能を確保することにあります。コンテナ船の主な設計上の特徴をいくつか説明します。

コンテナスロット:船体の上部にコンテナスロットと呼ばれる積載スペースを持っています。これらのスロットにはコンテナがフィットするように設計されており、貨物の効率的な積み替えと固定が可能です。

クレーンや荷役装置:貨物を船上で積み降ろしするためのクレーンや荷役装置が装備されています。これにより、コンテナの効率的な取り扱いと荷役作業の迅速化が可能となります。

船体の強度と安定性:大量の貨物を輸送するために高い船体の強度と安定性が求められます。特に重ね積みされたコンテナによる重量と風や波浪の影響に耐えるため、船体の強度や安定性を考慮した設計が行われています。

ボールストンク: ボールストンクは、船の安定性と浮力を調整するための水密区画です。ボールストンクは船体内に配置されており、船の積荷や航行条件に応じて、必要に応じて水を注入または排水することでバランスを調整します。

エネルギー効率と環境配慮:近年は、エネルギー効率と環境への配慮を重視した設計が進んでいます。船体の形状や船尾の設計、省エネルギーの推進システム、排出物の管理など、より環境に優しい船舶設計が採用されています。

まとめ

コンテナ船の設計上の特徴は、効率的な貨物輸送と安定した航行だけでなく、環境への配慮や持続可能性への取り組みも含まれています。コンテナ船業界の未来はさらに進化し続けることでしょう。

国際物流とは

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国際物流とは、国境を越えた物流活動のことを指します。つまり、ある国から他の国に向けて、商品や物品を運搬する際に必要な一連のプロセスや活動を指します。

国際物流には、次のような活動が含まれます。

  • 輸出入手続きの準備
  • 輸出入の通関手続き
  • 船舶やトラック、飛行機などの輸送手段の選択
  • 荷物の梱包や保管、積み込み・降ろしなどの物流作業
  • 船舶やトラック、飛行機などのスケジュールの調整
  • 関税や税金の計算や支払いの処理
  • 貨物保険の手配

国際物流は、世界中で行われるビジネスにとって必要不可欠な要素であり、グローバルビジネスの拡大に寄与しています。

物流過程のブラックボックス化

物流過程のブラックボックス化とは、物流プロセスの一部または全体が透明性を欠き、不明瞭である状態のことを指します。

物流過程において、商品が供給地から需要地まで運ばれるまでの一連の流れがありますが、それらの流れが外部に対して不明確であるため、適切な情報を把握することができず、物流プロセスがブラックボックス化されていると考えられます。

物流過程のブラックボックス化は、次のような問題を引き起こすことがあります。

  • 顧客に正確な納期が伝えられず、配送遅延が発生する可能性がある
  • 輸送コストや在庫管理において、最適な意思決定ができない
  • 物流企業や顧客間での信頼関係が低下し、業務の円滑な進行に悪影響を与える

物流過程のブラックボックス化を解消するためには、透明性を高めるための情報共有プラットフォームやシステムを導入し、物流プロセスの可視化を実現することが必要です。また、物流企業や顧客間での信頼関係を構築し、情報共有やコミュニケーションを行うことも重要です。

在庫の余剰化とは、需要量を超えた在庫が発生してしまうことを指します。需要量を見積もり誤ったり、需要予測が外れた場合などに発生することがあります。

国際物流における在庫管理は、次の点に注意する必要があります。

需要予測の正確性:需要予測が正確でない場合、在庫量が不足したり、過剰になったりすることがあります。これにより、販売機会を逃したり、在庫コストがかさんだりする可能性があります。正確な需要予測を行い、その上で在庫レベルを決定することが重要です。

在庫保有コスト:在庫保有コストは、在庫の購入、保管、管理、保険、廃棄などにかかるコストです。これらのコストは、在庫レベルに応じて変動するため、在庫レベルを最適化することが重要です。

リードタイム:リードタイムは、注文から在庫が到着するまでの時間です。国際物流では、輸送時間や通関時間などがリードタイムに影響するため、リードタイムを正確に把握し、在庫レベルを決定することが重要です。

サプライチェーンの可視性:サプライチェーンの可視性を高めることで、在庫レベルを適切に管理することができます。サプライチェーンの各段階において、在庫レベル、生産計画、配送スケジュールなどの情報を共有することで、在庫レベルを最適化することができます。

リスク管理:在庫レベルを最適化するためには、リスク管理が重要です。輸送の遅延、品質不良、天候不良、災害などによって在庫に影響を与えるリスクを考慮し、在庫レベルを調整することが必要です。

以上の点に注意しながら、正確な需要予測と在庫レベルの最適化、サプライチェーンの可視性の向上、リスク管理の実施などを行い、国際物流における在庫管理を適切に行うことが重要です。

情報の可視化が課題解決の糸口

情報の可視化は、課題解決において非常に重要な糸口となることがあります。情報の可視化とは、膨大な情報をグラフや表などの視覚的な形式で表示することで、情報を理解しやすくする手法です。

課題解決においては、問題点を明確に把握し、問題点を解決するための方策を考えることが必要です。しかし、問題点が複雑である場合や、膨大な情報を扱う場合は、情報を正確に理解することが困難となることがあります。

