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原産地にEPA税率を適用するには

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物流や貿易が盛んになり、一つの品物が出来上がるまでに様々な国が関与するようになりました。

複数の国の材料を使用し加工されて出来上がった物品の国籍(原産地)はどのように決まるのでしょうか?

日本の関税法には原産地を認定する基準が2つあります。

1.完全生産品
その名の通り、一つの国または地域で生産されたもの。一つの国または地域で採れた鉱物や動植物、水産物、これらを原材料として生産された物品です。

2.実質的な変更を加える加工又は製造したもの
関税定率法別表の「項」(HS番号の4桁)の変更を伴う加工または製造をした国が原産地と認定されます。ただし、輸送や保存のための乾燥・冷凍や包装容器に詰めること、部分品の組み立てなど、認められない加工もあります。その場合は前の状態まで行った国が原産地となります。

また、「税関長の指定する加工又は製造」として繊維製品など一部のもので、上記とは異なる加工・製造も認められています。

以上が基本的な原産地認定基準になります。

EPA(経済連携協定)税率を適用したい場合、原産地認定がより厳密に定められています。EPA締約国を原産地とするためには3つの条件を満たさなければならず、これらの条件を原産地規則と呼びます。

1. 原産地基準
・完全生産品
・実質的な変更を加える加工又は製造したもの
・関税分類変更、特定の加工工程、付加価値が特定の条件を満たしたもの
・関税分類変更にかかる特例規定の適用を受ける産品
・原産材料のみから生産された産品
原産地基準には「累積」や「僅少の非原産材料」といった補足的規定も多くあります。

2.原産地手続
EPA特定原産地証明書や通し船荷証券などの書類の提出

原産地基準を満たすかどうかを証明する方法は3種類あり、
・第三者証明制度:輸出国発給当局が特定原産地証明書を発給
・認定輸出者による自己証明制度:輸出国発給当局が認定した輸出者自身が原産地申告文を作成
・自己申告制度:貨物の輸入者、輸出者又は生産者自らが原産地申告書を作成
第三者証明制度はすべてのEPAで認められていますが、それ以外は各EPAで対応が異なります。

3. 運送基準
原則として直送していること

EPAは締約国ごとの交渉によるため、内容は各EPAで違います。同じ品目であってもEPA毎に異なる基準が存在します。また、関税分類が変更していても品目によって条件付きになり、原産国と認められない場合もあります。

EPA特恵税率を適用させるには各条件を詳しく調べて照らし合わせる必要があります。

下記サイトなどを参考にされると良いでしょう。

原産地規則ポータル
http://www.customs.go.jp/roo/

各協定の本文と品目別規則(経済産業省HPより)
http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/epa/process/e-step4.html

2017/04/14

お土産にもワシントン条約が!?

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ワシントン条約、聞いたことあるという方、多いのではないでしょうか?

ワシントン条約は貿易をする人だけでなく、外国旅行者にもかかわる条約です。知らなければ、せっかく買ってきたお土産も没収されてしまうこともあるので気を付けましょう。

ワシントン条約とは絶滅のおそれのある野生動植物が過度に国際取引されないよう種の保護を目的として生まれた条約です。

英語の条約名(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)の頭文字をとってCITES(サイテス)とも呼ばれます。

対象種は附属書に掲載されており、ⅠからⅢまで3つの区分があります。

以下、規制内容と対象種一例です。
【附属書Ⅰ】
・学術研究を目的とした取引可能
・輸出国・輸入国双方の許可書、契約書等が必要
・オランウータン、スローロリス、ゴリラ、ウミガメ、オニソテツ、木香etc.

【附属書Ⅱ】
・商業目的の取引可能
・輸出国政府の発行する輸出許可書等が必要
・タカ、オウム、ライオン、ピラルク、ラン、サボテン、アロエetc.

【附属書Ⅲ】
・商業目的の取引可能
・輸出国政府の発行する輸出許可書又は原産地証明書等が必要
・セイウチ(カナダ)、ワニガメ(米国)、アカギツネ(インド)etc.

ここでいう輸出許可書とは、税関の輸出許可書ではなく、ワシントン条約にかかる管理当局の発行するCITES輸出許可書のことです。

附属書は対象種が一般名では記載されていません。学名で書かれており、分かりづらいのが難点です。

ワシントン条約は野生の動植物の保護を目的としたものであり、飼育されたものや人工繁殖したものは規制の対象外になる場合があります。生きている動植物だけでなく、加工品も対象となります。

例えば、はく製や原皮、ハンドバックなど革製品・毛皮・アクセサリ・彫刻品・化粧品・食品・医薬品などです。原材料の一部であっても規制対象です。

近年増えているのが、海外のインターネットオークションやショッピングサイトで購入した商品に対する手続き不備です。海外の販売者に対し、条約の理解と対象貨物が含まれていないかどうか、規制対象貨物であればしっかり手続きをしてくれるかどうかの確認が必要です。

