Shipper's usanceについての貿易用語解説。貿易実務の情報サイト 「らくらく貿易」。|Shipper's usance 貿易用語集

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Shipper’s usance

シッパーズ・ユーザンス
外為実務用語。
ユーザンスとは支払い猶予のこと。

一般のユーザンスの主体は金融機関であるのに対して、シッパーズ・ユーザンスは輸出者が主体である点に特徴がある。

猶予期間は輸出入者間の自由な取り決めによるが、船積後あるいは一覧後○○日といった手形を輸出者が振り出して、輸入者がその手形を引き受け、ユーザンス取引成立とする場合が多い。

輸入者は引き受けることにより貨物が引取可能となり、資金は満期日に決済をすればよい。

なお満期日までの金利は輸出者が負担することになるが、特約で輸入者が負担することにすれば、輸出者は実質一覧払と同様に即時に資金回収できることになる。

韓国向けの信用状付輸出手形では、比較的よくみられるパターン。

ワンポイント:
輸入者にとって支払いを待ってもらえるシッパーズ・ユーザンスは、大変ありがたいシステムではあるが、一方輸出者にとっては、金利負担が馬鹿にならないのも事実。

実際の事例では、輸入者の販売代金回収までの全期間に対して、ユーザンスを供与するのではなく、そのうちの一定部分を負担する、といった折衷策がとられている。

Silent Confirm

サイレントコンファーム
L/Cに関連した用語。
確認(Confirm)付信用状の一類型。

確認指図のないL/Cに対して、受益者の依頼に基づいて、他の銀行が確認を加えること。

確認を加えるのは通知銀行でも全くの第三の銀行でもよい。この確認は受益者と確認銀行との特約となるため、当事者以外にはその存在が分からない。よって通常のコンファームと区別する意味でサイレントがつく。

サイレントコンファームでも受益者は、通常のコンファームと変わる事のないメリットを受けられる。そこで債権回収を確実にしたいが、直截に確認を輸入者側に要求すると、相手の不興を買い取引に齟齬をきたす。という恐れがある場合に利用される。

なお、信用状統一規則(UCP600)には、サイレントコンファームに関する明確な規定はないが、第8条の「確認銀行の約束」は、サイレントであっても適用される。

ワンポイント:
サイレントコンファームを、金融機関にいきなり依頼しても、コンファームは信用状発行銀行への与信となるため、余り良い返事がもらえない場合が多い。

ただ、取引相手国に営業拠点を持つ外資系銀行の在日支店は、リスクをとっても取り扱う可能性があるため、邦銀に断わられた時は、一度問い合わせをしてみるとよい。

Swap

金利スワップ
外為実務用語。
デリバティブと呼ばれる金融派生取引の一種。
正式英文名:Interest rate swap

同一通貨間で異なる種類の金利を、取引当事者間で交換(スワップ)する。なお異種通貨間であれば、通貨スワップの範疇となる。

最も多い取引パターンは、固定金利と変動金利(LIBOR、TIBORなど)の交換である。なお金利スワップでは交換するのは金利のみで、元本は交換対象としない。

一つの例として、変動金利で借り入れをしている事業者が、今後は金利が上昇していくと予想しそのヘッジ策として、変動金利による支払を固定金利による支払いにするため、スワップを行うという事例が考えられる。(つまり固定金利になれば、金利が上昇しても、今の水準での利払いを続ければよい)

ワンポイント:
金利スワップは、直接当事者間で行う相対取引のため、自分有利を目論むと、かえって取引条件(具体的には交換比率)が、悪くなってしまうことが多々ある。

有利な条件を望むのであれば、相手にもメリット感があるかどうかがポイントとなる。

Stand -by credit

スタンドバイクレジット
外為実務用語。
金融機関が発行する信用状の一種。

通常の信用状が商品代金に関する支払いの確約を行うのに対して、債務の不履行に対し支払いの確約を行う信用状のこと。呼び名もDocumentary Letter of Credit に対して、Clean Letter of Creditと呼ばれることもある。

主として日本の企業が海外で現地の金融機関から、融資や保証などの与信を受ける際に、自社の信用力を補完する目的で、日本の金融機関に発行を依頼する場合が多い。日本の金融機関は、この依頼を受けて与信を供与する現地の金融機関宛に信用状を発行する。

なおスタンドバイクレジットも、信用状統一規則が適用される点に留意する必要がある。

ワンポイント:
外為実務上は、契約履行保証と区別なく取り上げられる場合が多い。相違点は、信用状統一規則の適用有無と手数料がスタンドバイクレジットは信用状として計算されるのに対して、契約履行保証では、一般の保証と同様に保証料率で計算される点が異なる。

