信用状を使った輸出取引でもっとも難題なのが「信用状を入手したが輸入者が倒産した」この場合です。輸入者が倒産しているのなら、信用状発行銀行は絶対に自ら資金は払いたくないはずです。何かかんかと難癖を付けて払おうとしないと思います。そんなことが見え見えの状況で輸出代金を無事に回収するには相当の覚悟と準備が必要です。 |信用状取引と輸入者の倒産(前編)

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信用状取引と輸入者の倒産(前編)

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信用状を使った輸出取引でもっとも難題なのが、「信用状を入手した!輸入者が倒産した!」この場合です。

これに対する教科書的な回答はこうなります。「このような時(相手が倒産したとき)こそ、信用状の本領発揮場面です。信用状取引の本旨に従い、決済に向けて粛々と事を進めましょう。」

何となく気持ちは分かりますが、まるで具体性が無いと思いませんか?

正直どうしたものか分からないですよね。そこで言い換えてみましょう。

まず船積をしなさい。船会社がB/Lを発行してくれます。そしたらB/Lとその他の書類を銀行に持ち込ましょう。銀行はこの船積書類を買い取ってくれます。買い取った銀行は、その書類を信用状発行銀行に送ります。書類を受け取った信用状発行銀行は、資金を払ってくれます。これでお終いです。こう言いたいわけです。

しかし現実問題として、こんなに上手くいくのでしょうか?

輸入者が倒産しているのなら、信用状発行銀行は絶対に!本当に絶対にです!自ら資金は払いたくないはずです。何かかんかと難癖を付けて、払おうとしないと思います。そんなことが見え見えの状況で、輸出代金を無事に回収するには、こちらにも相当の覚悟と準備が必要です。

今回はこの難題に向けて、解決策を考えたいと思います。とても一回では無理なので、複数回に分ける事をお許しください。

それでは早速お話しを進めていきます。

その1 持込(予定)銀行への事態説明と協力要請
先ずはこれから始めましょう。信用状取引において、船積書類を持ち込んで買い取って貰う銀行は、輸出側当事者として大変重要な位置づけになります。特に輸出者から見れば共通利害者として、資金回収に向けて、100%自分と協調して貰うことが必要です。

そこで第一歩は買取銀行への、事態説明と全面協力要請です。仲裁や訴訟への協力要請も、出来ればしておく必要があります。(詳しくは後述します。)

その2 入手した信用状の内容点検
銀行協議と同時進行で、手に入れた虎の子の信用状を、次の各点に関して実際に確認してください。銀行協議の席に持ち込んで、銀行に見て貰うのも有効です。なおこの時点までに信用状発行銀行から、信用状の取消(キャンセル)を求めてくる可能性があります。相手の申し出も尊重せねばと一瞬思いますが、信用状の取消には全当事者の同意が必要です。輸出者が同意しなければ取消は出来ません。

こちらはこれからこの信用状で、船積・買取をする予定です。取消に同意なんか出来ません。不同意の返事。若しくは何も反応しない。という対応になります。ちなみにこの段階で、輸入国側はこちらの意図を察知しますので、有る意味これ以降はガチンコの話に移行します。

以下は中編に続きます。

2019/07/06

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