外国からの郵便物にワシントン条約に該当する貨物が含まれる可能性がある場合、税関から手続きを求める書類が届きます。必要書類を事前に揃えていれば、税関に書類を提出して貨物を受け取れます。揃えられなければ、貨物を返送して取引をキャンセル又は再度輸入する。もしくは郵便物を放棄しなければなりません。

また、旅行者のお土産品に関しては条件を満たせば日本への輸出入手続きが不要です。

参考サイト:
経済産業省HP 
附属書(動物界)
附属書(植物界)附属書(植物界)

税関に直接質問できる!事前教示制度とは

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煩雑な貿易実務の仕事。少しでもスムーズに進めたいと思うのは皆一緒ですね。

そこで今回は税関が無料で提供してくれているサービス「事前教示制度」をクローズアップしてみようと思います。

事前教示制度は、輸入しようとする貨物の
・関税率表上の品目分類や他法令などの取り扱い
・関税評価上の取り扱い
・原産地の取り扱い
・減免税の適用の可否
について、あらかじめ税関に照会を行い、その回答を受け取ることができる制度です。

原則として貨物の主要輸入予定地を管轄する税関に対して行います。それぞれ所定のフォームがあり、必要事項を記載し、参考となる資料なども必要です。

口頭やEメールで事前教示の照会を行うこともできますが、文書による事前教示のように尊重されないので注意が必要です。Eメールは事前教示のためのアドレスがあります。Eメールによる照会は一定の条件を満たすことで、「文書による照会に準じた取り扱い」に切り替えることができます。

一方で、正式に文書による事前教示を行わなかったことでトラブルになったケースもあります。

とある輸入者の話です。
その輸入者はこれまで依頼していた通関業者(A社)から別の通関業者(B社)に輸入通関をお願いすることにしました。輸入許可がおり、許可書を見ると、A社の時には無税で申告していたものをB社は有税で申告していました。輸入者は、同じ商品なのになぜ?ということになり、B社に問いただしました。

するとB社はA社のした過去の申告に関しては聞いていなかったこともあり、商品の仕様書などから判断して品目分類をしました。結果、有税の税番で申告した、ということでした。

B社の担当者は正しい税番決定をしたと思っていますし、輸入者は同じ商品なのに無税から有税にされたと両者納得できません。そこで、税関に事前教示で照会することにしました。その結果、やはりB社がいう税番が正しく、商品は有税でした。

ところが、輸入者は以前A社で通関する前に税関に書類を提出して税番を聞いている、といいだしました。そこでその当時の書類を見せてもらいました。

一応、材質や用途は記載されていたものの、事前教示として有効な書類ではありませんでした。効力のない書類を持ち出しても事前教示とは言えません。それでもまだ納得できない輸入者は、事前教示の結果に対する異議申し立てを行いました。しかしやはり、結果は変わらず、あとは裁判で争うしかない、というところでやっと引き下がりました。

このように、事前に問い合わせしていても文書による照会を行っていなければ尊重されません。また、実際に輸入された貨物の事実関係が事前教示の内容と異なれば、効力はありません。法令の改正や有効期限(最長3年間)切れにより照会内容とは違う取り扱いになることもあります。

とはいえ、輸入する商品が確定していない計画段階では文書による照会は難しいでしょう。そういった場合は税関相談官制度というものもあり、輸入計画の一助となります。

参考サイト:関税、輸出入通関手続きの便利な制度
http://www.customs.go.jp/zeikan/seido/

2017/03/11

知っておきたい特恵関税制度と特恵卒業

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特恵関税とは、開発途上国、または地域を原産地とする特定の輸入品に対し、一般の関税率よりも低い税率を適用して途上国の経済支援をするために設けられています。

「特定の輸入品」とあるように、対象品目と税率が法令により定められています。これを定めた法令が関税暫定措置法及び関税暫定措置法施行令です。

農産品の一部と鉱工業品のほぼすべての品目に対して、特恵税率が適用されます。

さらに、後発開発途上国からの輸入に関しては、ほぼすべての品目が無税で、これを特別特恵(LDC)関税といいます。

特恵国及び特別特恵国一覧は以下の通りです。
http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1504_jr.htm

ただし、特恵関税又は特別特恵関税を適用した輸入の増加が原因で国内産業が損害を被る場合は、政令によりその品目の特恵及び特別特恵関税の適用が停止されます。特恵停止品目は税関HPに公表されます。

