輸出入貨物保険のプロからのアドバイス「貨物海上保険と三国間貿易の貿易取引条件」。貿易実務の情報サイトらくらく貿易。|貨物海上保険と三国間貿易の貿易取引条件

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輸出入貨物保険のプロからのアドバイス その1 

貨物海上保険と三国間貿易の貿易取引条件について

年々円高対策や海外への生産・調達拠点の移転により三国間貿易(仲介貿易)が増えておりますが、三国間貿易の取引において注意すべき貿易取引条件(建値)の取り決めについて考察したいと思います。

例えば、韓国の輸出者(仕入先)と日本の仲介者と米国の輸入者(販売先)という三国間の建値を考えた場合、基本的に仲介者と輸入者の建値は、CIF(CIP)、またはDDU、DDPに、また仲介者と輸出者の建値は、EWXかFOB(FCA)にする必要があります。

つまり仲介者と輸出者の貿易取引条件には、貨物海上保険を含めず、また基本的に仲介者が日本サイドでフォワーダーを指定し確実に船積書類を仲介者がコントロールできるようにする為に、建値はFREIGHTを含まない条件にする必要があります。

その理由は、下記の通りですが、例えば、もし仲介者と輸出者の建値をCIFとした場合は、下記の問題が起こり得ることになりますので、注意が必要です。

1. 輸出者(仕入先)が貨物海上保険を掛けることになり、その結果、万一事故が発生した場合、仕入金額ベースの保険金額が支払われることになる為、販売金額ベースの保険金額でカバーされず100%の補償が得られないことになります。
2. 保険証券(Certificate)に保険金額(CIFx110%)が記載されている為、輸入者(販売先)に仕入価格が知られてしまうことになります。
3. 保険証券に輸出者名が記載されている為、輸入者に仕入先が知られたくない場合も知られてしまうことになります。
4. 輸入国・地域によっては、通関制度により適切な保険料(仲介者から輸入者への販売金額ベースの適切な保険金額による保険料)でなければ、輸入通関の許可が下りないかもしれません。
5. また、インボイスの問題としては、輸出者がフォワーダーを指定した場合は、仲介者サイドで船積書類のハンドリング・コントロールができず輸出者のインボイスが輸入者に送付されてしまい、輸入者に仕入価格が知られてしまう可能性があります。

以上のとおり、三国間貿易において貨物海上保険の手配を輸出者が行った場合は、トラブルの原因になりますので、貿易取引条件(建値)の取り決めには十分に注意して下さい。

2013 © 神作亮二・損害保険コンサルタント

2013/02/08

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