アカウントについての貿易用語解説。貿易実務の情報サイト 「らくらく貿易」。|アカウント 貿易用語集

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あかうんと・アカウント 

本来の意味は、数や金銭を数えることであるが、外為では口座の意味合いが強くなっている。

「勘定≒Account≒口座」の関係と言える。

金融機関から見れば顧客口座ももちろん、金融機関相互の口座、すなわち自行への相手名義口座の受入や、自行名義の口座を相手金融機関に設けるものもAccount。

双方が開設する場合と片方のみ開設する場合、場合によっては双方ともに開設しない場合がある。Account開設により円滑な資金決済が図られることになる。

ワンポイント:
顧客利便性や相手金融機関との取引円滑化を考えれば、取引相手の金融機関すべてに勘定を持つというのは、良い事であるが、資金の効率性の観点から無理な場合が多い。

コルレス契約=勘定ありと書かれている資料もあるが、むしろ勘定を持たないコルレス契約先の方が多い。実のところ金融機関が海外に持つAccountは意外なほど少ない。

USDやEURのような基軸通貨以外の通貨で、海外取引(特に仕向送金)を依頼しても、メガバンクからでも取引を断られる場合がある。これはAccountがないので資金受け渡しができず、やむなく取引を謝絶するというのが本当のところであろう。

あぷり・アプリ

Application
「アプリケーション」とか「アプリケ」、或は「アプリ」というが、この中ではアプリが一番よく用いられる。「送金のアプリ」とか「輸出買取のアプリ」という具合。

銀行への提出書類で依頼書のこと。

ものごとを頼むときに提出する書類。金融機関取引では、予めフォームが決められている場合が多い。

ワンポイント:
金融機関への提出書類には、予め届け出た印鑑や署名を求められる。

無権代理や表見代理を防ぐためであるが、印鑑はともかく、サインでの取引は長年の取引の間に、いつの間にか当初のものとは、全然別物になったということがよくある。

日本人はサインする習慣がないので、このような場合に備えて、適宜サイン届を変更するなり、すでに届けたサインを、時々確認するなりしたほうが良い。

トラブルが発生したとき、印影相違やサイン相違となると、依頼書の効力そのものが、大きく揺らぐことになる。

あどばんす・アドバンス

外為実務用語。

代金決済方法の用語。前払金のこと。英語ではAdvanceまたはAdvance payment

貨物あるいは役務等を受ける前に代金を支払うこと。前渡金と同義であり、後払い金の反対概念。

前払金は輸出者有利な条件のため、取引開始時に輸出者が必ず要求する条件となる。しかし全額前払金となるのはまれで、多くの場合は手付金相当額(契約金額の10%程度)を前払金とし、残額をその他の方法(たとえば信用状取引)とすることになる。

ワンポイント:
輸入側にとって前払金支払いは常にリスクを伴うため、大変に頭が痛い条件となる。NEXI(日本貿易保険)では「輸入前払保険」を設けており、このリスク回避のため導入を検討するのは良い方法であろう。

あんちまねーろんだりんぐ・アンチマネーロンダリング

Anti-money laundering
アンチ・マネーロンダリングとは資金洗浄取引対策のこと。
AMLと略す。

マネーロンダリングは資金洗浄取引とも呼ばれ、犯罪収益やテロ資金を正常資金と見せようとする取引。この取引を排除し、正常な経済活動を守るための対策をAMLと呼ぶ。

AMLの対象は上記資金のみならず、不自然な取引や振り込め詐欺などの不正口座取引、融資詐欺など広範囲にわたる。

金融機関取引すべてが対象と言っても過言ではない。国際的に重要性が高まっており、金融庁では犯罪収益移転防止法(犯収法)の改正や、金融機関への対応強化を促すなどマネーロンダリングへの対策が取られている。