年度途中で適用停止になることもあり、現場の通関士も常にチェックしています。現在特恵適用で輸入されている場合は随時確認しておきましょう。

開発途上国の経済支援のための制度であるため、経済発展を遂げた国については適用対象外となります。これを特恵卒業といいますが、特恵卒業には3段階あります。

1.高所得国にかかる特恵適用除外措置(部分卒業)
2.高所得国にかかる特恵適用除外措置(全面卒業)
3.国別・品目別特恵適用除外措置

平成29年度の部分卒業は中国が原産国の特恵適用品目に多く該当します。
中国はGDPが公表で世界2位の国です。
急成長を遂げ、とっくに高所得国に分類されておかしくない国と思うのですが、まだ特恵が適用される国、つまり開発途上国と認められていました。

しかし、平成31年に全面卒業予定です。
また、中国以外にも、ブラジル、メキシコ、マレーシア、タイが特恵全面卒業予定となっています。

メキシコ、マレーシア、タイはすでに日本と2国間協定国であり、特恵卒業となっても経済連携協定(EPA)税率が適用されるため、それほど影響はないでしょう。

例えば、プラスチック製の食卓用品、台所用品(HSコード3024.10-000)は特恵税率無税ですが、EPA税率も無税です。

ここで、関税率の種類と優先順位についてお話ししますと、関税率は品目によっても定められていますが、原産国によっても異なります。大きく分けて、国の法律に基づいて定められた国定税率と国際条約に基づいて定められた協定税率があります。

●国定税率
  基本税率
  暫定税率
  特恵税率(EPA税率と区別するため一般特恵税率とも言います。)
  入国者の輸入貨物に対する簡易税率
  合計20万円以下の少額貨物に対する簡易税率
●協定税率
  WTO協定税率
  経済連携協定(EPA)税率

これらの税率は原則として、EPA税率、一般特恵税率、WTO協定税率、暫定税率、基本税率の順に優先して適用されます。
ただし、
・一般特恵税率とEPA税率の適用には原産地規則を満たした上で原産地証明書が必要であること
・EPA税率と一般特恵税率が設定されている場合は一般特恵税率が超えない限りEPA税率が優先
・協定税率の適用は暫定税率又は基本税率より低い場合に限る(協定税率、暫定税率、基本税率のうち低い税率が優先される)

ざっくり言うと、同じ条件下では一番低い税率が適用される、ということです。

例えばカンボジアはアセアン協定締結国ですが、現在は特別特恵国(LDC)です。カンボジア産の革製スリッパ(HSコード6403.59-011)の場合、アセアンEPA税率が30%、LDC特恵税率が無税ですので、LDC特恵税率が優先適用されます。

2017-02-22

通関士の一日は盛りだくさん

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通関士の一日の始まりは扱う貨物が航空貨物か海上貨物かによって違います。航空の場合、夜勤もあり、完全シフト制のようです。海上は日中の業務が中心となります。私の場合、海上貨物を取り扱う部署での経験があります。

まず、出社時間は当日朝の申告件数によって前後します。海上の場合、税関の開庁時間は一般に8時30分です。朝一から申告をするために8時半までに出社、8時半までに時間外申告の予定や、その日の業務量に応じてさらに早い時間に出社することもあります。

申告で審査区分1は許可、区分2は税関審査、区分3は税関検査です。審査と検査になったものは税関に書類を持ち込む必要があります。一般的に、事務所から税関に書類を持ち込む担当の人がいるので、その人に書類を揃えて渡します。

その後、午前中は審査又は検査貨物の税関対応や急ぎの書類に取りかかります。書類作成の優先順位は、輸入は貨物の配送予定日、輸出は船積み予定日によって決まります。

通関依頼があると、インボイス、パッキングリスト、B/Lなどの書類が営業部門から通関部門に回ってきます。アライバルノーティスなどは後から発行されるため、多くの場合は後から渡されます。全ての書類がそろい次第すぐに申告するために、随時書類をチェックします。優先順位の高いもの、つまり配送予定日または船積み予定日の迫っているものを優先的に、書類を揃え税番決定や計算をします。

書類だけでは統計品目や税番が決定できない場合や、書類に不備があれば、輸出者や輸入者に確認します。営業担当者が中継ぎをしている場合は社内の営業担当者に確認してもらいます。

税関の開庁時間に昼休みという設定はないのですが、12時から13時まではやはり税関も昼休み時間をとるので、基本的には12時から13時に税関対応をすることもなく、現場でも昼休みをとります。ただ、午後の申告予定など、区切りがつくまでは休憩を取らない人もいるので、ランチタイム・休憩時間はバラバラです。

午後も引き続き、書類作成の業務と申告が中心となります。朝と同じように、午前に審査又は検査扱いになった書類を税関持ち込みの人に渡します。また、当日午前中申告分の貨物検査が午後から行われることが多いので、必要に応じて検査の立ち合いに行きます。