このような場合には、情報の可視化が有効です。情報をグラフや表などの視覚的な形式で表示することで、情報を理解しやすくなります。例えば、在庫管理においては、在庫の状況や動向をグラフや表で可視化することで、在庫の余剰化や不足を把握しやすくなります。

また、情報の可視化は、問題点を発見するためにも有効です。例えば、顧客の購買履歴を可視化することで、購買傾向や需要の変化を把握しやすくなります。このような情報を基に、新たな商品の企画や販売戦略の改善を行うことができます。

情報の可視化は、ビジネスだけでなく、医療や教育などの様々な分野においても活用されています。情報を正確に理解し、課題解決につなげるために、情報の可視化を活用することが重要です。

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乙仲(おつなか)とは? 通関業者とフォワーダーとの違いを徹底比較

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乙仲(おつなか)とは? 通関業者とフォワーダーとの違いを徹底比較

「乙仲」とは

乙仲は「海運貨物取扱業者」を意味します。海運のみを取り扱う専門業者で航空貨物の取扱はありません。「港湾運送事業法」と呼ばれる法律にのっとり海運貨物を港湾地区において手続きや積荷、倉庫内での管理など、幅広い業務を担う事業者です。

乙仲という通称の由来

1947年に廃止された海運組合法で定期船貨物の取次をする仲介業者を乙種仲立業を乙仲とし、不定期船貨物の取次ぎをする仲介業者を甲種仲立業を甲仲とした分類を使用していた経緯があります。海運組合法が廃止された現在も使われています。

乙仲とフォワーダー・通関業者の違い

フォワーダー(Forwarder)

フォワーダーは、「貨物利用運送事業法」に定められている規制を受け、国際輸送において貨物の輸送手配や物流サービスを提供する企業や個人を指します。彼らは貨物の受け入れから出荷までの一連の流通手続きを担当し、船舶・航空便・陸上輸送などの適切な輸送手段を選択します。フォワーダーは輸送の効率化と顧客の利益を最大化するために、貨物の集荷、積み替え、梱包、保険手続き、関税手続き、輸送書類の作成など、多岐にわたる業務を行います。

通関業者(Customs Broker)

通関業者は、「通関法」という法律の規定にのっとり国境を越える貨物の通関手続きを専門的に行う企業や個人です。彼らは輸入貨物が関税や規制に従って適切に処理されるようにし、関税の支払いや輸入許可書の取得など、通関手続き全般を代行します。通関業者は法的な規制に詳しく、輸入業者と通関申告書類の作成や提出、関連書類の準備、税金の計算や支払い、通関検査の調整などを行います。

乙仲は海上貨物輸送に関する国際輸送や物流サービスを提供する業者であり、フォワーダーは海上貨物と航空貨物も含めた貨物の国際輸送や物流サービスを提供する業者です。通関業者は財務大臣の許可を受けた業者で輸入貨物の通関手続きを専門的に代行する企業です。貨物に合ったサービスを組み合わせることで効率的かつ円滑な輸送が実現できます。

乙仲とフォワーダー・通関業者の選び方

乙仲業者とフォワーダーの選び方

乙仲が港湾内で陸と船舶の間だけの取引を行うのに対し、フォワーダー荷物の集荷から配達までも行うことが多いとされていますが近年各々が業務の範囲を広げており違いが減っています。選び方のポイントは次になります。

ライセンスと認可: 適切なライセンスや認可を持っているかを確認しましょう。国際輸送では、特定の国や地域での法的要件を満たすことが求められます。適切なライセンスや認可を持つ乙仲とフォワーダーは、信頼性と信用性が高いと言えます。

経験と専門知識: 湾岸での手続きや運送業務、国際物流において経験と専門知識を持っていることが重要です。業界での実績を確認し、目的地や貨物の種類に特化した専門知識を持つ乙仲とフォワーダーを選ぶと良いでしょう。

サービスの幅とカスタマイズ: 業者が提供するサービスの幅やカスタマイズの柔軟性も考慮すべきポイントです。物流業務においては、複数のサービス(貨物輸送、保険、関税手続きなど)をトータルで提供している乙仲やフォワーダーが便利です。また、特定のニーズや要件に対応できるカスタマイズサービスを提供しているかも確認しましょう。

費用対効果と透明性: フォワーダーの提供するサービスの費用対効果を比較しましょう。ただし、最も安いオプションが常に最適な選択肢とは限りません。代わりに、価格とサービス品質のバランスを考慮し、透明性のある料金体系や契約条件を持つフォワーダーを選ぶことが重要です。

これらのポイントを考慮して、複数のフォワーダーを比較し、自身のニーズや要件に最も適した選択肢を見つけることが重要です。また、業界の専門家や他の顧客の意見を参考にすることも役立ちます。

通関業者の選び方

輸入通関手続きを代行する通関業者の選び方のポイントは次になります。

専門知識と経験:通関業務は専門的な知識と経験を必要とするため、信頼性の高い通関業者を選ぶことが重要です。業者の専門的な知識や経験を確認し、実績や評判を調べることが重要です。

免許や認定:通関業者が適切な免許や認定を持っていることも重要です。国や地域によっては、通関業者は特定の免許や認定を取得する必要があります。業者が適切な資格を持っているかを確認しましょう。

