トルコではすべての国民にIDが交付され、常にその携帯が義務付けられています。このIDは公的機関だけでなく、銀行、宅配便の受付窓口、飛行機に乗るときなど様々な場面で提示する必要があります。外国人の場合、短期滞在の方はパスポートが代用できます。長期滞在する場合にIkamet(イキャメット)という居住許可をとります。|注意!IDの携帯が常識のトルコ

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公開日:2020.03.19  / 最終更新日:2022.01.29

注意!IDの携帯が常識のトルコ

pic_turkey20200307日本で住民票の移動。今回はトルコから少し長めの一時帰国になったため転入届を入れました。

本人確認ができるもの運転免許証、パスポート、個人番号カード、住基カードといったもののいずれかの提示が求められました。

日本では、公的機関が発行した写真付きのものであれば、IDとして使えるのだなと新鮮に感じました。

というのも、トルコでは、届を出しているすべての国民にIDが交付され、常にその携帯が義務付けられているからです。

このIDは、役場、水道局といった公的機関だけではありません。銀行、宅配便の受付窓口、空港や駅で切符を買うとき、飛行機に乗るときなど様々な場面で提示する必要があります。

チケットなどをオンラインで買う際には、IDに記載されているナンバーを書き込みます。ホテルの宿泊の際にもこのIDは必要です。長距離バスなどに乗って移動する際に、IDのチェックのために車両が止められることがありますが、その際にも提示しなくてはなりません。

本当によく使うために、IDを携帯することが義務でなくても携帯する必要があるのではないかと思います。

外国人はどうするかというと、短期滞在の方はパスポートが代用できます。長期滞在する場合にはIkamet(イキャメット)という居住許可をとります。イキャメットもカードの形で、外国人IDナンバーが記載されています。

トルコでワーキングビザを取って働いている場合には、労働許可証が出るのでそのカードをIDとして使うことができます。どちらかがないと、不法滞在になってしまうので、3か月以上トルコに滞在される予定の方はご注意ください。

イキャメットの申請は、移民局のサイトから予約をとって行います。

Ikamet(イキャメット)
https://e-ikamet.goc.gov.tr/

Kimlik(キムリック)というIDは、現在チップ付きのカードに代わっていますが、数年前までは紙のカードで男性はブルー、女性はピンク色をしていました。イスラム教徒が多いトルコではジェンダー問題に関して保守的な考え方をしている人が多いですが、制度的には臨機応変な部分があります。

外科手術などをして性別が変わった場合には、裁判所に申し入れてブルーのIDの代わりにピンク色のIDが発行されていたようで、女性になった歌手がピンクのIDをゲットしたという話をテレビで見たことがあります。もちろん、その場合女性としてのステータスになるので、男性との結婚も法的に問題なくできます。

IDは、個人を表しているもの。その人を特定できるものでなくてはならないため、あるがままを反映している必要があるようです。写真がまだなかった時代、18世紀に使われていた公務員台帳には、人物の特定のために
・身長、体重、お肌の色(トルコ人は3種類に分けて表現しています。)
・髪の毛の色、目の色、ひげの形
・出身地、父親の名前と母親の名前
が記載されていました。

このうち、父親の名前と母親の名前は今でもよく使われます。外国人がとらなくてはいけないイキャメットの申請の際にも、尋ねられます。母親の旧姓ではなく、名前の方なのでご注意ください。

トルコに出張したり、旅行する際に、常にパスポートを携帯するのは面倒くさいと思われるかもしれませんが、国内線であっても飛行機に乗るときや、列車に乗る際にも必要になります。

逆にチェックイン時にIDだけ提示すれば、購入したチケットを出す必要はないので、便利かもしれません。

2020/03/19
海外だより:トルコより
土窓愉見

トルコ在住

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