多くの通関業者が18時退社となっています。翌日以降の業務に支障がなければ退社できます。しかし、私の経験上、定時退社できる日の方が少なかった気がします。残業が常態となっており、時期によっては22時23時、最終電車ぎりぎりで帰ることもありました。

男女で仕事の差はありません。その点はとてもフェアーな職業です。しかし、仕事量を自分たちで調節することが難しく、帰宅時間がバラバラになってしまい、子育てや家事の負担を多く担う人には大変な職業です。既婚の女性でも小さな子供がいる、という人はあまりいませんでした。逆に、子供に手がかからなくなった世代の女性が多く活躍されていました。

どの職業にも言えることですが、やはり思い切り働くには家族や会社の協力が不可欠です。ただし、経験が重視されるので、いったん子育てなどで離職しても社会復帰しやすい仕事であると言えるでしょう。

2017/02/13

税制改定に伴い加算税が変わる

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平成29年1月1日以降に法廷納期限を迎える関税及び内国消費税等に課される加算税が変わります。

現行では税関の事後調査の通知があった後でも、更正予知前に修正申告がされた場合、過少申告加算税は課されませんでした。

しかし、平成29年1月1日以降に法廷納期限(輸入許可日)を迎えるものについては、調査通知があった日から更正予知前の自主的な修正申告に対しても、過少申告加算税5%が課されます。

更正予知後は過少申告加算税10%で変わりません。
*納付すべき関税等の額が、当初申告税額と50万円のいずれか多い金額を超えるときは、その超過額に5%の加算が発生します。

これは、事後調査の連絡があってから慌てて修正申告をして加算税を免れるというケースが多かったためと考えられます。また、事業者のコンプライアンス意識をさらに高め自主的な修正申告を促すことを目的としています。

申告すべき貨物に対し申告していなかった場合は無申告加算税が課されます。申告すべき日から無申告加算税5%が発生し、事後調査通知後に10%、更正予知後で15%と加算税率が上がっていきます。
*こちらも納付すべき税額が50万円を超える場合は、その超過額に5%加算します。

さらに同一の税目について過去5年以内に無申告加算税又は重加算税を課されたことがある輸入者については、現行よりさらに10%の加算税が課されます。無申告に対する重加算税がもともとの40%からさらに10%加算され、50%になります。

悪質な行為を防止するためで、意図的にアンダーバリューインボイスで通関を繰り返している、原産地証明書を偽造して特恵を利用するなど、悪質な関税脱税に対してより重いペナルティーが課されるのです。

過少申告や無申告に対して、加算税だけでなく、延滞税も生じます。延滞税は法廷納期限日(輸入許可日)の翌日から起算されますので、修正申告が遅れれば遅れるほど膨らみます。

さて、税関の事後調査に関してですが、事後調査は輸出入を行っていれば事業者の規模に関係なくやってきます。個人で輸入ビジネスをしている主婦のもとにも税関から連絡がきてとても焦った、という話も聞きます。個人輸入を行っている方に対しては連絡が入ったからといって、必ずしも調査官が来るわけではないようですが、準備はしておかなければなりません。

通常2,3年に一度ですが、結果が悪ければ要指導事業者ということで、毎年事後調査が入る、ということもあるようです。調査員にもノルマがあるとかないとか。取りやすいところから取ろうという思惑もあるのかもしれません。

必要なものは契約書、仕入書、会計帳簿書類等です。税関はNACCSというシステムで輸出入取引の有無を握っていますので、金型を送っているのに、その後の輸入に評価加算された形跡がない、といったこともわかります。契約書や帳簿上はロイヤリティを支払っているのに対象の貨物に加算されていない、などといったことを調べます。
輸出の場合は適正な輸出が行われているかを指導します。

また、輸出者または輸入者は輸出入した貨物の帳簿書類の一定期間の保存が義務付けられています。帳簿書類がしっかり保管されているかも調査の対象となります。大きな貨物に関してはそれなりに管理されていても、国際郵便や突発的な小口の貨物に関して整理されていない場合は、対策が必要です。

2017/01/21

AEO事業者の認定を受けるには?

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認定事業者とは、前回コラムに書きました通り、貨物のセキュリティ管理と法制遵守(コンプライアンス)体制の整った事業者が、税関の承認・認定を受ける制度です。

では、認定事業者になるにはどのような要件を満たさなければならないのでしょうか?

