海上輸送のコンテナが不足が深刻です。輸送に遅れが生じるだけではなくコンテナ運賃の上昇につながりかねません。海上コンテナ不足が商品の価格に転嫁される可能性もあり、私たちの生活にも密接に関係している問題です。解決する手立てはないのでしょうか。 |深刻な海上コンテナ不足。解決の手立ては?

  • Twitter
  • facebook
  • LINE
検索
公開日:2021.05.16  / 最終更新日:2021.05.17

深刻な海上コンテナ不足。解決の手立ては?

不足している海上輸送用コンテナ

前回のコラムでは、新型コロナウィルスの影響もあり、昨今では世界中で海上輸送コンテナ不足が叫ばれていることを述べさせていただきました。

コンテナが不足すると、輸送に遅れが生じてしまうだけではなく、コンテナ運賃の上昇につながりかねません。結果、上昇した海上運賃が商品の価格に転嫁される可能性も十分にあり、私たちの生活にも密接に関係している問題です。そんな、世界経済にも影響を与え得るコンテナ不足ですが、解決する手立てはないのでしょうか。

コンテナ不足の解消方法として、まず思いついたのが「コンテナが足りないのであれば作ればよいのでは?」ということです。足りない分を増やせば当然ですが需要は満たされます。しかし調べてみると簡単なことではないようです。

海上輸送コンテナは、現状では9割が中国で製造されています。その中国では、現在のように新型コロナウィルスによる国際輸送量の増加が起こる前は、米中貿易摩擦の影響で輸送量は逆に減少していたそうなのです。それにより中国のコンテナメーカーはコンテナ生産を大幅に減らしていたようで、結果として新しいコンテナが思うように増えていないのです。かといって今、増産体制が取られているということもなく、こういった突発的な需要によるコンテナ不足がいつまで続くかわからないという中、生産を大きく増やす計画はない見通しのようです。

一方で、明るい兆しはあります。ベトナムの大手鉄鋼会社が、コンテナの需給ひっ迫に対応するため、2022年夏にコンテナの生産を始める計画と立てているとのことです。計画が実現すれば、コンテナ不足解消の大きな一歩となるでしょう。

それでもコンテナ増産までにはまだまだ年月がかかります。それまでにできることを考えてみますと、海上輸送がダメなら航空輸送に切り替えればよいのでは?ということも思いつきます。しかし、航空輸送も、新型コロナウィルスにより海外旅行客が激減している影響で便数を大きく減らしており、航空運賃は高止まりしスペースも確保しにくい状況が続いています。海上輸送から航空輸送に切り替えてもあまりメリットはないと言えるでしょう。
 
視点を変えて船社では、コンテナ不足解消に対してどういった対策をされているのでしょうか。大手海運会社では、空コンテナ在庫の適正化のため、大手IT企業とタッグを組み、ビッグデータとアナリティクスを活用して、「どの拠点にどの程度の在庫を持つか」「コンテナ在庫をいかに効率的に管理するか」といった情報収集・分析の迅速化に努めているそうです。また、別の船社では、6週より先のブッキングを受け付けない予約制限措置を取ることで、コンテナ在庫の適正化と最適化を図っているとのことです。

こういった事柄から、輸出者側で出来ることが見えてきます。輸出をする際によくあるのが、コンテナが足りないといけないので多めにブッキングを入れておいて、直前で本数が決まったらキャンセルすればよい、という考えです。こういった動きにより、空コンテナの無駄な輸送が生じ、コンテナ不足に繋がってしまうこともあるでしょう。できる限り、実際に近い本数で初めから予約を入れることが、小さなことですがコンテナ不足解消の一因となります。

ここまで深刻なコンテナ不足は、一朝一夕に解決するものではありません。船社、輸出者、コンテナメーカー、それぞれの努力によって少しずつでも改善されていくよう、努力が求められていると思います。

参照記事:
NHKサクサク経済Q&A
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sakusakukeizai/articles/20210205.html

日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0252Z0S1A300C2000000/

関連サイト:
海上輸送コンテナ不足が深刻に。その原因は?
https://www.rakuraku-boeki.jp/column/boueki_jitsumu_jirei/2021-05-05

2021/05/16
satomi

輸出入よもやま話の関連記事