銀行取引は大きく分けて勘定取引と非勘定取引があります。非勘定取引の取引日は日付通りそのままです。日付通りで例外はまずあり得ません。ところが勘定取引は「取引日」が実際の勘定が動いた日付とは言えません。ではどういうときにズレるのか説明します |日付通りに銀行勘定は動いていなかった!

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公開日:2021.03.23

日付通りに銀行勘定は動いていなかった!

銀行の勘定取引の日付

銀行取引は大きく分けて勘定取引と非勘定取引があります。まず非勘定取引ですが、これは文字通り勘定無関係なので、「取引日」はそのままです。日付通りで例外はまずあり得ません。

一方、勘定取引は、「取引日」が実際の勘定が動いた日とは言えません。ではどういうときにズレるのか。今回はこちらをご紹介します。説明に正確を期すべく、項目分けをしてみます。なお名称や内容については、あくまでも私の知見がベースである点。お含み置き願います。ではまず通常の動きを見てみます。

営業店勘定は本部のホストコンピューターの指令により、午前八時頃に一斉に立ち上がります。営業店側の操作は不要です。以後午後三時を過ぎて当日起票を終えて勘定を締め上げるまで、起票(勘定を動かすこと)すれば、自動的に当日付けとなります。つまり「取引日」=「勘定日」となるわけです。

但し外為は為替相場が絡むので、当日付け取引は公示相場が立つ午前十時頃からとなります。ではこの前後の時間帯に受け付けた場合や、業務量が膨大となり時間内に処理できなかった場合はどうなるでしょうか。ここから取引日と勘定日の関係が微妙になってきます。

1.締後取引(しめごとりひき)
最も多く用いられる取引形態です。当日締後と前日締後に分かれます。締後とは総勘定締上後の意味で、その日の勘定(締前勘定)とは別建てになります。まず当日締後は総勘定元帳作成後の起票となります。また前日締後は翌営業日に前営業日付で起票する物であり、前営業日の当日締後と合算されます。締後取引は締前取引を補完するものであり、繁忙日などはよく使っていました。

2.起算日取引
日中の時間帯に過去の日付で取引する場合に用います。極めて例外的な取引の位置づけで、取引日は当日でなくても可です。勘定上はあくまでも当日ですが、証票上は過去日付となります。日付操作が可能となる取引なので運用は厳格になっていて、一件ごとに取引理由(なぜ起算日扱いなのか)を明らかにして、上席の決裁を仰ぐ必要がありました。またその操作結果は別途監査対象となり、本部検査や、日銀考査、金融庁検査などの重点点検項目となっていました。

3.勘定修正
今までの二つと異なり、勘定修正は営業店勘定そのものを、前営業日起票できる状態にする起票を言います。そしてそこで行われた起票はすべて前営業日のものとなります。有る意味これも「受付日」=「勘定日」です。ただ個店勘定が動くので銀行全体に影響が及ぶことになります。そのため実行には必ず本部承認が必要でした。実感としては個別の起票のためでは無く、システム移行など銀行全体の事情で、一斉に行っていた記憶があります。

最後に「預かり」という制度も触れておきます。これは得意先が外訪中に預かった要起票物件を、オンライン終了後にお店に持ち帰った際に当日分として、翌営業日にまとめて前日締後で対応していたものです。その意味では1.締後取引の派生形と言えます。

以上お話しした中で「起算日取引」が最も注意を要する取引で、もし銀行から起算日で取引をしたと言われた場合は、金利計算や対外的表示日など確認することをお勧めします。

2021/03/23
おすがっぱ

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