具体的には
・コンプライアンス体制を整えるための
 -統括部門が設けられている
 -責任者や知識・経験のある人員が十分に配置されている
 -コンプライアンス規則がある
・貨物や書類の管理がしっかりなされており、そのための措置を設けている
・税関との連絡体制、社内での連絡体制が整っている
・業務委託先がある場合、指導が行き届いている
・監査体制を整えている、他法令遵守規則がある
・物理的・人的・情報セキュリティが整っている
等です。

加えて、税関とオンラインでつながるNACCSシステムを導入していることや過去の一定期間において法令違反をしていないこと、また違反があった場合は一定の期間を経過していることなども満たしていなければなりません。

詳しくは関税のホームページでもチェックリストが掲載されているので参照することができます。

関税のホームページはこちらから。

チェックリストを確認したうえ、AEO取得希望事業者は税関のAEO担当部門に連絡します。

認定事業者になると物流のリードタイム短縮など、メリットがあることは前回コラムにも書いた通りですが、さらに重要なのが貨物のセキュリティ管理と法制遵守を取引先にアピールできることではないでしょうか。

AEO導入の大きなきっかけとなったのがアメリカでの9・11テロにあります。
欧米ではテロをきっかけに、セキュリティに対する関心が高まり、多くの事業者がビジネス戦略としてAEOを取得しています。また、世界各国においてAEO制度もしくはそれと同等の制度が導入されており、世界では40組以上の相互承認が成立しています。

日本は現在、ニュージーランド、米国、カナダ、EU、韓国、シンガポール、マレーシア、香港が相互承認を実施しています。相互承認国に輸出した場合、相手国での通関の際も審査・検査が軽減されるなどの効果により、リードタイムが確保されます。

しかし、上述した通り、AEO取得の壁は小さくありません。
監査体制も整えてなければならず、当初より変更があった場合は届ける必要があります。NACCS導入も小さな事業者には大きな負担となるでしょう。

結局、AEOを取得した通関業者や倉庫業者を利用するのがリードタイム確保の近道でしょう。AEO通関業者に特例委託輸入申告または特定委託輸出申告を依頼して行います。

また、輸入の場合、申告価格が20万円以下の少額貨物以外の申告には保全担保が必要となります。保全担保を税関に提供しなければ特例委託輸入申告は利用できません。さらに、過去の一定期間に関税関係法令に違反がないことも要件です。

特定委託輸出申告については認定通関業者が特定保税運送者と連携する必要がありますが、特定保税運送者は現在7者のみで、連携しようにも難しい、というのが現状です。

AEO制度が導入されて8年、まだまだ全面的にスムーズに運用されるには至っていないようです。

2017/01/09

AEO事業者の制度って何でしょう?

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AEO(Authorized Economic Operator)事業者とは、2008年より導入された制度です。
貨物のセキュリティ管理と法制遵守(コンプライアンス)体制の整った事業者を、税関長がAEO事業者として承認・認定します。

AEO事業者は税関手続きの緩和・簡素化が提供されます。

例えば輸入申告時の審査・検査が基本的に省略され、貨物の引き取り後に納税申告を行うこと等ができます。

従来AEO制度導入時の対象は輸出者だけでしたが、現在は輸出者、輸入者、倉庫業者、通関業者・運送者、製造者が認定を受けることができます。

AEO事業者に認定されることで受けられるメリットは以下の通りです。
1.特例輸入申告制度(特例輸入者)
輸入申告時の審査・検査が基本的に省略。貨物の引き取り後に納税申告を行える等。

2.特定輸出申告制度(特定輸出者)
貨物を保税地域に搬入することなく、自社の倉庫などで輸出申告から許可まで行える。

3.特定保税承認制度(特定保税承認者)
税関長への届出で保税蔵置場を設置すること等が可能。当該届出蔵置場にかかる許可手数料の免除。

4.認定通関業者制度(認定通関業者)
輸入者の委託を受けた輸入貨物について貨物引き取り後の納税申告(特例委託輸入申告)が可能。輸出者の委託を受けて保税地域以外にある貨物について、特定保税運送者による運送を前提に輸出許可を受けること(特定委託輸出申告)が可能。

5.特定保税運送制度(認定通関業者、特定保税運送者、その他国際運送貨物取扱業者)
個々の保税運送の承認が不要。特定委託輸出申告にかかる貨物について、輸出者の委託を受けて保税地域以外から直接積込み港への運送が可能。

6.認定製造者制度(認定製造者)
製造者以外の輸出者が行う輸出通関で、保税地域に貨物を搬入せずに輸出の許可を受けることが可能。

輸出に関わる企業にとっては、保税地域に搬入することなく輸出許可を受けることができ、積込み港の保税地域で輸出許可を待つ必要がなくなります。これにより、輸送時間と保税のためのコストが削減されることになります。

輸入に関わる企業にとっては、納税が猶予されるため、資金繰りに余裕ができます。
しかしながら、この点については通関業者の立替払いを利用するなど、納期限延長制度もあることから、輸入者がメリットとして感じにくい点ではあるようです。

2016年10月現在の認定事業者数は
特例輸入者92者
特定輸出者240者
特定保税承認者126者
認定通関業者132者
特定保税運送者7者
となっています。
認定製造者はまだありません。

