外為先や融資先との取引では銀行規定料率での取引はほとんどありません。何らかの優遇条件を付けて取引を行います。他行肩代わり防止のためです。銀行は安定収益を確保の観点で、優遇条件を提示します。しかし決まって年に何件かは見直し要求が来ました。ダンピングの要請です。 |ダンピング攻勢をしのぐ

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公開日:2020.05.12

ダンピング攻勢をしのぐ

ダンピングの交渉

我々と外為先や融資先との取引では、銀行規定料率での取引はほとんどありません。何らかの優遇条件を付けて取引を行います。

これは他行肩代わり防止のためです。皆さんから見れば取引条件は銀行の言い値通りでは、こう思われるのでしょうが、実際は違います!

銀行は安定収益を確保の観点で、優遇条件を提示します。そして何もなければ、この条件で取引は継続します。しかし決まって年に何件かは見直し要求が来ました。内容はほぼ同じ。ダンピングの要請です。

今回は、私がこの攻勢をどうしのいでいたか。このお話をします。

そもそもこう言った取引先のダンピング要請の裏には、いつも他行の影がちらついていました。つまり新規を狙う銀行が、ちょっかいを出しているのです。そしてその提案内容はどれもワンパターンでして、こちらの取引条件に、幾分優遇を上乗せ。これがお約束でした。

さてこの申し出に私がどう対応したかです。先ずは検討すると一旦引取ります。冷却期間を置きます。店に戻ってから、取引状況と採算状況を確認します。つまり落としどころを予め検討しておくわけです。もちろん上席には、交渉権限を貰っておきます。その上で先方に電話です。最短での面談の約束をします。面談を開始してから検討結果を話す前に、自行の強みを強調します。

ここが肝になるので粗末にはできません。

1番目は外為処理のスピードが早いこと。例えば午前中店頭持込であれば、当日中に輸出書類を海外発送する。或いは15時までであれば外国送金を海外に向けて出電する(円建てと国内外貨送金は除きます)。輸入書類を日本に到着した翌日に引き渡しを可能にする。等々。この中でも輸出書類の当日海外発送は評判が良く、感触の良さから逆にこちらが新規先を攻めるときに、効果的に使わせて貰った経緯があります。

2番目は海外拠点網の充実です。海外拠点が充実していれば、リアルタイムで現地情報が入手できます。また海外進出を考えている企業へのサポートは、得意とするところです。特に東南アジアや中国拠点網は、ストロング・ポイントでした。

3番目は良好な取引関係のアピールです。支店担当者含め当社への対応は丁寧迅速であり、過去からも何の問題も無い。ここを強調しました。

これらを述べた後に、今後とも良好な取引を続けたいのでと前置きして、一部取引条件を見直す旨お話をします。例えば大口為替の優遇上乗せや系列シンクタンクの会費優遇、為替予約変更手数料の免除など、メリット感が出るものを提示しました。今の状態を続ける安定感と、見直しによる今後のメリットを加味して、検討を迫るわけです。

この方法ですと単純な条件交渉に比べて、顧客の納得感は高く、再交渉になる事は殆どありませんでした。翻って自分が顧客ならば、折角スムーズにやっているのに、あえて波風を立てたくない。これが本音です。そんな気持ちでいたときに、二つの側面からメリットが提示されれば、納得して提案を受け入れると思います。

誰でも、もし変えて何かあったら嫌なものですから。今回はダンピング攻勢をしのぐ。でした。

2020/05/12
おすがっぱ

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