カスタマーサービス:通関業者とのコミュニケーションやカスタマーサービスの質も重要です。迅速な対応や情報提供、問題解決能力などを考慮して選ぶことが大切です。

コストとコスト透明性:通関業者のサービス料金や費用体系を明確に理解し、コスト透明性を確保することも重要です。複数の業者の料金や提供されるサービスを比較し、適切なコストとバランスの取れたサービスを提供している業者を選ぶことが望ましいです。

信頼性と信用:業者の信頼性や信用度も重要な要素です。業者の信頼性を確認するために、過去の取引や顧客のフィードバックを調査することが役立ちます。

これらの要素を考慮しながら、輸入業者のニーズや要件に合った信頼性の高い通関業者を選ぶことが重要です。事前の調査や比較を行い、複数の業者との面談やコミュニケーションを通じて適切な業者を選ぶことをお勧めします。

梱包や倉庫業は、輸送や貨物保管に欠かせない重要な業種です。

梱包業は、貨物を輸送するために必要な適切な包装を提供する業界です。梱包業者は、貨物の性質や目的に応じて、最適な包装材料を選択し、貨物を丁寧に包装します。また、輸送中の振動や衝撃に対する保護、荷崩れ防止などの梱包技術も提供します。

倉庫業は、貨物の保管・管理・荷役を行う業界です。倉庫業者は、貨物の受け取りから保管、出荷までの一連の作業を行います。倉庫業者は、貨物の管理・保管方法に関する専門的な知識や技術を持ち、貨物の種類に応じて、適切な保管環境や保管方法を提供します。また、貨物の受け渡しや荷役作業も行います。

梱包業や倉庫業は、輸送や貨物保管において欠かせない業種であり、貨物の安全性や品質を確保するために重要な役割を担っています。貨物の取り扱いには専門的な知識と技術が必要であり、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

e-mailで輸出規制違反!?

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輸出規制というと、その代名詞なるものは「外国為替及び外国貿易法」略して「外為法」になります。更に、その外為法を実行するためのルールとなるのが外為法の政令「輸出貿易管理令」と「外国為替管理令」です。これらもそれぞれ略して、「輸出令」または「貿管令」、「外国為替令」または「外為令」と呼ばれています。「輸出令」は貨物への輸出規制、「外為令」は技術や役務への輸出規制です。

「輸出令」という法令があること、その法令が輸出規制として大事であって主なるものであることは、普段、輸出を行なっているメーカー等の企業に知られていても、「外為令」の方は意外にも知られておらず、ノーチェックだったりすることがあります。

「センサー」は、自動ドア、スマホ、家電、自動車、カメラ、照明器具や防犯機器など、いろんな所で身近なものに使われています。そのセンサーの設計図や仕様書、マニュアルなどのデータを外国の取引先の会社や個人へeメールに添付して送ったり、あるいはFAXで送っても、実は輸出規制の対象になる事があるんです。

何故なら、これら設計図、仕様書、マニュアル、プログラムなどは技術的な資料、情報であり、「外為令」が規制する技術に当たるからです。PDFなどのデータ(またはデータを保存したUSBメモリー等の記録媒体)でも、手書き、あるいは印刷やコピーされた紙でも設計図等の技術的資料や情報は「外為令」が規制する技術の対象になります。

「外為令」が規制するものに、もうひとつ、役務がありますが、役務とは、他人のために行う労働やサービスのことです。同じくセンサーを例にとると、センサーの製造方法や組み立て方、使い方などを外国へ行って人に教えたりすることなどが役務に当たります。そして「外為令」が規制する役務の対象になります。

外国へ向けて送ろうしている仕様データは何の仕様データ?外国で教えようとしている製造方法は何の製造方法?その「何」の部分、つまり技術や役務の対象物が「輸出令」(別表第1)で規制する対象物であるときに、「外為令」別表でも規制する対象物となるというわけです。

仕様データを送ろうとしている物品、製造方法を教えようとしている物品が、兵器や兵器に使用できる部品や材料にならないか、更に細かく言うと、国(経済産業省令)が定めた仕様(スペック)に当てはまらないか確認(該非判定)をする必要があり、当てはまる(該当)物品の時は経済産業省へ輸出許可申請をし、経済産業大臣の許可を得ないと、その物品のデータや情報をeメールやFAXで送ったり、外国で人に教えたりはできないのです。

更に注意しなければいけないのは、日本国内であっても、日本に住所を持たない人(非居住者)に製造方法等技術情報を教える場合には、前述の確認や申請、許可が必要になることもあるのです。

「輸出しているわけではないのに、なぜ輸出規制に引っかかるの?」と疑問に思われる人もいることでしょう。それは兵器や兵器の部品、材料、あるいはそれらに転用できる貨物(物品)を設計、製造、使用するための情報(データ)を教えてもらった人が住んでいる国へ帰国することで日本の国外へ出すことになるからです。

簡単にまとめると、このように国外へ出そうする、出すことになる「輸出令」(別表第1)の対象貨物を設計、製造、使用するための情報(あるいはデータ)は、「外為令」の対象になるということです。

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2022/06/18
くらしと貿易と通関と
Kyō

陸の貿易港インランド・デポ

インランドデポの風景

輸出入、貿易が行われている場所というと、真っ先に海、港を思い浮かべないですか?

