外為取引先の社長や経理担当役員との話で一回は話題になるのが、営業店での支店長の専決権限です。あからさまに「いくらまでOK?」。こんな質問は流石にありませんが、具体的な案件でどこまでだったら営業店長が専決できるのか。この手の質問は結構あります。 |外為取引、営業店長の専決権限について

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公開日:2022.07.14

外為取引、営業店長の専決権限について

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外為取引先の社長や経理担当役員との話で一回は話題になるのが、営業店での支店長の専決権限です。

あからさまに「いくらまでOK?」。こんな質問は流石にありませんが、具体的な案件でどこまでだったら営業店長が専決できるのか。この手の質問は多かった記憶があります。今回はこの営業店長の専決権限(以下店長権限)のお話しをします。

店長権限というと我々を含めてほぼ全員が融資を連想しますが、勿論外為取引にも店長権限は多く含まれています。しかし先ず外為に入る前に、預金取引について触れてみたいと思います。預金は国内円、外貨を問わず銀行本部が発表している一定のレートが、全ての取引に適用されている印象があります。我々も対外的にはそう表現していました。が、例外もあります。

それは定期預金金利です。上乗せが出来るのです。例えば新規獲得とか他行防衛、保全強化、総合採算向上。こういう理由があれば個別に金利上乗せが俎上に上がりました。実は預金は本支店間で仕切りレートが決まっています。

顧客金利は仕切りレートより低いところにあります。つまり両者の差部分が支店収益となってくるわけです。
金利上乗せとはこの差部分を狭くすることです。早い話が支店収益を削る。これを営業店長が認めるわけです。営業店長としては成績の足を自分で引っ張るようなものですから、他でメリットが無いと首は縦に振りません。なのでキャンペーンでも無い限り、余り表には出て来ないのです。

次に外為取引についてですが、店長権限は輸出にも輸入にもあります。

まず輸出です。輸出の分野で注目に値するのは、金額制限の無い店長権限項目がある点です。金額は1億円でも1百万米ドルでも(場合によってはそれ以上でも)本部に稟議申請をせずに営業店限りで処理できるのです。

これは何か言うと「特に指定された信用状付の買取」です。予め信用力が有ると評価された銀行発行の信用状であれば、それに基づく買取は書類上の不備が無ければ青天井で認める。かみ砕けばそうなります。(これは恐らく他の銀行にもある制度です)

実際私も年商一億程度の会社から三億円の買取が持ち込まれ、書類上の不備が無かったので平気な顔をして買取を実行しましたが、内心では決済迄の一週間。毎日ドキドキハラハラだった経験があります。

では他の輸出・輸入取引はどうかと言えば、基本的には国内融資に準じていました。つまりその営業店のステイタスによって金額が決まるということです。大雑把なくくりですが小型店では外為・国内含めて30百万円程度、中型店では50百万円程度。大型店では1億円程度が上限でした。この金額は無担保扱いの金額であり、担保があれば更に金額の上乗せがありました。

この点から言うと大型店の方が大きな金額まで取引出来るので、即決を期待して大型店での取引が吉。こうなりそうです。しかし大型店では自社よりも厚遇される顧客は多数存在します。何かと比較されて良い扱いが受けられない可能性もあります。どうも上限額だけでは判断できそうもありません。(鶏口と牛後の関係とも言えましょうか。)

結論から言えば、過度に店長権限額を気にする必要は無いと思います。いざとなれば銀行側も本部稟議をしてでも対応するはずですから。ただ個人的には自分の会社がその小型店でトップの顧客になって、自社も小型店も一緒に大きくなれればそれば一番と考えています。

2022/07/14
貿易と銀行実務いろは
おすがっぱ

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