何れが安くなるかは、個々に検証の必要がある。

Stop payment

支払停止
外為実務用語。

何らかの事情により送金依頼人が送金取組銀行に組戻を依頼した場合、依頼を受けた銀行は、支払銀行(送金通知の受取銀行)に対して組戻依頼を発電する。その際に当該資金の支払い手続きそのものも停止するように求める。これを「支払停止」(Stop payment)という。

支払銀行はこのような電文を受領した場合は、直ちに状況を確認し、受取人に対して支払前であれば、支払停止および資金返却措置を取り、送金取組銀行からの依頼にこたえる。すでに支払い済みの場合は、その旨依頼銀行に回答するか、受取人に組戻しに応ずる意思の有無を確認し、その回答を待って組戻しに応じることの可否を回答することになる。

ワンポイント:
送金小切手の場合は、電信送金に比べて時間的に余裕があるので、支払停止はかけやすい。

Shipping Documents

船積書類
貿易資金決済に関連した用語。

船積書類とは、船により輸送される貨物の財産権を表す商用書類を指す。(外為実務では一般的に航空機や陸上輸送の場合も含む)

「商業送り状(invoice)」「船荷証券(B/L)」「保険証券(I/P)」の3つが主要なもので、輸出者が作成・準備し、銀行経由もしくは直接輸入者へ送付し輸出代金を回収する。

ワンポイント:
古くて新しい話題として「船積書類の電子化」がある。全面的に導入されればメリットは大きいと考えられるが、現状は各地域での研究・試行にとどまり、世界的な動きにはなっていない。一つの要因として、有価証券性に問題のある電子化後の船荷証券に対して、銀行が受け入れに難色を示していることが推測される。

Spot Exchange Rate

直物相場
貿易資金決済に関連した用語。
「じきものそうば」と読む。

自国通貨と他国通貨の受渡しが、為替売買契約と同時または数日中(通常は2営業日後まで)に行われるもの。

通常SPOT(スポット)相場あるいは、単にSPOT(スポット)という。

ワンポイント:
「本日の東京外為市場のドル円相場は○○円です。」と報道されるときに、用いられるのは直物相場のレートである。インターバンク・レートとも称されるが、市場参加者以外の者が外為取引を行う場合に適用されるレートとは異なるのが普通である。
(先物相場 参照)

Suspicious Transaction

為替管理に関する用語。疑わしい取引の意味。
金融機関はマネーロンダリング情報を報告するように義務付けられている。
「犯罪による収益の移転防止に関する法律」を参照。

「疑わしい取引」の可能性のある取引を金融機関が報告する。金融機関は取引が「疑わしい取引」に該当するか否かを取引時確認の結果その他の事情を勘案して行うことが求められる。

ワンポイント:
金融機関等には守秘義務が課されており、報告内容は当然であるが、報告しようとしたあるいは報告したということも、当該顧客等や関係者には漏らしてはならないと定められている。

自分たちが知らないうちに「疑わしい取引」扱いされないように、金融機関等からの照会には正確に回答する必要がある。

Sold To

請求先
貿易書類(Invoice)に記載する項目のひとつ。BILL TOともいう。
輸出貨物代金の請求先のこと。
貨物の出荷先と請求先が異なる時に使用する用語。
(Ship To 参照)(Delivery To 参照)

Straight LC

ストレートLC
LC(信用状)に関連した用語。
信用状の一種。
買取銀行を指定したLCのこと。
信用状開設銀行により、荷為替手形の買取銀行を指定された信用状。Restricted LCともいう。
(Restricted LC 参照)

SWIFT

国際銀行間金融通信協会 スイフト
Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunicationの略。
SWIFTコードは国際送金などにおいて使用される銀行識別コードのこと。SWIFTアドレス、BICコードとも呼ばれる。

米国ではABA, EUではIBANと異なるコードが使われているので注意が必要です。

関連用語:
ABA
BIC
IBAN

SDS Safety Data Sheet

安全データシート
製品材質・組成や取り扱い注意事項を記載した書類。
化学製品などの場合、危険品輸送に該当する場合もあり、見積り時や輸送委託時に提示を要求される。

平成24年3月に、従来のJIS Z 7250(「化学物質等安全データシート(MSDS)-内容及び項目の順序」)とJIS Z 7251(「GHS に基づく化学物質等の表示」)を統合してGHSに対応するJIS Z 7253 が制定されたのに伴い、安全データシートの名称も「MSDS」から「SDS」に変更、呼称が統一された。

GHS:「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)」のことで、国連GHS文書を基本とする。

SDSの記載項目
1.化学品及び会社情報
2.危険有害性の要約
3.組成及び成分情報
4.応急措置
5.火災時の措置
6.漏出時の措置
7.取り扱い及び保管上の注意
8.ばく露防止及び保護措置
9.物理的及び科学的性質
10.安定性及び反応性
11.有害性情報
12.環境影響情報
13.廃棄上の注意
14.輸送上の注意
15.適用法令
16.その他の情報