ところが、内陸でも貿易は行われています。内陸にある、例えば成田のような空港、いやいや、そこで確かに貿易は行われていますが、空港だけではありません。それ以外にも、内陸で輸出や輸入が行われている場所があるんです。それが内陸の港「インランド・デポ」です。

インランド・デポ:Inland Depotは直訳すると「内陸の倉庫」、荷積み荷下ろしのできる土地や輸出入貨物を入れる保税地域の倉庫(保税蔵置場)を有し、官民の第三セクター経営、あるいは倉庫、運送業等と通関業を兼業する民間企業経営による内陸地での輸出入通関機能をもつ物流拠点のことです。そして、その中に税関を誘致、あるいは近くに税関があることが多いです。

インランド・デポでは、貨物の積み下ろし、梱包、保管、通関、貨物の集荷、配送などが行なわれ、保税地域のため通関料や輸出通関後の貨物と輸入通関前の貨物に行った作業費等には消費税の税金がかかりません。保税地域の「保税」とは、「税の留保」、「税を徴収しない状態を保つ」という意味です。

インランド・デポを利用する場合、その内陸の保税地域という特徴から、輸入よりも輸出の方がメリットが多く生まれます。

輸出しようとする貨物をインランド・デポへ集約し、必要があれば、例えば段ボール詰めしたものをいくつかまとめてパレット梱包にするなど梱包作業をしてもらうこともでき、通関については税関検査になっても、税関指定の検査場へ貨物移動することなく、ほぼインランド・デポ内で対応でき、移動するための運送費や積み下ろし作業費などがカットでき、時間的にもコスト的にも速く安く済みます。通関後は、トラックあるいはコンテナに貨物を積み、貿易ができる空港や港(開港)へ運び、外国へ向けて航空機や船舶へ積み込むわけですが、その運送費に関しても保税運送になるため、運送費にかかる消費税がかかりません。

仮に1回の運送費が5万円だとします。普通であれば、その運送費にかかる消費税は2022年現在、10%ですから5千円ということになります。月に10回あれば月5万円、それが年間になれば60万円、節税になり消費税を負担しなくていいわけです。それを大きな効果、メリットと感じる、感じないかは、輸出を行っている企業次第かもしれませんが、どうでしょうか?

ところで、通関士試験の受験生をはじめ、通関業者に就転職を考えている皆さんも、就転職先となる通関業者は、空港や港の近くにしかないと考えている人もいると思います。確かに空港や港の近くには、いくつもの通関業者があります。しかし、比べればそれほど多くないにしても内陸にも通関業者があることを知っておくと就転職先の選択範囲が広がります。意外にも、今住んでいる市町村、あるいは近くにインランド・デポがあるかもしれません。

今、インランド・デポへの貨物の集荷、インランド・デポから空港、港への運送は、陸路中心でトラックやトレーラーヘッドによるコンテナけん引が主ですが、混雑、待機時間等が問題になっています。さほど多くない量の貨物であれば、大型ドローンで運ぶ時代は、そう遠くない未来かもしれません。

2022/05/30
くらしと貿易と通関と
Kyō

貿易になくてはならないHSコード

貿易に必要なHSコード

日本でも他の国々でも、私たちのくらしに必要なモノあるいはそのモノを作る為の原材料を輸出入するときには、必ず通関(税関へ申告し税関から許可を得ること)が行われます。その通関に最も重要で不可欠なのが「HSコード」です。

HSはHarmonized Commodity Description and Coding System(国際統一商品分類システム)のHarmonizedとSystemの頭文字で、このシステムで使用するコードがHSコードになります。「関税協力理事会」略称CCC(Customs Co-operation CounCil)が開発し、1994年以降は「世界税関機構」略称WCO(World Customs Organization)という組織となって管理しています。

HSコードは1988年発効となった「商品の名称及び分類 についての統一システムに関する国際条約」(通称HS条約)のもとに締約国の間で定められ、できてからまだ歴史は浅く2022年現在で30年余りです。それはモノのコード化や管理等を行う手段であるコンピュータの登場、普及の歴史と重なります。日本はWCOへ1964年加盟、2021年4月現在で締約国は160ヵ国・地域になり、それらの国・地域を含めHSコードを適用しているのは212ヵ国・地域になります。

英語が世界共通の国際語であるように、HSコードは貿易で流通するモノを表す輸出入共通、世界共通の6桁の国際数字です。日本では、その数字の上2桁を類、上4桁を項、全6桁=HSコードを号と呼び、HSコードの後に細分番号と呼ぶ3桁の数字を続け、更にその後に「NACCS」というシステムで税関へ輸出入申告を行うためにNACCS用の数字(アルファベット)を10桁目に続け、合計9桁あるいは10桁で種々のモノを表し、税関への輸出入申告書へ数量と共に記載することにより、月間、年間でどこへ、どこからどんなものをどれだけ輸出入したか額・量を統計をとるためのコードでもあります。

類は大きいグループ分け、項、号、細分番号(NACCS用番号)を含めた9桁(10桁)と順に桁数が増えるにつれ、より細かく小さなグループ分けという構成になっています。HSコードの後に続ける、日本で細分番号と呼んでいる3桁の数字は、それぞれ各締約国で決めてよいことになっているため、例え全く同じモノであっても、日本と一致する数字配列にはなりません。