ワンポイント:
AMLにおいて重要なことは、取引当事者の実在性・正当性、個々の取引における商品や役務の実在性・正当性。

何れにしても最終責任は、取引を金融機関に依頼したものが負っており、その対策には十二分に錬る必要がある。

あくせぷたんす・アクセプタンス

貿易資金決済に関連した用語。
Acceptance L/Cのこと。信用状(L/C)取引の一種。

あらかじめ信用状条件で、期限付き荷為替手形の振出を定めておく。信用状発行銀行には、信用状条件に一致した期限付き荷為替手形・船積書類が提示される。信用状発行銀行は、手形代り金を手形満期日に支払うことを確約したうえで、船積書類は輸入者に引き渡す。

この手形行為を引受という。

一覧払いと異なり、輸入者側では手形満期日まで資金決済が不要のため、資金繰りをつけやすい利点がある。

ワンポイント:
輸出者にとって満期日まで代金回収が行えないため、積極的に対応する場合は少ない。

しかし満期日までの利息を輸入者が負担し、信用状発行銀行が一覧で支払いを約束した場合は、実質一覧払い(a/s)として扱われるため、韓国向け輸出などで利用される場合がある。

あめんど・アメンド

貿易資金決済に関連した用語。
信用状の条件変更のこと。
正式には、Amendment

アメンドメントとも言う場合もあるが、外為実務上はアメンドと略す場合がほとんど。

信用状が発行されたのち、輸出者、輸入者いずれかあるいは双方の意思により、その信用状の条件を変更することをいう。

取消不能信用状(Irrevocable L/C)では、信用状条件変更は、開設依頼者、信用状受益者いずれも一方的に訂正・修正を行うことが出来ない。

しかし、原契約との相違や、内容の不備、記載誤り、買取書類作成上の訂正不可能項目等について、修正・訂正を行う必要がある場合、Amendmentを発行することで、必要箇所を修正することが可能である。

なおアメンドが到着した場合は、すべて輸出者側の了解をとりつけるのが原則であるが、実務上は輸出者が明らかに不利となる条件変更(金額の減額、有効期間の短縮など)を除き、輸出者(信用状受益者)の同意を不要とする形式で通知を行っている。

ワンポイント:
輸出者にはアメンドへの同意義務はないので、送られてきたアメンドに同意しないことも可能である。

すでに船積準備済みの場合、同意せずに変更前条件で船積することもよく目にする。

但しこの場合信用状発行銀行は、通常輸入者の意を受けて細かく点検するので、ディスクレ(条件不一致)の申し立てを行い、不渡りとする可能性が高まる。アメンド不同意後の船積は、十分に注意する必要である。

あいどま・アイドマ AIDMA

企業経営のマーケティング戦略に関する用語。アイドマの法則。
Marketing Mixのうちのプロモーション戦略で使われる消費者の心理パターンのこと。

消費者が商品に、
Attention:注目する
Interest:興味を持つ
Desire:欲求する
Memory:記憶する
Action:行動する
の5段階に分析し販売戦略の検討材料にする。「広告宣伝に対する消費者の心理的なプロセス」としてサミュエル・ローランド・ホールが1920年代に発表した。

AIDMAの変形として、記憶し(Memory)を除いた4段階のAIDA分析、記憶し(Memory)でなく確信し(Conviction)として考察するAIDCA分析、AIDA分析に満足(Satisfaction)を加えたAIDAS分析がある。
(Marketing Mix 参照)

あいばん・アイバン IBAN

IBANは、International Bank Account Numberの略。国際決済で使われる決済用語。

最大34ケタの英数文字からなる。国、銀行、口座番号を特定する国際送金などにおいて使用される銀行識別コードのこと。EU全域で使われている。

IBAN採用国への送金にIBANが記入されないと、自動処理できず、到着遅延や追加手数料が発生する確率が高く注意を要する。なお日本はIBANを採用していない。

あば・アバ ABA

American Bankers Association
国際決済で使われる決済用語。

アメリカ国内の銀行用コード。BICコードの米国版。
ABA Routing Number、ABA Numberと呼ばれる。

米国内の銀行ごとに9桁の数が割り当てられている。
(BIC 参照)(IBAN 参照)(SWIFT 参照)

あずあれ・アズアレ

AS ARRANGED
FREIGHT AS ARRANGEDの省略形。
BLまたはAWBに記載される物流用語。手配どおりの運賃の意味。

ワンポイント:
BL(Bill of Lading=船荷証券)またはAWB(Air Waybill=航空貨物運送状)の運賃欄に「AS ARRANGED」と記載する。

実質の契約運賃を取引の相手方や第三者に開示したくない場合にこの表現を用いる。

あげちへんこうりょうきん・アゲチヘンコウリョウキン 揚げ地変更料金

Diversion Charge
海上輸送で発生する物流コスト用語。揚げ地変更料金のこと。

荷主の都合でB/Lに記載されている揚げ地と異なる港に変更する場合の付加料金のこと。
(Bill of Lading 参照)

あいしーしー・アイシーシー I.C.C.