Seal Fee

シールフィー
海運輸送(コンテナ)で使われている物流用語。
正しくは、Container Seal Fee。
コンテナへの積み込みが完了すると金属製のシールでドアを施錠する。この作業料金が荷主に課金されている。

Shoring

ショアリング
海上輸送(コンテナ)で使われる物流用語。
輸送中にコンテナ内の貨物が動かないように、木材や角材などを使って固定すること。

ワイヤーやロープを使って固定することをラッシングという。

Seaway Bill

海上貨物運送状
海上輸送で使われる物流用語。

航空貨物運送状AIR WAYBILLと同じく、貨物の受取証と運送を証明する書類。譲渡可能な船荷証券ではなく、運送を証明する運送状にすぎません。
(Bill of Lading 参照)

Special Repacking Clause

梱包特約保険
貨物保険用語。

貨物海上保険は協会貨物約款(ICC)をベースとしており、ICCでカバーできない損害は、特約を付帯してカバーすることになります。例えば、貨物の梱包は、貨物の一部とはみなされないため、保険対象外です。梱包特約を付帯することで、梱包材料費とその取寄せ運賃及び再梱包作業費をカバーすることが可能になります。
(Insurance 参照)(協会貨物約款ICC 参照)

Special Transit Clause

追加保管特約保険
貨物保険用語。

貨物海上保険は協会貨物約款(ICC)をベースとしており、ICCでカバーできない損害は、特約を付帯してカバーすることになります。例えば、産業機械を中国に輸出した場合で、中国の最終仕向地の指定倉庫にすぐに納品せず、輸入港の倉庫に一旦保管してから買主の指定倉庫に納品する場合。港の倉庫に搬入した時点で保険期間は終了します。

追加保管特約を付帯することで、港の倉庫の保管中及び指定倉庫への納品完了までのリスクをカバーすることが可能になります。
(Insurance 参照)(協会貨物約款ICC 参照)

SCM  Supply Chain Management

サプライチェーン・マネジメント
国際物流用語。略してSCMという。
製造するための資材調達から消費者に製品を届けるまでの業務プロセス全体を最適化するための経営管理手法のこと。

SDN Specially Designated Nationals and Blocked Person

SDNと略す。米国の貿易管理用語。
国連制裁国、米国禁輸国、テロ支援国の政府関係機関、関連企業等の個人・法人のリストで米国財務省が公表する。

日本の場合は、輸出令別表第3の2に、国連の安全保障理事会の決議により武器の輸出が禁止されている国・地域のリストを、輸出令別表第4に懸念国リストとして経済産業省が公表している。

関連用語:
貿易コンプライアンス

国際連合の安全保障理事会決議に基づいて経済制裁が行われているが、この制裁対象となっている国、地域、団体、個人のリスト。

現在のものは財務省のホームページ「経済制裁措置及び対象者リスト」で確認することができる。
https://www.mof.go.jp/international_policy/gaitame_kawase/gaitame/economic_sanctions/list.html

米国では外国資産管理法(Foreign Assets Control Regulations)によりSDN(Specially Designated Nationals and blocked Persons)リストとして公表されている。

米ドル建てで取引を行う場合は、関係者がこのリスト非該当であることを確認する必要がある。

Ship Back

シップバック
物流用語。
積み地に貨物を戻すこと。積戻し。

輸入された貨物が輸入通関・検疫で許可とならない場合や一旦輸入された貨物を補修修理する場合、クレーム返品など、積み地に貨物を戻すことをいう。

シップバックとなった場合、海上運賃や保税倉庫での保管料など費用負担が増えるため、法令や制度等を事前に十分確認する必要がある。

Stern

海運用語。
船体の名称。船尾(とも)のこと。スターン。

Starboard Side

スターボードサイド 右舷
海運用語。
船体の名称。右舷(ウゲン)のこと。船尾から船首方向に見て船の右側。

Port Side(ポートサイド)=左舷(さげん)

Severability Clause

分離可能性条項
契約法務用語。

契約相手国の裁判所が契約中の一部条項が無効または違法と判断した場合でも、その他の条項に影響を及ぼすものではない旨を規定した条項。

SWOT

スウォット分析
企業経営のマーケティング戦略に関する用語。
企業の経営環境を内部要因(自社の強みStrength、弱みWeakness)と将来起こりうる自社の外部環境(機会Opportunity、脅威Threat)にわけて分析し、マーケティング戦略策定に活かす方法のこと。