一見、HS条約付属書をもとに作られたコード表(日本では輸出:「輸出統計品目表」、輸入:「実行関税率表」)から輸出、輸入するモノをHSコード(あるいは細分番号、NACCS用数字を含めた9桁・10桁の数字)に当てはめることは容易に見えます。確かに、そのモノがズバリHSコードになっていることもあります。しかし、一つのモノに対して一つのHSコードが対応しているわけではなく、モノというのは日本だけでも、ましてや世界中を見渡せば、いろいろなモノが数限りなく数多に溢れています。

それを6桁あるいは9、10桁の数字に当てはめることは商品知識や専門的知識・経験を要し、至難の業です。それに輸入するモノについては、コードにより関税率も違い、そのコードを誤ってしまうと、関税率が違うばかりか、有税のモノを無税のモノのコードにしてしまうと加算税徴収ということにもなりかねません。だから輸入者から委託されて税関へ申告する通関士は、慎重にも慎重を重ねて、コードを検討し、「関税率表解説」という他の資料などで裏付け(確認)し申告を行います。

HSコードはWCOにて5年に一度見直されるのですが、通関現場に身をおく者としては、日進月歩で技術が進化する中で新しい素材、新しいモノが次々と生まれているのに5年に一度の見直しではHSコードは追いついてないというのが実感です。

通関士は、輸入を行う顧客から輸入しようとするモノに関するHSコードとその関税率の問い合せをよく受けます。問合せは日本での販売やその価格などを検討するためです。その問合せに対して回答を導き出す労作は無償サービスが習慣のようになっています。HSコードを決める事は税関へ提出する申告書において最も重要で、難しく、神経を使う作業です。その労作がそれ相応に適切な評価を受けられないのは、長年に渡り通関士をやっていて異様で、正当に評価される時代が来ることを望まずにはいられません。

2022/05/18
くらしと貿易と通関と
Kyō

輸出入通関現場からみた上海ロックダウン

ロックダウン中の上海

「世界最大のコンテナ取扱量がある上海港の機能低下は深刻(中略)上海港の取扱量は通常より40%減少しているとの試算」と2022年4月9日、読売新聞朝刊は報じました。

筆者が通関士として勤める輸入の通関現場では、これまで上海港からの輸入貨物は、貨物を積んだ船が予定より2~3日程度遅れ日本の港へ到着するというような傾向であったのが、4月2週目後半以降に中国から日本へ到着する貨物あたりから、いつもの輸入者のいつもの輸入貨物が上海港ではなく寧波(Ningbo)港から積まれてくるようになり、取扱件数も40%どころか、それ以上減少しています。

中国から原材料、自動車などの部品、その他いろいろな製品におよび輸入し難くなっており、日本から中国への輸出においても、日本で通関、輸出し、上海港まで着いたものの、そこから先どうなるか分からない状況です。

更には2022年1月1日より発効したRCEP(中国はじめ東南アジア諸国等14ヵ国との自由貿易協定)の「原産地証明書」発給も受けられず、原産地証明書なしの輸入申告という現象も生じています。特にRCEPにおいては、中国からの輸入品に関し4月1日より僅かながらも2段階目の関税引下げが行なわれたばかりで、早速その恩恵が受けられなくなってしまっています。

更に円安傾向も手伝い、日本にとって一番の貿易相手国である中国からの輸入品を安く仕入れることができなくなっています。そのことは一部のものにおいて値上がりが続出している昨今、更なる値上がりを引き起こす要因にもなり、まだ値上げをしていない物にまで値上がりを広げることにもなりかねません。

このままでは、一部のもので値上がり続出の日本では、物価を下げる要素が見つかりません。そしてこれらの動向は、日本のくらし、経済に大きなダメージを与えることは間違いありません。中国と貿易している他の国でも同様のことが言えます。ロックダウンしている上海港の機能低下を補うため、上海港に代わって、寧波等他の港や空港から輸出するような傾向がみられますが、その寧波等他の(空)港でも、コロナ感染者が出て増加すれば、いつどうなるか分からない状況です。

国際物流は、工場等から(空)港への、あるいは(空)港から目的地までの運搬、(空)港での荷役(船・航空機、コンテナ、トラックから、あるいは船・航空機、コンテナ、トラックへの貨物の積み下ろし)、(空)港施設での貨物の出し入れ、保管、梱包、通関、そして搬出入や在庫管理、伝票発行の事務処理など、どこが欠けても成り立ちません。

例えば通関業者や港の施設等が機能していて通関、荷役や保管などができても、コンテナを運ぶ運送会社が全て閉鎖されていたら物流はストップします。中国でのコロナ感染が収束するか、あるいは中国の「ゼロコロナ」政策が大きく方向転換されない限り、国際物流の不安定は続くことになります。しかし現状では、どちらも期待できません。そうであれば、すでに早い段階で対策している企業もありますが、中国と貿易を行なっている日本の企業が、輸入しようとするときに中国ではない他の国で調達先を探し、前述の原材料、自動車などの部品、その他いろいろな製品について1日でも早く物流の大幅な見直しをしなければなりません。

その見直しができるかできないかで、日本での生産・製造停止、更には業績悪化、ひどい場合は倒産、そしてますますの物価上昇、私たちのくらしにも大きな影響を与えるか否か決まってきます。

