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輸出入貨物保険のプロからのアドバイス その3 

貨物海上保険の特約について

貨物海上保険は協会貨物約款(ICC)をベースとしていますが、ICCでカバーできない損害は、特約を付帯してカバーすることになります。この特約は保険会社がカスタマイズして提供していますので、ICCでカバーされない損害が想定される場合は、保険会社にそのような補償を特約として付帯することが可能か相談することをお勧めします。

ご参考までに一般的な特約をいくつかご紹介します。

■Before loading clause
例えば、貨物を山形の工場から未梱包の状態で横浜の梱包倉庫に輸送し、梱包した貨物を横浜のCYに搬入して本船に積み込み輸出する場合は、工場から梱包倉庫までの輸送期間と梱包倉庫での保管期間中及び梱包作業中は、ICCの保険条件だけでは保険対象外ですが、この特約を付帯することで、山形の工場出荷時から想定されるリスクを含めてカバーすることが可能になります。

■Special transit clause
例えば、産業機械を中国に輸出した場合、中国の最終仕向地の指定倉庫にすぐに納品せず、輸入港(上海)の倉庫に一旦保管してから買主の指定倉庫に納品する場合は、港の倉庫に搬入した時点で保険期間は終了しますが、この特約を付帯することで、港の倉庫の保管中及び指定倉庫への納品完了までのリスクをカバーすることが可能になります。
また、Installation clauseを付帯することで、機械据付作業中の事故による損害もカバーできます。

■Debris Removal clause
貨物が破損した後の破損貨物の取片付け費用は、保険対象外ですが、この特約の付帯により、取片付け費用、廃棄処分費用を保険対象とすることができます。
通常は、保険金限度額(50万円まで等)が設定されます。

■Special repacking clause
貨物の梱包は、貨物の一部とはみなされないため、保険対象外ですが、この特約を付帯することで、梱包材料費とその取寄せ運賃及び再梱包作業費をカバーすることが可能になります。

■Duty clause
貨物が損傷した場合、納付した関税は、輸入通関して保税地域から貨物を搬出した後では通常は還付されません。その場合の関税の損害をカバーします。
Duty clauseは、食品、衣類、靴などの高い関税率が課される貨物に有効です。

注)これらの特約は、保険会社のリスク判断により付帯できない場合もあります。

2013 © 神作亮二・損害保険コンサルタント

2013/03/11

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