銀行は個人・法人問わず、膨大な取引データを持っています。通常このデータは、文書で照会があっても本人の了解無しでは一切他人には開示しません。しかし何事にも例外はあるもので、銀行はある条件下では、照会に対して回答をすることがあります。 |銀行は文書照会にどう対応しているのか?

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公開日:2021.04.08

銀行は文書照会にどう対応しているのか?

国税局

銀行は個人法人問わず、膨大な取引データを持っています。通常このデータは、本人の了解無しでは一切他人には開示しません。よく耳にするのが、預金者が死亡したり判断能力が衰えたりで、家族が銀行に取引の有無などを、照会しても何も答えて貰えない。

こういった事態です。とりつく島もない状態に追い込まれます。本当にお気の毒と思いますが、これはご本人の承諾なしに、情報を開示することに対して、銀行は権限がないのです。しかし何事にも例外はあるもので、銀行はある条件下では、照会に対して回答をすることがあります。今回はこちらをご紹介してみたいと思います。

1.税務署から聞かれた時
皆さんにも大変関心のあることと思います。税務署は納税申告(所得税・法人税・相続税等)に関連して、当該納税者の資産状況調査の照会を銀行に掛けてきます。主に文書の照会なのですが、結構これが神経を使う物でした。文書には通常、根拠条文として国税通則法の関連条項が記載されています。これがいわゆる「質問検査権」です。この権限は強制では無く、あくまでも任意なのですが、いい加減な回答をすると罰則が適用されるので、銀行としては丁寧な対応を心掛けていました。

ちなみに罰則の内容は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。そのような経緯があるので、皆さんの所に税務調査が入って、銀行取引について質問があった場合は、既に銀行情報は持っているという前提で対応することをお勧めします。

2.警察署から聞かれた時
警察からの照会は、犯罪捜査に関連してのものです。「捜査関係事項照会」という名称で文書が送られてきます。これは税務署の照会とは異なり、回答義務が銀行には有ると考えられています。但し罰則はありません。これが送られてきた時は、銀行は一件ごとに案件ファイルを作成します。(ちなみに税務署からのものは、日付順にまとめていました。)

通常は、紹介書の到着時と回答書の提出時に、本部に報告していました。警察からの照会は税務調査に比べると件数が少ないので、実際に照会書が届くと、大変な騒ぎになり鳩首協議を良くやりました。

3.弁護士会から聞かれた時
実は上記照会と良く似たものに、通称「弁護士照会」があります。これは弁護士会名義で、銀行にくるものです。(弁護士会とは弁護士の団体です。ここに所属しないと弁護士活動が出来ない仕組みになっています。)照会内容は税務署や警察署とよく似ています。

しかし銀行の対応は異なっており、前二者に回答拒否はありませんでしたが、「弁護士会照会」に対しては、個人情報保護の原則を全面に出して、回答を保留して照会書を返却することもありました。現在では最高裁判所の判例も有り一部の弁護士会とですが、本照会に対し全店照会を含め回答をする旨の協定を結んでいます。その限りに於いて前二者と同様に回答がなされています。

以上が銀行照会に対する簡単な説明です。上記三点の照会はそれらがあったとの通知は、どこからも皆さんに行きませんので、それぞれの機関から問い合わせがあった場合は、既に銀行の調査は済んでいる。この前提で対応されることをお勧め致します。

参考サイト:

税務署関連
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/02.pdf

警察署関連
捜査関係事項照会書の適正な運用について
https://www.npa.go.jp/laws/notification/keiji/keiki/310327-20.pdf

弁護士会関連
日本弁護士連合会:弁護士会から照会を受けた皆さまへ
https://www.nichibenren.or.jp/activity/improvement/shokai/what.html

2021/04/08
おすがっぱ

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