工作機械を中国や東南アジアに輸出している会社があります。決済条件も全額前金かL/C(信用状)で通しています。ところが海外取引先から来るL/Cが、スムーズ受け取れないなど、いろいろな面で上手くいってない、との悩みがありました。それはL/C原本の到着が遅い、L/C内容に不備がある、決済に時間が掛かるの3点でした。|キチンとしたL/C(信用状)を受け取りたい

  • Twitter
  • facebook
  • LINE
検索

キチンとしたL/C(信用状)を受け取りたい

pic_bank_20181205

銀行の外為をやっていると、よくお取引先からご相談を受けます。

今回もその中から一件。ある輸出業者さんからのものをご紹介します。

この会社は、工作機械を中国や東南アジアに輸出している会社です。中古ですが、特上品を輸出するため引き合いが絶えません。

値段は事実上、このお取引先に専決権があります。決済条件も全額前金かL/C(信用状)で通しています。

こんな端から見ても、上手く立ち回っているこの会社の悩みの種は、海外取引先から来るL/C(信用状)が、いろいろな面で上手くいってない。この点にあるのだそうです。相談事はこの点でした。

「どうしたらキチンとしたL/Cを受け取れるのか」

これがご相談の本願でした。そこで具体的にお聞きしました。そこで出たのが次の3点です。到着するL/Cの3通に1通は、どれかに該当するのだそうです。さてその3点はと言うと、

1. L/C原本の到着が遅い
2. L/C内容に不備がある
3. 決済に時間が掛かる

こちらでした。いずれも、さもありなんといった事柄ばかりです。しかしそれでは回答になりませんので、いろいろとお話ししました。以下にその概略を書いてみます。

まずL/C原本の到着が遅い件ですが、どの段階で遅れるのか、まずはその調査からと申し上げました。過去の例から見ると、輸入者の信用が足りないため、L/C開設が1本ごとに本部承認になっていた事があります。これでは遅くなって当たり前です。

あるいはL/C発行銀行が外為事務に不慣れで、発行依頼書を持ち込んでも、すぐに対応してくれない。こんな例もありました。

いずれの場合も、その業者と取引するのであれば、送金取引に切り替えた方が良いとアドバイスしました。

次にL/C内容の不備ですが、輸入者がL/C依頼書を正しく作れずに、何回も銀行と依頼書が往復していた。こんな例もあります。いずれの場合も、送金取引を考えた方が良いとアドバイスしました。

次にL/C内容の不備ですが、発生要因として考えられるのは、輸入者側が銀行にL/C発行依頼書を持ち込む際に、当初契約との、整合性確認を怠ることに原因があるようです。契約時点では少しでも自分に有利な取引条件をと努力しても、L/C発行依頼になると発行して貰うのに関心が移ってしまい、中身の点検がおろそかになるようです。

これに対しては、銀行受付済のL/C発行依頼書コピーを、FAXさせることと、実際に発行したときのSWIFTモニターを入手すること。

この二つをアドバイスしました。これで少なくとも2回は、L/C原本入手前に内容点検が出来るわけです。

最後に決済が遅い点ですが、相手が決済遅延を起こすのは論外ですが、一般に相手が新興国だと外貨繰りや通貨規制の点で、現地決済は終了しているが対外決済が未了である。こんな事例が散見されます。

これは業者間では如何ともし難いのですが、過去の事例では第三国での資金決済をL/C条件としたり、外貨は難しくても現地通貨であれば決済可能である場合は、あえて現地通貨での決済を認めた上で、受領した現地通貨を、日本サイドで日本円他に通貨交換する。

こんなこともやりました。(但し非常に交換レートは不利ですし、どうしても交換できない通貨もありました。)

以上が概略です。L/C取引は輸出者に有利なしくみになっています。出来るだけL/C取引となるように、これらの工夫をしてみて下さい。

2018/12/05

貿易と銀行実務の関連記事

お知らせ

貿易・海外展開を学ぼう

国際物流ナビ

効率的な物流を行うには?

銀行と上手くつき合う

キャリア35年の元銀行マンが本音で語る

ノンジャンルコラム

日本と世界の今を感じるハッピー通信

広告掲載はこちら