現在の港湾関連業務は、そのほとんどがNACCS(ナックス)というオンライン電子システムで行われています。NACCSでは多くの手続きや民間業者での関連業務が処理できます。 |港湾業務の強~い味方!NACCS

  • Twitter
  • facebook
  • LINE
検索
公開日:2017.10.28  / 最終更新日:2017.10.31

港湾業務の強~い味方!NACCS(ナックス)

pic_zeikan20171028

現在の港湾関連業務は、そのほとんどがNACCS(ナックス)というオンライン電子システムを利用して行われています。

NACCSは正式名称を輸出入・港湾関連情報処理システム(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System)といいます。

船舶、航空機、輸出入貨物は税関や関係行政機関に対し、様々な手続きが必要です。また、一つの貨物に対して複数の業者がそれぞれの業務を行います。

たくさんの手続きや民間業者での関連業務をオンラインで処理できるのがNACCSです。

NACCSではどのようなことができるのでしょうか。

1.輸出関連業務・輸入関連業務
輸出入申告や、修正申告、出港前報告や保税運送申告などの貨物の搬出入に関する税関手続き。それらに対し、税関は申請の受理、許可・承認の通知を行う。

2.関税の納付手続きとそれに伴う業務
輸入申告の際、あらかじめ指定した口座番号から納税額が口座振替される。納期限延長する場合は担保を提供、まとめて関税等納付を行う。

3.食品等輸入届出、検疫手続き、輸出証明書の発給申請など、関係省庁への手続き

4.航空機・船舶の入出港関連業務

5.登録・申請・照会など
インボイス、パッキングリスト情報の登録、貨物情報照会など。

1978年にAir-NACCS、1991年にSea-NACCSが稼働開始、数度の更改を経て2010年にAir-NACCSとSea-NACCSは統合し稼働しています。更改ごとに港湾EDIシステムやJETRASなど関連省庁システムとも統合しており、2017年10月8日より稼働の「第6次NACCS」では対応業務数が約1,400業務になります。

NACCSがあることで、輸出入関連業者や港湾関係業者は大いに助かっています。まず、オンラインで申請や届け出、申告ができるため、書類を持ち込む時間が短縮できます。申請に必要な書類のPDF添付が認められている場合もあります。

また、情報が共有でき、各関係者に連絡しなくても照会が可能です。例えば、貨物管理番号(B/L番号)をNACCSに入力することで、貨物の場所や状況を確認することができます。民から官への申請・申告業務だけでなく、民と民の情報共有にも役立っているのです。

輸入申告ですと、関税や内国消費税などはHS番号等を入力すれば自動計算されます。これらの計算式は通関士試験の時以来使わなくなるので、忘れている人も多いとか。もし間違った番号や記号を入力すればエラー表示がされますし、金額に対して重量が釣り合わないなど、違和感のあるときはアラートコードが表示されます。

貿易量が多い国では、スムーズな通関システムが必要不可欠です。世界でも多くの国が、輸出入手続きを円滑に行うために、その国独自の電子情報システムを採用しています。日本では、NACCSが港湾関連業務・通関業務がスムーズに行われる一助となっているのです。

2017/10/28

元通関士の実践コラムの関連記事