センサーの設計図や仕様書、マニュアルなどのデータを外国の取引先の会社や個人へeメールに添付して送ったり、あるいはFAXで送っても、実は輸出規制の対象になる事があります。これらは技術的な資料、情報であり「外為令」が規制する技術に当たるからです。 |e-mailで輸出規制違反!?

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公開日:2022.06.18  / 最終更新日:2023.01.13

e-mailで輸出規制違反!?

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輸出規制というと、その代名詞なるものは「外国為替及び外国貿易法」略して「外為法」になります。更に、その外為法を実行するためのルールとなるのが外為法の政令「輸出貿易管理令」と「外国為替管理令」です。これらもそれぞれ略して、「輸出令」または「貿管令」、「外国為替令」または「外為令」と呼ばれています。「輸出令」は貨物への輸出規制、「外為令」は技術や役務への輸出規制です。

「輸出令」という法令があること、その法令が輸出規制として大事であって主なるものであることは、普段、輸出を行なっているメーカー等の企業に知られていても、「外為令」の方は意外にも知られておらず、ノーチェックだったりすることがあります。

「センサー」は、自動ドア、スマホ、家電、自動車、カメラ、照明器具や防犯機器など、いろんな所で身近なものに使われています。そのセンサーの設計図や仕様書、マニュアルなどのデータを外国の取引先の会社や個人へeメールに添付して送ったり、あるいはFAXで送っても、実は輸出規制の対象になる事があるんです。

何故なら、これら設計図、仕様書、マニュアル、プログラムなどは技術的な資料、情報であり、「外為令」が規制する技術に当たるからです。PDFなどのデータ(またはデータを保存したUSBメモリー等の記録媒体)でも、手書き、あるいは印刷やコピーされた紙でも設計図等の技術的資料や情報は「外為令」が規制する技術の対象になります。

「外為令」が規制するものに、もうひとつ、役務がありますが、役務とは、他人のために行う労働やサービスのことです。同じくセンサーを例にとると、センサーの製造方法や組み立て方、使い方などを外国へ行って人に教えたりすることなどが役務に当たります。そして「外為令」が規制する役務の対象になります。

外国へ向けて送ろうしている仕様データは何の仕様データ?外国で教えようとしている製造方法は何の製造方法?その「何」の部分、つまり技術や役務の対象物が「輸出令」(別表第1)で規制する対象物であるときに、「外為令」別表でも規制する対象物となるというわけです。

仕様データを送ろうとしている物品、製造方法を教えようとしている物品が、兵器や兵器に使用できる部品や材料にならないか、更に細かく言うと、国(経済産業省令)が定めた仕様(スペック)に当てはまらないか確認(該非判定)をする必要があり、当てはまる(該当)物品の時は経済産業省へ輸出許可申請をし、経済産業大臣の許可を得ないと、その物品のデータや情報をeメールやFAXで送ったり、外国で人に教えたりはできないのです。

更に注意しなければいけないのは、日本国内であっても、日本に住所を持たない人(非居住者)に製造方法等技術情報を教える場合には、前述の確認や申請、許可が必要になることもあるのです。

「輸出しているわけではないのに、なぜ輸出規制に引っかかるの?」と疑問に思われる人もいることでしょう。それは兵器や兵器の部品、材料、あるいはそれらに転用できる貨物(物品)を設計、製造、使用するための情報(データ)を教えてもらった人が住んでいる国へ帰国することで日本の国外へ出すことになるからです。

簡単にまとめると、このように国外へ出そうする、出すことになる「輸出令」(別表第1)の対象貨物を設計、製造、使用するための情報(あるいはデータ)は、「外為令」の対象になるということです。

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2022/06/18
くらしと貿易と通関と
Kyō

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