これは輸出入に関わる企業数全体からすれば決して多い数ではありません。その理由はやはり、認定基準を満たすのが難しいことがあげられます。

また、輸入者や輸出者にとっては、認定通関業者に通関手続きを委託することで、特例輸入者や特定輸出者にならなくてもそのメリットを受けることができることが理由として考えられます。

では、具体的に認定基準とはどういったものであるか、それについてはまた次回、お話ししたいと思います。

2016/12/24

輸入申告はインボイス価格ではなく評価申告で

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輸入申告において課税価格を計算する際、インボイスに輸入申告に必要な金額すべてが記載されているとは限りません。

むしろ、インボイス価格がそのまま課税価格になることの方が少ないくらいです。商品が輸入港につくまでにかかった費用すべてを加算しなければならないからです。

FOB建ての場合、輸入港までの運賃(Freight)と保険(Insurance)が加算の基本となります。

それ以外にも買い手により負担される貨物の容器代や包装費用、仲介料等手数料、ロイヤリティーやライセンス料、そして買い手により無償又は値引きをして提供された部品や金型代などを課税価格に加算しなければなりません。

これらの加算要素を評価申告と呼びます。
評価申告は、申告の都度加算要素を計算して行う個別評価と、まとめて行う包括評価とがあります。

個別評価は輸入申告の都度、無償提供された材料費などを計算して加算します。同一契約の商品が数回に分けて輸入される場合は按分します。生産ロスを含んでいるときはロス分も含めて按分します。また、基本的に製品No.ごとに算出しなければなりません。

包括評価は継続的に同一商品を同条件で輸入する場合に最長2年で適用されます。鋳型や工具、同一部品、設備や機械、またライセンス料などを包括評価にすることが多いでしょう。本契約の輸入が始まる前に税関へ計算方法を記載した包括申告書を提出します。原則は按分により輸入の度に加算しますが、要件を満たせば一回目の輸入の際に一括加算することもできます。

評価は基本的な考え方として、インボイス価格に含まれていないもので、買い手により負担される価格です。しかし、評価するかしないか判断の難しいものもあります。例えば、輸入取引業務で生じる仲介料や手数料のうち、買付手数料は評価しません。

輸入貨物に取りつけられるラベル費用のうち、食品衛生法や家庭用品品質表示法など日本の法律で表示義務のある事項のみ記載されたラベルについては評価に含みません。

意匠なども日本以外で開発され買い手により負担されるものについては評価しなければなりませんが、日本国内で開発されたものは評価しません。

もし、評価申告の判断が難しい場合は税関の事前教示制度を利用しましょう。

財務省の発表によると、税関により平成26年度の事後調査を受けた3,545者の輸入者うち、申告漏れ等のあった輸入者は2,363者で、主な理由は

1. インボイスに記載された決済金額以外の貨物代金の申告漏れ
2. 豚肉に係る高価申告
3. 海外生産のために輸入者が輸出者に無償提供した材料費用などの申告漏れ

だそうです。

評価申告は輸入者自身で通関業者に資料を渡さなければ知りうることができません。
ぜひ、知識をもって正しい申告を行いましょう。

2016/12/06

日本の税関の歴史を振り返る

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先日、いつものように大阪税関のHPをチェックしたところ、「大阪税関150周年のロゴマークが決定!」とありました。

そこで今日は税関の歴史について、少し触れたいと思います。

日本の税関の歴史は幕末にはじまります。

いわゆる「黒船来航」(1853年)からです。江戸時代の日本は鎖国政策をとっていため、長崎の出島が日本と外国を結ぶ唯一の港でした。それが、ペリーの黒船来航により開港への道を一気に進みます。

当時の日本の造船技術の25倍もの大きさの船、しかも黒塗りの軍艦が浦賀に4隻も迫って来たのですから、力に屈するよりほかありません。翌年1854年に日米和親条約が結ばれ、下田は即時、箱舘(函館)が一年後に開港しました。

そして、1859年(安政6年)に長崎、神奈川、函館の3港に各「運上所」が設けられます。運上所では現在の税関業務と同じように輸出入貨物の監督や税金の徴収といった運上業務や、外交事務を取り扱っていました。

次いで1868年大阪運上所、兵庫運上所が誕生します。「運上所」は1872年11月28日に「税関」と呼称変更されます。
そのため、毎年11月28日が「税関記念日」とし、各税関では毎年広報イベントなどを開催しています。

現在、日本のすべての都道府県は函館、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、門司、沖縄の9税関の管轄区域下におかれています。

各税関の本庁を「本関」と呼び、他に出張所、支署、監視署がおかれます。実際の取扱件数は本関よりも出張所や支署の方が多いようです。物量が増えると、港や空港が新たに整備され、出張所や支署がおかれるためです。本関はどちらかというと広報活動や相談に行くところ、というのが実感です。

