外為を分類すると貿易と貿易外そして資本の各取引になります。各取引での銀行立ち位置は、大きく二つに分かれます。輸入業者の多くは銀行申し出を基本的に認めます。しかし輸出業者は中々の戦上手です。銀行の信用力も自分の商売道具にしてしまうのです。 |銀行との戦いが上手な輸出業者(前編)

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公開日:2021.02.06  / 最終更新日:2021.02.26

銀行との戦いが上手な輸出業者(前編)

輸出のため船積みを待つ自動車

外為を分類すると、貿易と貿易外そして資本の各取引になります。各取引での銀行立ち位置は、大きく二つに分かれます。

一つ目は銀行自身の持つ機能を提供するだけの場合です。これは貿易外取引と資本取引で多く見られます。ここでの銀行は、資金決済「場所」として機能するだけです。

二つ目は貿易取引の場合です。ここでは銀行も当事者として参加します。これは業者にとって銀行は、商売相手と同じくらい重要である。こんな意味を持ちます。(なおここで言う貿易は輸出入、貿易外は仕向・被仕向のことです。)

更に輸出業者と輸入業者を比べると、面白いことが分ります。輸入業者の多くは、銀行申し出を基本的に認めます。お願いベースも含めて、銀行の意向が反映されるのです。これはL/C取引が銀行与信となるため、銀行のご機嫌を損ねられない。こういった判断が働くからのようです。

L/C取引は銀行手数料が高めで、好評とは言いかねるのですが、L/C条件通りの船積書類を銀行に持ち込めば、確実に銀行から資金回収が出来る。こう言った大きな利点があります。(正確には買取銀行は立替払いをし、後に発行銀行から回収します。)そのため輸出業者は新規取引の時は先ず全額前金を目指しますが、全額前金が駄目なら次善策としてL/C確保に全力を注ぎます。首尾良くL/Cを確保出来たら、それを最大限に活用します。早い話、銀行の信用力も自分の商売道具にしてしまうのです。

輸出業者の最大L/C活用法は、素直に銀行に買い取って貰う事です。しかしL/C金額が大きくなると(例えば年商と同じくらい)、銀行は二つ返事では買取には応じてくれません。かといって自社製造でも無い限り、仕入れをしなければ商売できません。つまり仕入代金を手当する必要があるのです。

仕入が船積に先行しますので、現金が先に入り用になります。そこで輸出業者は銀行に輸出前貸しを申し込んできます。ここで銀行が応諾すれば一件落着ですが、そうは問屋が卸しません。L/C買取が出来ないような先に、単純に貸金は打てません。輸出業者にすれば船積みすればすぐに返済するので、何の問題も無い。よくこう言われました。

上手くいけばそうなのですが。もし何かあったらどうするのですか。こう聞きたいのです。でもそんなこと聞けません。とにかく難しい顔をして返事を渋ります。そこで輸出業者も知恵を絞ります。

ではどう知恵を絞るのか。ここからは次回にお話ししていきたいと思います。

関連サイト:
銀行との戦いが上手な輸出業者(後編)
https://www.rakuraku-boeki.jp/boueki-ginkou-gaitame/2021-02-26

2021/02/06
おすがっぱ

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