銀行に取って最悪は取引先の倒産です。倒産相手が純預金先(預金取引しかない)なら、預金解約手続きに手間が掛るだけです。しかし融資与信残高や外為与信残高が有る先は、実損(実際の損害)が発生する事が非常に多いのです。 |「すわ!倒産か?」銀行員はここに注目してます!

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「すわ!倒産か?」銀行員はここに注目してます!

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銀行に取って最悪は、取引先の倒産です。

倒産相手が純預金先(預金取引しかない)なら、預金解約手続きに手間が掛るだけです。

しかし融資与信残高や外為与信残高が有る先は、実損(実際の損害)が発生する事が非常に多いのです。

そこで銀行としては一般の営業活動すなわち、新規先の獲得や、既存先の取引拡大、と並んで、日常の業況にも目配り気配りを欠かしません。

しかし倒産はある日突然発生する場合も多く、ひとたびその事態となればベテランから新人まで、店中がひっくり返るような大騒ぎになります。そこで我々は自らの身を守る為に、倒産の兆候をキャッチすべく、工夫を凝らしています。今回はこのお話です。

本や研修ではそれらしく、「倒産の兆候の見つけ方」は出ています。しかし長年の経験から言うと、これらの兆候が見える頃には、手遅れの場合がかなりあります。実際の現場では、もう少し前の段階で初動を起こしていました。つまり「これは変だ。では動こう。」この感覚が大事というわけです。

以下はその具体例です。

大事にすべき感覚(その1)『実権者に中々会えない』

外為先は社長1人なんて会社もざらでしたので、事務所に出向いても海外出張中はよくありました。こんな会社は電話やメールなどで連絡が取れればOKです。問題はそこまで零細ではなく、そこそこの企業規模の場合です。経理や貿易の実権者がいるのに、その実権者がいつ行っても不在。こんな場合です。最悪居留守を使われたこともあります。これは感覚的に相当悪化した状況と判断していました。

大事にすべき感覚(その2)『預金平残の低下』

平残というのは「へいざん」と読みます。平均残高の略称です。預金残高は日々動いているので、個別日の残高同士を比較しても、企業動向は判断できません。しかし一ヶ月間の平均を取って、それを前月のものと比較してみたり、前年同月のものと比べると、多くなったか少なくなったかが分かります。

多くなった分はほぼ問題ないのですが、少なくなった場合は、他行に取引を取られている、或いは資金繰りが逼迫している。(資金回収が遅くなる。支払が早くなる。これらが逼迫要因です。)これらは何であれいい話では全くありません。至急実権者と面談すべき状況です。

大事にすべき感覚(その3)『資金の流れがいつの間にか変化している』

ものの流れとお金の流れには、一定の法則性があります。商売の中身が変わらない限り、この法則は生きています。ところが業況が悪化してくると、この法則性が揺らいできます。もちろん商売内容が変化しても、流れは変わってきますので、流れの変化を発見した場合は、取引先から説明を受ける必要があります。

大事にすべき感覚(その4)『同業者取引が目に付く』

皆さんは「仲間買い」とか「仲間売り」という言葉をご存じでしょうか。いわゆる「仲間取引」と呼ばれるもので、本来コンペティターの同業者が、商売の相手方として登場してくるものです。

仲間取引があればおかしいというのではありませんが、突然始まったり、取引量が急増した場合は要注意です。私はよく茶飲み話のついでの雰囲気で探ってました。

大事にすべき感覚(その5)『同業者内の噂には耳を傾ける』

これは今までのものとは全く異なります。目に見えるものではありません。しかも真偽は不明の場合がほとんどです。讒言(ざんげん)になる物もありました。ただその中に、本当に貴重な情報が入っていることがあります。ここのさじ加減が本当に難しいのです。誰からもどこからも教えられたのではありませんが、やはりその話をしてくれた人物が、信用できるかどうかが大々基本でした。普段の取引でこちらの誠実さが分ってくれれば、その見返りの一つとしてそんな話も出てくる。そう考えてました。

比較的、銀行OBで貿易会社に出向や転籍した人が、出身行の違いも顧みず、話してくれたような気がします。

如何でしたか今回のお話しは。要はこれらの感覚をキャッチすべく、アンテナを高くしていく。これにつきるようです。

2019/10/12

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