この所の巷間を賑わすことに、日経平均の大台乗せの話があります。実に30年ぶりとのことで30代以下の方にはピンとこないかもしれません。思い起こせば30年前は「バブル景気」と呼ばれる時代でして、世の中全体が何とも騒然とした状況だったのです。 |30年経って30千円に戻した日経平均を見て

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公開日:2021.02.28  / 最終更新日:2021.03.03

30年経って30千円に戻した日経平均を見て

日経平均株価のチャート

この所の巷間を賑わすことに、日経平均の大台乗せの話があります。実に30年ぶりとのことで、30代以下の方には???のことでしょう。思い起こせば30年前は、いわゆる「バブル景気」と呼ばれる時代でして、世の中全体が何とも騒然とした状況だったのです。

今回はこの時代に銀行業務の最先端を担っていた、ではなく、末端の末端を担っていた外為担当者のお話です。

「バブル景気」は1985~1991(昭和60年~平成3年)の状況を指します。この時点での状況を一言で言えば、「持たざるリスク」に踊らされていた。こう言えると思います。当時は不動産や株を持っていれば、ドンドン上がっていく。そう皆が信じて疑っていない時代だったのです。(勿論、そうでない人もいましたが、大勢は圧倒的にこちらでした。)

このような人は「銀行に預金していても利息は僅かだ。」と確信していて、もっと有利な資産を持たねばならぬ。ひとに遅れを取ってしまう。この気持ちで脳内が一杯になっていたのでした。もっとも僅かな利息と言っても、1年物の定期預金だったら、年利5~6%は有りましたから、今から見れば夢みたいな話です。

さて人に後れを取るまいと考える人が手に取るのは、銀行が配っていた各種ローンのチラシです。当時は職域セールス真っ盛りでして、外為担当者も暇を見つけては、担当先を訪問してチラシを配って、各種ローンの借入を勧めました。(ここはS地銀の○ぼちゃの馬車事件がなぜか浮かぶ所です。)そんな中で店頭にチラシを持った、取引先の社員がやってきます。もちろん要件は各種ローンの借入です。一応各種ローンは、融資対象として自宅が想定されているのですが、当時はバブル景気真っ最中、いろんな便法が駆使されていました。

居宅以外の不動産投資であれば、「アパートローン」を投入、株式投資などで有れば、「フリーローン」を用意してました。これらのローンは、保証会社の保証付と言うことで実質青天井でした。この保証会社は若干曲者でして、銀行子会社の場合が多く、これで第三者保証といえるのか。疑問を口にする担当もいました。

しかし私も含めて殆どの人間が、保証付なら「GO TO」のスタンスでした。しかも不動産評価は通常時価ではなく掛け目をして減額するのですが、これが減額せずに100%まで特認でOKとなっていました。当時も通常80%が掛け目ですから、時価相当まで評価しよう。この強気はいかにもバブル真っ盛りといえます。

他行はもっと強気で、110%や120%で評価も有りました。(ウワッ)万一返済不能になってもすぐに不動産価格が上昇して、貸金は回収できると踏んだわけです。なので件の社員さんも勤務先は問題なく、返済能力も問題なし。融資対象物件も評価も良好。こうなり審査はOKとなっていました。めでたしめでたしです。

ところが程なくバブルは崩壊していきました。銀行も大きく傷つきましたが、ローンを組んでいた人もかなり痛手を受けていました。私が担当したローンは長い人でも、もう終了していると思いますが、順調に返済できたのでしょうか。今更ながら心配になっていきました。

結語に代えて:
日経平均が一日で1,200円も下落し、29千円をも割ってしまいました。
今後の展開次第では30千円相場も雲散霧消となるのでしょうか。

参考記事:
カボチャの馬車にシンデレラはいなかった?
https://www.rakuraku-boeki.jp/boueki-ginkou-gaitame/2018-05-21

2021/02/28
おすがっぱ

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