東京税関は現在輸出入総額国内第一位の成田国際空港を抱える税関ですが、もともとは横浜税関の管轄区域の一部でした。東京、埼玉、群馬、山梨、新潟、山形、千葉県のうち市川市の一部、成田市、香取郡多古町及び山武郡芝山町が1953年に東京税関として新設されました。成田支署は、千葉県にあるけど「東京」ディズニーランド、という感じでしょうか。成田市もやはり千葉県ですが、東京税関の管轄です。

名古屋税関は大阪税関の名古屋税関支署であったのが、1937年に名古屋税関として独立しています。現在の名古屋港は金額ベースでの輸出総額及び総貨物取扱量が国内第一位です。サイズもビッグ、金額もビッグな自動車産業が盛んなためだと思われます。

各税関の本関は広報展示室を持ち、平日に見学することができます。

ゆるキャラブームよりずっと以前から存在する、まんまちゃんによく似たカスタム君が出迎えてくれます。展示物にも特徴がありますので、訪れてみてはいかがでしょう。

2016/11/14

輸入許可前の廃棄について

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前回のコラムにも触れましたが、税関検査では思いもよらぬ貨物が混入していることがあります。

麻薬や武器など輸入禁制品はもっての他、これは追加で申告しようにもちょっと時間がかかりそう・・・と現場の通関業者を悩ますものもあります。

インドネシアから家具を輸入しようと輸入申告を行った際の話です。

税関検査の結果、現地での加工に使用したと思われるラッカースプレーや塗料など、インボイスに記載されていない貨物が、カートンに混入していました。

塗料は化学物質ですので、成分が麻薬向精神薬原料に抵触しないかなど、各種法律の輸入禁止物質が含まれていないことの確認が必要です。ラッカースプレーは高圧ガス保安法の適用除外であることの試験成績書が必要です。

明らかに販売に供しないものであるので、試験成績書まで必要ありませんでしたが、すぐには成分などわかりません。シップバックの方法もありますが、どちらにしても要らないものですし、許可前に処分、廃棄しようということになりました。

しかし、これは輸入許可前貨物、つまり外国貨物です。

外国貨物は税関の管理下にあり、輸入者自身が自身のゴミとして簡単に捨てることができません。税関の承認なく廃棄した場合、保税地域が処分の対象となります。

まず、税関に対して廃棄したい旨を理由とともに文書で提示しなくてはなりません。そして、「滅却(廃棄)承認申請書」に必要事項を記載・提出して滅却の承認を受けます。

ここでいう「滅却」とは「焼却等により貨物の形態をとどめなくすること」であり、屑などリサイクルできる状態であってはなりません。リサイクルできる処理は、経済的価値を残すので、滅却とは認められません。

廃棄後の現況により輸入通関手続きが必要となります。屑でも商品として販売するなら通常の通関手続きをして納税しなければならないのです。

承認を受けると税関長に認められた場所で、税関職員立会いのもとに滅却されます。立会いは省略されることもあります。
焼却できるごみであれば地方公共団体のゴミ処理施設、産業廃棄物であれば地方公共団体の許可を得た産廃業者と委託契約を結び適切な処分をしてもらいます。

そして、滅却の確認ができる書類や証拠の写真を税関に提出し、滅却に伴う一連の手続きが完了します。

滅却の承認を受けたものに関しては課税対象とはなりません。しかし、焼却費用や蔵置費用などもろもろの費用が発生します。上記の申告外貨物の場合は保税蔵置場に搬入、滅却予定のラッカー等と本来申告していた貨物とを仕分けし、手続きを進めました。

必要ないからと言って簡単には捨てられないことがお分かりいただけましたか?

安易に「そっちで処分して」とは言わせないように、輸入者輸出者ともに理解しておくことが必要と思います。

2016/10/24

無償貨物でも金額表記が必要

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輸入であっても、輸出であっても、全ての貨物はパッキングリストとインボイスに記載されなければなりません。例えばカタログやサンプル、加工貿易での原材料など、無償で貨物が行き来することも少なくないでしょう。

この場合、インボイスには無償(No Commercial Value)と記載します。

そして、無償品でも必ず金額表記をしなければなりません。
輸入であれば、無償品で輸出者と輸入者間に価格の決定(取引価格)がない場合は、
関税定率法に、
・「同種又は類似の貨物にかかる取引価格による方法}
・「国内販売価格に基づく方法」
・「製造原価に基づく方法」
・「その他の方法」
とあり、これらの方法により課税価格を計算します。

無償であっても、外国貨物の輸入には原則として関税がかかるからです。

しかし、特定の条件を満たす無償品には関税を課しません。例えば、展示会で一時的に用いる場合や個人の贈与品で一万円以下の場合などですが、いずれも正しい金額(本来の売値)を表示しなければなりません。