それほど、中国という国が、日本にとって、世界にとって、いまや強大な力を持つ、そして大きな影響を与える大国のひとつとなったということに改めて気付かされずにはいられません。

2022/04/13
くらしと貿易と通関と
Kyō

輸出入と「食の安全」

輸入食品の代表バナナ

輸入した食品を食べたら、病気になってしまったり、ときに命を落としてしまうことになったとしたらどうでしょう?それは誰が考えても嫌ですよね。だから、食品を外国から輸入しようとするとき、なんでもかんでも輸入できるわけではありません。

病気、ましてや命を落とすようなことにならないために、日本では輸入する食品を「食品衛生法」で規制し、出張所を含め各港や空港110ヶ所に検疫所を置き、目を光らせています。

規制の対象は、全ての飲食物、それらに使われる添加物、包装や容器、コップや箸などの器具、乳幼児向けのおもちゃです。これらを輸入するときには、それぞれのものに各々定めた有害物質(鉛やヒ素など)が、定めた試験法によりどのくらい溶け出すのか、どのくらい含まれるのか、溶け出した量などが基準値以下であることを証明する「試験成績書」等を提出のうえ、税関への輸入申告前あるいは輸入申告と同時進行で「食品等輸入届出(略称:食品届)」を検疫所へ行なう必要があります。検疫所は審査、場合によっては検査をし、問題ないと判断すれば「食品等輸入届出済証」を発行します。

本来なら食品届は輸入申告前に行ない、済証が発行されてから輸入申告を行なうのがベストです。というのは、検疫所の審査、検査の結果、有害物質が基準値を超えているということになると、済証は発行されないばかりか輸入できません。税関へ輸入申告してしまっていると、済証が発行されないので税関は輸入を許可せず、その申告は無駄になってしまうからです。

更に「食品届」を行なう前に、穀類、豆類、果物野菜などは病害虫の侵入を防ぐため「植物防疫法」という規制、肉や肉製品は伝染病侵入を防ぐため「家畜伝染病予防法」という規制があり、それぞれ植物防疫所、動物検疫所により審査、検査を受ける必要があります。病害虫、伝染病が発見されれば輸入できません。

こうして輸入に頼らざるを得ない島国・日本の食の安全は守られています。

一方、日本から外国へ食品を輸出しようとするときはどうでしょう。

「食品衛生法」による規制、加えて他の規制もなく税関へ輸出申告することができます。問題は、輸出先である相手国の規制です。日本が輸入するときに「食品衛生法」のような規制を設けているように、相手国でも外国から輸入するときには規制をかけ、食の安全を守っています。

輸出先相手国の規制に基づく求めに応じて、「輸出検疫証明書」、「産地証明書」、「放射性物質検査証明書」などが、輸出先相手国での輸入通関時に必要になります。どんな「証明書」が必要になるかは、相手国や輸出するものによりまちまちです。事前に何が必要か貿易相手等に確認しておかなければなりません。必要な「証明書」が分かったら「地方農政局」等(申請先も事前に調べておく必要あり)へ申請し「証明書」の発行を受け、税関へ提出・提示する必要はありませんが、日本での輸出通関前に用意しておく必要があります。

2011年3月11日の東日本大震災で起きた原発事故により、55の国・地域が、日本から輸出される食品に対し禁輸(輸入禁止)や輸入規制を設けました。およそ11年が経過した2022年2月21日、ようやく近隣国・台湾が福島をはじめ栃木、群馬、茨城、千葉5県の生産・加工食品の禁輸を解除しましたが、韓国、中国、香港、マカオの4ヵ国・地域が禁輸措置、インドネシア、EUなど9ヵ国・地域が条件付き限定規制をいまだに設けています。

11年経っても13の国・地域が禁輸あるいは輸入規制をかけているんです。これらの国・地域へ食品を輸出しようとするときは、「産地証明書」や「放射性物質検査証明書」が必要になります。禁輸といっても、日本の全食品が対象ではなく産地や品目によっては、これら「証明書」があれば輸出が可能です。

日本の食文化のひとつ、日本酒の輸出が好調で伸びています。1日もはやく、日本の「食の安全」が諸外国で認められ、これぞMADE IN JAPANという食品、食文化が世界へ向け発信され広まることを望むばかりです。

2022/04/09
くらしと貿易と通関と
Kyō

「RCEP」コロナへの経済ワクチンになるか?!

地域的な包括的経済連携、RCEP

2022年1月1日午前0時。日本にとって20番目、最大、最強、最得のヒト・モノ・カネ・情報の流れを生み出す可能性を秘めた他国との協定スタート!その協定の名はThe Regional Comprehensive Economic Partnership(地域的な包括的経済連携)、その頭文字をとって「RCEP」。
 
まずは中国、タイ、カンボジア、ラオス、ベトナム、ブルネイ、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドと日本の10ヵ国が、同年2月1日からは韓国が、3月18日からはマレーシアが、その後インドネシア、フィリピン、ミャンマー3カ国が参加、全15ヵ国の経済のつながりです。
 