Institute Cargo Clauses
貨物保険用語。協会貨物約款のこと。
貨物保険についてロンドン保険業者協会が定めた代表的な保険引き受け条件のこと。

旧協会貨物約款と、新協会貨物約款がある。どの約款を使用しているか保険証券に記載されている。

新協会貨物約款(ICC2009)ではICC(A)、ICC(B)、ICC(C)、の3種類が基本条件。それぞれ、旧協会貨物約款のオールリスク、分損担保、分損不担保にほぼ相当する。
(Insurance 参照)

あーるせっぷ・アールセップ RCEP

Regional Comprehensive Economic Partnership
地域的な包括的経済連携(RCEP)協定

2022年1月1日発効
発効国(2022年2月現在)
日本、オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、中国、ラオス、ニュージーランド、シンガポール、タイ、ベトナム、韓国
*ミャンマー、フィリピン、マレーシア、インドネシアは未発効

世界のGDP、貿易総額及び人口の約3割、日本の貿易総額のうち約5割を占める地域の経済連携協定である。

対象分野は
物品の貿易・原産地規則・税関手続き及び貿易の円滑化・植物検疫措置・任意規格、強制規格及び適合性評価手続き・貿易上の救済・サービスの貿易・自然人の一時的移動・投資・知的財産・電子商取引・経済技術協力・紛争解決 等

あらいあんす・アライアンス

Alliance
航空用語。航空連合のこと。
複数の航空会社が連携して運行することをいう。同アライアンス間での共同運航やマイレージサービスの相互提携、チェックインカウンターの相互利用などが可能。

【世界3大アライアンス】
スターアライアンス(Star Alliance):全日空、エアカナダ、ルフトハンザドイツ航空、シンガポール航空、etc.
スカイチーム(Skyteam):アエロフロート・ロシア航空、エールフランス、中国東方航空、KLMオランダ航空、etc.
ワンワールド(oneworld):日本航空、アメリカン航空、キャセイパシフィック航空、ブリティッシュエアー、etc.

あいえすえふ・アイエスエフ ISF 米国セキュリティー規則

Import Security Filing
米国向け貨物へのセキュリティー規則のこと。
9.11同時多発テロ事件後、米国政府がテロ防止対策を実施、海運保安法の一環として実施されている最新規則。 

輸出港の本船出港24時間前までに、輸入者から10項目の申告と、船会社から2項目を税関に申告をするため、「10+2ルール」とも言われる。

輸入者が申告する10項目
 ①売主名・住所
 ②買主名・住所
 ③輸入者登録番号
 ④コンサイニー番号
 ⑤製造業者(またはサプライヤー)名・住所
 ⑥配送先
 ⑦原産国
 ⑧商品のHS番号、6桁
 ⑨コンテナ詰込場所
 ⑩混載業者名・住所
船会社から申告する2項目は、
 ①積み付け明細
 ②本船トレース情報