Stockholm Convention

ストックホルム条約
ダイオキシン類、PCB(ポリ塩化ビフェニル)、DDTなどの残留性有機汚染物質から人の健康と環境を保護することを目的とした国際環境規制条約。

Shipping Advice

船積通知書
輸出実務で使われる書類の一種。
輸出者が輸入者宛てに船積明細を通知する書類のこと。

Shipping Order

船積指図書
輸出実務で使われる書類の一種。
船会社が船長宛てに船積を指図した書類のこと。

Ship To

貨物配達先
貿易書類(Invoice)に記載する項目のひとつ。
DELIVERY TOともいう。輸出貨物の配達先のこと。貨物の請求先と配達先が異なる時に使用する用語。
(Bill To 参照)(Sold To参照)(Sold To参照)

Short Ton ST

ショートトン
重量換算単位の一種で、米トン(907.18474キログラム、2,000ポンド)のこと。STと略す。

関連用語:
MT
LT

Sales Order

販売契約書
輸出者が輸入者に発行する販売契約書のこと。S/O エスオーと略す。

Skid

スキッド
貨物の下に角材などで下駄をはかせた梱包方法。S/Dと省略。

パレッドとスキッドの違いは、パレットには底に板があり、スキッドにはない。そのためスキッドは通称下駄(ゲタ)と呼ばれる。

Shipper

シッパー 発送人
荷送人または荷主のこと。一般的には、輸出者のこと。

Surveyor

サーベイヤー
公的な第三者検査員のこと。
第三者検定機関として海事鑑定業(=クレーム原因調査など)及び国際流通貨物関連の検定業(=貨物数量検定、梱包状況調査など)を通じ、国際貿易の発展等公益を増進することを目的にした社団法人のこと。

ワンポイント:
積込み・荷卸時にサーベイヤーに立会い依頼をすることは有効的なダメージ回避策となります。サーベイヤーによる荷役立会・荷役指導を行った結果、荷役ダメージが大幅に改善した例が多々あります。

Surrender BL

サレンダーBL
引渡し済みBLの意味。
船会社は、BLを発行し、即Originalを回収することで、荷主による裏書や貨物受取人への郵送、貨物受取人による現地船会社代理店への提示をせずして、貨物引取りが可能という方法のこと。
(BL 参照)

Stale BL

ステールBL
期限喪失BLといわれる。
為替手形取引で指定された船積時期を過ぎて発行された船荷証券のこと。

LC取引で銀行への船積書類提示期限が明示されていない場合、船証券発行後21日を経過した船荷証券(B/L)は期限喪失となる。

期限が明示されている場合、その期日を超えて発行されたBLは期限喪失となる。
(BL 参照)
(Documentary Bill参照)

SRCC. Clause

エスアールシーシー
ストライキ・暴動・一揆などによる危険をカバーする保険特約条件のこと。
(Insurance Policy 参照)

SLAC Shipper’s Load and Count

スラック
梱包個数が荷主申告による搭載数量であるとの意味。航空貨物で使用されている用語。

ワンポイント:
20カートンを1パレットに梱包にした場合、航空運送状(AWB=Air Way Bill)の梱包個数欄には、「個数 1、SLAC 20」と記載されます。

荷主がパレット梱包を倉庫会社に委託し、パレット梱包として航空会社に搬入された場合、パレットに積まれている中身のカートン個数を航空会社が検査することは不可能です。そこで、SLACと表現し、たとえ中身のカートン数量不足の場合でも航空会社には責任がないことを表しています。

Simplified Duty

簡易税率
少額輸入に適用される簡易税率のこと。

一般の関税率は数千もの品目分類から決定するが、簡易税率を適用すると、品目を7つに大別し、税率が決定する。

課税価格の合計額が20万円以下の場合に適用される。ただし、少額輸入であっても米及びその調製品等、革製品、ニット衣類など一部のものについては簡易税率が適用されない。また、輸入者が簡易税率適用を望まなければ一般の品目分類で関税率を決定する。
(Tariff Code 参照)

Shipper’s Declaration for Dangerous Goods

デクラ
危険物申告書のこと。

ワンポイント:
デクラ(Declaration の省略)と呼ぶ。輸出申告の際に、輸出者がサインした危険物申告書の提出を求められます。

関連用語:
DG=Dangerous Goods

Shipped BL

シップドBL
本船搭載を確認してから発行される船荷証券のこと。On Board BLともいう。
(BL 参照)

Shipping Mark

シッピング・マーク
貨物の積みおろし、受け渡し確認などをスムーズに行うための梱包ごとの荷印のこと。
Case Mark(ケース・マーク)とも言う。

梱包の見やすい場所に貨物を特定しやすいよう表示する。船積指図書に従い、梱包だけでなく各種の船積書類にも記載する。