これは実際によくある話なのですが、(あってはならないことですが・・・)税関検査で貨物をコンテナごとX線にかけた時のことです。パッキングリストとインボイスに記載のない箱がいくつか見つかり、輸入者に確認したところ、輸出者よりサンプル品として無償で提供されたものであるとの回答がありました。

サンプル品で無償だから申告しなくてもいいと思ったそうですが、全ての外国貨物を輸入申告しなければなりません。この場合は、箱の中身をすべて調べて数量と価格を決定し、修正申告します。税関には経緯報告という名の反省文を提出し、ペナルティーとしてその後の許可が下りにくくなるとかならないとか。

スムーズに通関できなくなる上に、検品して輸入許可が下りるまでの間の倉庫代やトラックのキャンセル料など、ほかにも料金が発生する可能性もあります。何気ない行為があとあとのトラブルを生みます。余計なもの(!)を勝手に混入しないよう、輸出者にも周知しておきたい事項です。入れる場合は必ずインボイスに記載してもらいましょう。

関税とは関係ありませんが、輸出貨物であっても、やはり同じように正しい金額表記が必要です。仕向地での通関も上記と同じ原理だからです。

また、加工又は組み立てのため輸出された貨物を原材料とした製品、いわゆる加工委託契約については減税措置が講じられています。輸出時のインボイスが減税計算の根拠となります。

ただし、「加工又は組立のため輸出された貨物を原材料とした製品の減税」(暫定8条)には、輸出時にその旨を税関に確認しなければならないこと、対象となる再輸入貨物が決まっていること、輸入時にも各種書類が必要となるなど、条件が限られます。減税を受けない場合は、製品輸入時に無償提供した原材料の輸出インボイスを提出します。

そのほか、再輸入減税や加工又は修繕のため輸出された貨物の輸入(原則1年以内)についても減税が認められています。輸出インボイスが必要となりますので、必ず保管しておきましょう。

税番決定に必要なこと

輸入通関のために通関業者に提出する書類は

1.仕入書(Commercial Invoice)
2.包装明細書(Packing List)
3.船荷証券(B/L)、航空貨物の場合は航空貨物運送上(AWB)
4.保険料明細書(CIF契約など保険を含む場合は必要なし)
5.運賃明細書、海上貨物の場合はArrival Notice(書類到着通知書)

以上が基本となります。

そのほか、貨物の種類によっては
 ・他法令の許可・承認証(例えば植物検疫法や食品衛生法などの法令の許可・承認が必要な貨物)
 ・特恵原産地証明書(特恵関税の適用を受けようとする場合)
 ・減免税明細書(加工再輸入減税制度や再輸入減税を受けようとする場合)

などが必要となります。

さて、書類が手元に届いたら現場の通関士が何をするかというと、輸入される品物を実行関税率表(タリフ)に基づいた税番(HSコード)に当てはめていきます。

輸入品の関税率は税番に対応しており、税番が違えば関税率も違ってきます。
例えば、同じ綿100%のT-シャツでも単色のものとプリントのものとでは税番が違います。この場合、WTO協定税率なら単色Tシャツが7.4%、プリントTシャツが10.9%です。プリントTシャツはさらに、「刺繍したものレースを使用したもの及び模様編みのも組織を有するもの」とそうでないもので分かれます。

間違った申告が、後日税関の事後調査により発覚し、修正申告となった場合、新たに収める税金のほか、過少申告加算税がかかります。ただし、調査前に自分から修正申告した場合は過少申告加算税はかかりません。

このように、税番決定はとてもデリケートなことです。そして、税番決定のためには輸入品の細かな情報が必要となります。

多くの場合、仕入書だけでは貨物の詳しい情報が不足しています。仕入書に貨物の品名や品番が書かれてあっても、それがどのような形状、材質等かわからなければ、税番を決めることができず、書類がそろっていても輸入申告を進めることができないのです。

そのため、通関業者には上記の必要書類のほか、輸入品の仕様書やカタログなどを渡すといいでしょう。ない場合は、口頭でもいいのですが、申告後、税関審査になった場合に、これらを求められることもあります。特にその品物の第一回目の輸入の際は、製品情報が必要とされます。

あまりに細かい問い合わせにうんざりさせられることもあるかと思いますが、ご理解ください、としか言いようがありません。ただし、一度輸入実績ができれば、あとは通関業者のほうで管理をしてくれるでしょう。

貨物の輸入前に税関や通関業者に相談するのもいいでしょう。税関相談官制度というものがあり、直接か通関業者を通して相談できます。事前に相談して税番を決定し、提出書類の端に○○税関◆◆相談官に相談済み、と書けば、書類審査になっても、輸入許可まで時間を短縮できます。

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