これら15ヵ国の経済圏は、全世界の人口、GDP(国内総生産)、貿易総額(輸出)の約3割の規模です。日本の輸出貿易額の約4割、輸入貿易額の約5割が、他14ヵ国との貿易で成り立っています。ましてや、アメリカを抜き2007年から最大の貿易相手国となった中国、意外にも長い間3番目の貿易相手国をキープしている韓国との初めての経済協定です。それだけ、日本がRCEPの参加国の一員となったことは、日本の貿易、経済、くらしに良い方向で大きな影響を与えることになるでしょう。
 
参加国間では、すぐにも関税をなくすか、あるいは関税率を少しずつ下げ、最長でも21年目に関税をなくすことになります。但し、全てのモノに対し無条件に関税をなくすということではありません。各国とも関税をなくすと、なくしたモノに関しては輸入が増え、安価な為に、その国で作られ売られている同様のモノは売れなくなり、メーカーや販売の会社、個人にとっては、経営、生活が成り立たなくなることにもなりかねません。

そうした事態を避けるため、そうなっては困る一部のモノに関しては、関税をなくす品目から各国交渉して除外します。日本では、米、麦、牛・豚肉、乳製品、さとうきびなどの甘味資源作物の輸入5品目を除外していて、中国からの輸入品に関しては鶏肉加工品、たまねぎ、冷凍ブロッコリーなどの野菜等も除外しています。
 
日本の関税撤廃率(全品目に対する関税をなくす品目の割合)は、輸出83~100%、輸入81~88%です。つまり日本から輸出するモノには関税がなくなるか、かかりにくくなり、日本へ輸入するモノには一部関税をかけ続けられ、日本に有利で日本が最も得をする内容になっています。
 
関税が10%かかる1個1万円のモノを100個、全100万円で輸入するとします。その時、関税は10万円、1個あたり千円となり、輸入通関後、国内の販売価格は、当然、関税10万円を含め上乗せされた価格になります。つまり単純には、私たち消費者は、そのモノを1個買うと関税分千円を支払っているわけです。しかし、そのモノの関税が0になったらどうでしょう。輸入者は10%オフで輸入することができ、私たち消費者も1個買うのに、少なくとも千円安く買うことができます。
 
昨今、牛丼、小麦粉、パン、ジャム、醤油、チーズなどの乳製品、マヨネーズ、ドレッシング、ティッシュペーパーなどなど、値上げをメーカー等々が次々発表しています。
 
その中の一つ、牛丼を例にあげると、材料の牛肉を、日本は輸入に頼っていながらも関税削減・撤廃品から除外しています。更にコロナ感染が原因となり、輸入相手国では生産工場や運送会社の稼働低下、働き手、運転手がいない、少ないことによる品薄、物流ストップなどが起き、追い打ちをかけ、牛肉の値上がりを招いています。
 
こうした新型コロナがもたらした、一部のモノの値上がり、経済の停滞・不調に対して、関税削減・撤廃をもとに「RCEP」が、経済ワクチンとして、どれだけ多くのモノにわたり輸入品の価格を下げ、更には貿易、経済を活発、元気にできるのか、その効果に乞うご期待!!

2022/03/21
くらしと貿易と通関と
Kyō

貿易のクロコ

横浜税関クイーンの塔と横浜港

前回のコラムで「通関」という言葉、そしてその意味、知ってもらえたでしょうか?

「通関」:税「関」へ物を「通」す手続き、税関へ輸出や輸入の申告ができるのは、日本から海外へ物を出す(売る)、または海外から日本へ物を入れる(買う)当事者、つまり輸出者または輸入者である個人や法人(会社)です。

それと、輸出者または輸入者である個人や法人から代理申告を委ねられた通関業者に勤める「通関士」です。

輸出入者である個人が、直接、税関へ輸出入の申告をして税関から許可を得るまでの手続きをすることは「個人通関」といい、輸出入者である法人(会社)が、直接、税関へ輸出入の申告をして税関から許可を得るまでの手続きをすることは「自社通関」といいます。

輸出入の当事者自らが税関へ申告(申告書作成)できるのであれば、「通関業者」という代理人を立てることなく、通関手続きを行なうことは全く問題ありません。

ときに「通関業者」に勤める人、あるいは通関士であっても、税関へ輸出入申告できるのは「通関業者(通関士)」だけと思いこんでいる人がいますが、それは違います。以前勤めていた名の知られている通関業者の営業所長は、「嘘だろう!」と驚き、その事を知らないばかりか疑っていました。こちらの方が大いに驚きました。

では何故、輸出入者である個人、特に法人(会社)が、直接、税関へ輸出入申告しないのでしょうか?あるいはできないのでしょうか?

それは、税関へ提出する輸出入申告書に記入しなければならない「品目番号」(輸出・輸入する物をコード化したもの、その上6桁はHSコードという)を決めるための知識や技術、輸出入を規制する関税法をはじめとする数々の法令知識などを備えていないからです。

それから、輸出入しようとする物は、コンテナヤードなどの「保税地域」という場所に入れなければならないのですが、その「保税地域」への物の出し入れなどにかかる方法や手続きを知らない、トラックなどの運搬手段を持たないからです。

そこで輸出入者は、専門の知識、技術、手段などを持つ通関業者へ輸出入申告の代理を委ねることになります。そして委ねられた通関業者で税関への輸出入申告を行なうのが、その通関業者に勤める通関士です。

