裏書きが必要な銀行経由のB/L(船荷証券)に、裏書もれが有ったときの銀行対応についてです。まずなぜB/Lに裏書が必要なのでしょう。一般に有価証券の譲渡には裏書が必要です。B/Lも有価証券ですから、裏書が無いと譲渡出来ません。|B/L(船荷証券)裏書は全通に必要か

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公開日:2021.10.07

B/L(船荷証券)裏書は全通に必要か

B/L(船荷証券)の裏書サイン

今回は裏書きが必要な銀行経由のB/L(船荷証券)に、裏書もれが有ったときの銀行対応についてです(AIBA論壇の最近のトピックスより)。例によって具体的な説明は無いのですが、銀行対応を知りたい企業担当者からのようです。

それでは、まずなぜB/Lに裏書が必要なのかですが、これはB/Lの有価証券性が大きく影響しています。一般に有価証券の譲渡には裏書が必要です。B/Lも有価証券ですから、裏書が無いと譲渡出来ません。(記名式B/Lのように裏書不要の場合もありますが)

次に裏書漏れがどこで発見されたかです。輸出国サイドでなら、何を於いても裏書補記に全力集中です。「裏書は同じ人がしなければならない。」とのたまう、銀行があると聞いたことがあります。しかし私は寡聞にして、そんな規定聞いたことはありません。(所詮はインハウスルールでしょうか?)信用状統一規則にもそこまでの決めはありません。よって正当なサイン権限者であれば、その内の誰かが裏書をして、形式を整えれば良いことになります。

これを裏書補充優先の原則と呼ぶことにします。次に輸入国サイドで発見された場合です。これは輸出国のチェックを、何らかの理由で通り抜けたことを意味します。そこで受け取った輸入国銀行の対応が問題になってきます。銀行としての実務対応は、大きく二つに分かれます。

一つ目は全通裏書漏れの場合でなければ、つまり一通でも裏書きがあれば、輸入者の了解を前提に、そのまま手続きを進めてしまうやり方です。ご承知のようにB/Lは一通で貨物は引き取れますので、他のB/Lの不備には影響されないからです。また輸出国銀行に裏書漏れを通知するかどうかは、やや考慮すべき事項となります。

過去微細な不備を先方に通知したところ、先方銀行からB/L全通の返却を要請されました。こちらは顧客に確認の上それに応じたのですが、再入手に手間取り通関が遅れてしまいました。やむなくL/G(荷物引取保証)を発行したのですが、顧客にその部部分での追加負担をお願いすることになりました。それ以降はこのことは、注意点として皆で共有しました。

二つ目の方法は輸出国銀行に電信で裏書漏れを通知して、先方からこちらでの補記訂正の了解を取り付けることです。しかしこの方法はいくら先方の了解の得るとはいえ、銀行自身で裏書をすると言うことです。事務規定に何も定めなんか有りませんでした。当然でしょうね。異例事項ですから。本部協議です。

私は常にこの可能性も頭に置いてました。しかし本部と協議して説得できる自信はありませんでした。つまりこの方法は画に描いた餅だったわけです。よって実務上は一番目の方法に全力投球でした。懸念があるとすれば船会社からのクレームでしたが、
船会社にしてみれば全通回収できて、その内一通にも裏書があれば他は気にしない。こう判断していたのでしょう。

一回もクレーム騒ぎにはなりませんでした。今回はB/L裏書漏れについてのお話しでした。

2021/10/07
おすがっぱ

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