お客様の所で勉強会をすると決まって聞かれる質問があります。それが今回のテーマに挙げた事柄です。これの意味するところは、船積を終えた輸出者が商売最後の段階で書類の不備で相手から資金を回収で出来ずに不渡りになる。これを防ぐためのポイントです。 |信用状輸出取引で不渡りを防ぐ4つのポイント

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公開日:2020.12.21  / 最終更新日:2022.10.20

信用状輸出取引で不渡りを防ぐ4つのポイント

信用状にもとづき輸出の船積みをするコンテナヤード

お客様の所で勉強会をすると、決まって聞かれる質問があります。それが今回のテーマに挙げた事柄です。これの意味するところは、船積を終えた輸出者が、商売最後の段階で、書類の不備で相手から資金を回収できない。

こんな理不尽な状態は絶対に嫌だ。何とかして欲しい。こうなります。この状況。質問者の思いはすごく良く分ります。しかし答える方としては「んー」と唸る、大変難しい質問なのです。オールマイティーに使える答えはありません。つまり質問者に的確な解答を示せないのです。

しかし当方も一応外為のプロです。これではいけません。質問者に共鳴して、一緒に困っていたのでは洒落になりません。何とかしなければならないのです。そこでいくつかひねり出して、答えに代えていました。それを順番にお話しします。

1. 船積後、輸出書類は速やかに銀行に持ち込む
船積書類を輸入者に送る場合、相手に書類が到着しないことには、決済は絶対にして貰えません。半日でも早いに越したことはありません。特にお互いに連休等が控えている場合は、早く送らないとその間に市場価値が激変して、マーケットクレームにあう。こんな可能性だって有ります。

2.輸入者の変化を見逃さない
国内取引と違って海外取引では、相対での決済は困難です。国内でも隔地取引(離れた場所での取引)はあり得ますが、 国内取引では時差は無いし使用言語も日本語です。決済通貨も日本円の一択だと思います。つまり国内取引では遠隔でも実質相対といえます。

翻って海外取引では全てが離れた状態です。この状況で常に良好な決済ばかりを期待できません。いつ手のひら返しになるか分らないのです。良好な決済維持は、輸出側の不断の注視によると言えます。輸入者の対応が変だと感じた時は最悪を想定して、輸出貨物の所有権確保を決済督促に優先させる必要があります。

3.素直な書類作成を心掛ける
ここからはややテクニカルなお話になります。信用状取引に於いて、確実に輸入者に決済してもらうには、銀行持込みの船積書類の信用状条件との一致が必要です。この一致の意味ですが、本来は厳密な一致が必要なのですが、お客様の中には信用状条件の方がおかしいと判断して、自らの信じる条件を記載される場合があります。これをやると相手銀行(信用状発行銀行)のチェックに引っかかります。結果としてスムーズな決済が望めなくなるので、ここはグッとこらえて信用状通りとすべきでしょう。要は素直にです。

4.作成書類相互間の不一致に留意する
前記3.にも関連するのですが、信用状条件との一致に注力の余り、船積書類を相互にぶつけると、矛盾を起こすような記載になっている。こういう場合が結構見られます。これも立派な条件不一致で、不渡りになる可能性が大です。良くあるのが船荷証券と保険証券の不一致です。両者ともに自分で作るものではありませんので、受け取った物をそのまま銀行に持ち込みがちです。注意しすぎてもしすぎることはありません。

以上不渡り防止についてお話ししましたが、先方との良好な関係に勝るものは無い。これが正直なところです。

2020/12/21

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