AMS(24時間ルール)は運送人の責任でマニュフェスト情報をCBPに申告するのに対し、ISFは輸入者の責任で申告する。

あいきゅー・アイキュー IQ 輸入割り当て

Import Quota
外国からの輸入品の数量や金額を制限する制度。
農水産物などの特定商品が対象。外国為替法および外国貿易法に基づいた割当制度。

水産物については原則年一回の輸入発表を行い、経済産業省で輸入割当の申請を受け付けている。電子申請可能。

対象品目は
・近海魚(たら、さば、さんま、いわし、あじ等)や水産物などの非自由化品目
・モントリオール議定書附属書に定める規制物質

あっとさいと・アットサイト 一覧払い

At Sight
LC(信用状)に関連した用語。輸出入代金決済方法の一種。一覧払いのこと。

荷為替手形の提示を受けた時点で、直ちに輸入者が代金を支払うため「一覧払い」という。

支払い猶予期間を設定する場合もある。
例:「At 30 Days Sight」という場合は、荷為替手形の提示30日後に輸入者が代金を支払う。

関連貿易用語:
Usance
Bill of Exchange

あふた・アフタ AFTA

ASEAN Free Trade Area
ASEAN Free Trade Area略してAFTA(アフタ)。
ASEAN自由貿易地域のことで、東南アジア10カ国による地域経済協力のこと。

経済協力段階的に関税引き下げを行い、2015年には域内関税率がほぼゼロに引き下げられている。

あんだーらいたー・アンダーライター 保険引受人

Underwriter
保険会社のこと。貨物海上保険で使う独特の英語。
(Insurer 参照)

あせあん・アセアン ASEAN 東南アジア諸国連合

政治・経済の安定、域内経済成長促進を目的として1967年にスタートした地域協力機構。
本部はインドネシアのジャカルタ。人口規模は約6億人。

加盟国:10カ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジア)

設立当初は地域協力機構として比較的緩やかな協力形態であったが、中国やインドなどASEAN諸国を取り巻く環境に対応するため、より強固な共同体への機運が高まった。その結果、「第二ASEAN協和宣言」を採択。2020年までに「安全保障共同体(ASC)」「経済共同体(AEC)」「社会・文化共同体(ASCC)」からなるASEAN共同体を構築することに合意(2015年に前倒し)。

あらいばるのーてぃす・アライバルノーティス

Arrival Notice
貨物到着案内書のこと。
貨物の到着を通知するための書類。
国際運送会社または代理店が貨物の到着を通知するための書類。海上輸送の場合に使われる。

航空貨物の場合は短時間で貨物が到着してしまうので書類発送をしている暇がなくメール・電話で到着案内が行われる。

Arrival NoticeのことをA/Nと省略することが多い。

A/Nには運賃や港での諸費用などの明細が記載されているため、税関への輸入申告に必要な書類となっている。

外為実務では、輸入書類到着時点での輸入地銀行から輸入者へ到着案内をするという意味で用いられる。

関連用語:
Notify Party

あいえすぴーえす・アイエスピーエス ISPS

International Ship and Port Facility Security Code Charge 
港湾施設保安課金のこと。

国際的なセキュリティー条約(SOLAS条約)の発効に伴い、船会社・ターミナルが遵守すべき船舶及び港湾施設の保安強化への諸費用(フェンス増設・ビデオカメラ設置・保安管理者の配備等)の一部を荷主に課金する料金のこと。

あいえる・アイエル I/L

Import License
輸入承認書のこと。

輸入管理令の規定で輸入割り当てや承認を要する貨物を輸入する場合、関連省庁に事前申請を行い、申請が認められ発給される承認書を輸入承認書という。
ワシントン条約附属書掲載動植物や、特定有害廃棄物、化学兵器禁止法関連物質、農薬、水産物の輸入割当、指定された水産物、特定地域からの輸入などが対象。
ILは輸入通関の際に税関に提出。
NACCS貿易管理サブシステムにより電子申請できます。

2020/06/12 更新

あいでぃー・アイディー I/D

Import Declaration
輸入申告・許可通知書のこと。

輸入申告で税関に提出する書類(輸入者名、品目、数量、価格等を記載)。
税関審査後、許可印を押すと、輸入許可通知書となる。

NACCSによる申告の場合、即時許可もしくは審査・検査後に輸入許可書が通関業者の端末に送信されます。

あんだーでっき おんでっき・アンダーデッキ オンデッキ

Under Deck, On Deck
コンテナを搭載するスペース、船倉内(=Under Deck=アンダーデッキ)と甲板上(=On Deck =オンデッキ)とのこと。

ワンポイント:
どちらも支払う海上運賃は同じですので、船会社と運賃契約をする際に、必ず「アンダーデッキ」と指定することをお奨めいたします。