「通関士」とは、通関士試験に合格し、通関業者に勤め、その通関業者が税関へ申請し、通関業務の経験や資質などから通関士の職に就けても問題ないと税関から確認を受けた者をいいます。通関士試験に合格しただけでは「通関士」と名乗ることはできず、名刺などに「通関士」と記載もできません。「通関士有資格者」とすべきです。

全ての物を自給自足することができない島国・日本で、くらしに不可欠なモノは物流、ひいては国際物流に支えられ、今、そこに、あなたのそばにあります。

野菜や果物、飲料水、靴や衣服、洗剤などの生活必需品、プレハブ住宅、家具やインテリア、家電、自動車などなど、いろいろな物が輸入、輸出され、くらしが成り立っています。

その輸入や輸出には、必ず「通関」が行なわれています。

例えば千種類の違う商品を1回で輸入するのなら、通関士は各商品への輸入規制はあるか、規制のもとで輸入できる条件を満たしているか確認、更にひとつひとつの商品をコード化、つまり千の「品目番号」を探し充てがい、輸入申告書を作成します。

普通に作っていたら、たった1件の申告書なのに半日~1日がかりの大仕事です。しかし、そんなに時間をかけられないのが現実です。他にも申告すべきものが山ほどあるからです。

「通関」という言葉と同じく、広く人に知られることなく、表舞台に立つこともなく、コツコツと地道に、時間に追われながらも1件1件の申告書を作り、貿易の主役である輸出入者に代わり税関へ輸出入申告を行なっているのが、貿易のクロコ「通関士」です。

あなたが今調理に使っているイタリア産のオリーブオイル、あなたが今着ている中国産のシャツ。知って下さい、それはどこかの誰か、貿易のクロコ「通関士」が通関したモノに他ならないことを。

2022/03/01
くらしと貿易と通関と
Kyō

通関ということ

箱根の関所は今日の通関

「通関」という言葉、知っていますか?

もちろん、通関業者に勤めている人、商社のような貿易に携わっている人、輸出入を行っているメーカーや仕入れ・販売の会社に勤めている人は知っていることでしょう。しかし、これから輸出入を始めようとする人、ましてやその他の一般の人たちには、「通関」という言葉は、「それって何?」と思わず口にしてしまう馴染みのうすい、耳慣れない言葉でしょう。

昔の話ですが、とある通関業者へ就職し念願の通関士になって間もなく、倉庫の作業員の人から「税関士」と言われショックを受けたのを覚えています。実際、「通関」という言葉は、新聞などで貿易に関する報道があったときに、貿易の額や量の数字を示しているところに「通関ベース」などと、ひっそりとその言葉が添えられている程度です。ややもすると見逃してしまいます。

因みに「通関ベース」とは、通関業者などが税関へ輸入または輸出申告した申告価格や数量のデータを元にしているという意味で、それらのデータを財務省・関税局というところが輸出入別、国別、月別、年別にまとめ統計をとっています。

今となっては歴史上の言葉「関所」。その代表として箱根関所はとても有名ですね。街道の要所や国境に置かれ通行する人や荷物を調べ、通行料(税)をとり、江戸時代には「入鉄砲に出女」と言われたように、武器や幕府への反乱をふせぎ幕府を守るため人質として住まわせた西国大名の妻子が江戸から出ることを取り締まっていました。

「関所」と呼ばれる場所は現在ではなくなったものの、人が口に入れるもの・食の関所「検疫所」、ペットや畜産物、水産物の動物の関所「動物検疫所」、植物の関所「植物防疫所」という人や動植物、そしてそれらを含めた環境に有害な物質、病気や害虫などが海外から日本に入らないよう、日本から海外へ出ないよう、常に目を光らせ取り締まっている、「関所」という名前こそついてないですが、現代の関所があります。

そして、海外から物が入るとき「関税」をとり(実際には徴収されない物もありますが)、「黒いもの」(拳銃など)や「白いもの」(大麻、覚せい剤など)が海外から日本へ入らないよう、日本から海外へ出ないよう、関税など「税」を徴収し、武器などを取り締まる「関」所である「税関」があります。まさに「税関」は、江戸時代の「関所」のようです。

こうして、人や物が、海外から日本へ入るとき、日本から海外へ出るとき、通るのが現代の「関所」の役割をはたす税関です。

平たく言えば、人や物が税「関」を「通」る、人や物を税「関」に「通」すことが「通関」ということです。

海外旅行へ行くとき、海外旅行から帰ってきたとき、空港で税関に荷物チェック、ときにボディチェックを受け、「何か申告するものはありますか?」、「いいえ、ありません。」などとのやり取り、実はそれも「通関」です。しかし、ほとんどの人は、そうとは思っていないことでしょう。

海外から日本へ、日本から海外へ、物を入れ、物を出すときに税関へ輸入や輸出の申告をして、税関の審査や検査を経て(輸入のときは必要な関税や消費税などを支払い)、税関から許可を受けるまでを「通関」といいます。

今、あなたが飲んでいるビール、着ている服、乗っている自動車、外国製だったら、必ず「通関」されています。くらしに必要な物がそろい、安全にくらしていけるのも、検疫所などと合わせ「税関」という関所があって、そこで働く人たちが真剣に取り締まってくれているおかげです。そう思えば、海外旅行のとき空港で列をなして待たされるのも仕方ないと思いませんか?

2022/01/26
くらしと貿易と通関と
Kyō