インコタームズについての貿易用語解説。情報サイト「らくらく貿易」。|インコタームズ 貿易用語集

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貿易用語集

公開日:2011.06.22  / 最終更新日:2013.10.17

いんこたーむず・インコタームズ

INCOTERMS=International Commercial Terms
国際商業会議所(ICC/本部:フランス・パリ)が1936年に定めた貿易条件の解釈として、世界で最も利用されている国際貿易取引条件のこと。

ワンポイント1:
貿易取引は、言葉の異なる国同士の国際取引です。日本語同士でも、自分に都合のよいように解釈するのが人間の常です。ましてや、外国語と異なる商習慣のもと、取引条件の解釈について国際基準がなく、売主と買主双方で契約内容について自分に都合よいように解釈し、しばしば論争と訴訟になっていました。

そこで、国際商業会議所が世界共通の貿易条件の国際基準を定めたのが、インコタームズです。中世の時代から始まっていた貿易取引ですが、国際基準が定められたのは、意外や、1936年のことでした。
どこまでが輸出者の責任で、どこからが輸入者の責任なのか、売主と買主の義務について、特に、①費用負担範囲、②貨物の危険負担範囲を規定しています。

元々、貿易取引は海上輸送のみでしたが、時代の変化で在来船輸送からコンテナ物流へ、さらには国際複合輸送や航空輸送へと発展してきました。
そのため、この国際基準も実態に合うように幾度となく改正されてきました。 
2011年まで1月1日より、インコタームズ2000に代わり、10年ぶりの改定で、「インコタームズ2010」が発効となりました。

ワンポイント2:
インコタームズ2010では、インコタームズ2000の持込み渡し条件のうち4条件(DAFDESDEQDDU)が廃止され、新しく2規則(DATとDAP)をインコタームズ2010に追加した結果、13条件から11規則に改定されました。

A グループ: あらゆる輸送手段に適した7規則
(Rules for Any Mode or Modes of Transport - EXWFCACPTCIPDATDAPDDP

B グループ: 海上および内陸水路輸送のための4規則
(Rules for Sea and Inland Waterway Transport - FASFOBCFRCIF

ワンポイント3:
インコタームズは国際条約ではなく、国際商業会議所が取り決めた貿易のルールです。インコタームズでは、費用負担範囲、危険負担範囲を規定しているのみのため、契約の成立や契約違反に対する救済についても規定したウィーン売買条約が適用され、インコタームズを補完しています。

ワンポイント4:
いままでのINCOTERMSは条件の頭文字ごとに4グループに区分けされていましたが、INCOTERMS2010では輸送方法ごとの2グループにわけられました。日本では、FOBやCIFが長年親しまれてすべての輸送方法にも使われています。今後は輸送方法により使い分けることが必要でしょう。

(United Nations Convention on Contracts for the International Sale of Goods=ウィーン売買条約 参照

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