原産地証明識別コードは特恵税率の適用可否や原産地証明書の有無を示す記号で、原産国を示すコードとは別に存在します。税関への輸入申告などの通関業務や外国貨物の移動といった港湾関連業務は、NACCSというオンライン電子システムが利用されています。新NACCSになって約半年、通関業者を悩ませているのが原産地証明書識別コードの4桁化です。|原産地証明書識別コードが4桁になったために!

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原産地証明書識別コードが4桁になったために!

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税関への輸入申告などの通関業務や外国貨物の移動といった港湾関連業務は、NACCSというオンライン電子システムが利用されています。

NACCSについては以前、
「港湾業務の強~い味方!NACCS(ナックス)」
で詳しくお話ししました。

そちらでも触れているのですが、NACCSは昨年10月に更改され、現在は第6次NACCSが稼働しています。

さて、新NACCSになって約半年、通関業者を悩ませているのが原産地証明書識別コードの4桁化、です。

通関業務に従事していない方にとっては全く聞きなれない言葉ですよね。原産地証明識別コードとは、特恵税率の適用可否や原産地証明書の有無を示す記号です。原産国を示すコードとは別に存在します。

旧NACCSでは1桁で表し、28種類ありました。しかし近年、経済連携協定(EPA)が増え、どのEPAを適用しての申告なのか、また、原産地証明書(CO)だけでなく、認定輸出者による自己申告制度など、原産地を証明する方法も多種多様になってきました。

さらに、交渉中の経済連携協定があることや、環太平洋パートナーシップ(TPP)施行も控えています。近い将来、1桁ではコードが足りなくなることが予想されました。また、TPPでは、どの締約国から輸入されるかによって適用税率が異なるため、それぞれの国に対応するコードを割り当てたい。その方がわかりやすい、ということで、コード体系の見直しがされました。

4桁になった原産地証明書識別コードは以下3つの項目を組み合わせたものです。
原産地(申告)種別(2桁)+ 原産地証明書等区分(1桁)+ 貨物の種類(1桁)

「輸入申告事項登録(IDA)時における原産地コードの入力について」
https://bbs.naccscenter.com/naccs/dfw/web/qanda/docs/2017100700059/

例えば、中国から輸入するTシャツで、貨物やインボイスにMade in Chinaの記載がある場合、中国はWTO協定国なので「WK」、中国産Tシャツは特恵が適用できない品目なので原産地証明書(CO)は提出不要で「O」、貨物やインボイスに原産地表示があるので「R」。これを組み合わせて「WKOR」となります。

ベトナムから輸入するTシャツで、輸出国発給のCOがあり、日ベトナムEPA税率適用要件を満たす場合、「VNT4」となります。ベトナムはアセアン加盟国でもありますから、日アセアン包括EPAを利用した輸入なら「AST4」です。

より分かりやすいんだよ、と言われても、1桁から4桁へ増えることは実務に当たる人にとって、大きな負担になります。入力ミスは更改前から予想され、税関に柔軟な対応を求めてきたようですが、現実はなかなか厳しい。原産地証明書を提出しても入力を間違えていればEPA協定税率不可、という判断がされています。

通関業者の入力ミスであれば、輸入者には責任はありません。本来無税または低税率で輸入できるものが高関税を払うことになったら、すべて通関業者が負担しなければなりません。

通関業者にとってなんと緊張感のある更改。。。
輸出申告に比べ、輸入申告業務は本当に気を遣うお仕事だと、改めて感じる事案です。

参考記事:

「港湾業務の強~い味方!NACCS(ナックス)」
http://www.rakuraku-boeki.jp/column/moto_tsuukanshi/2017-10-28

2018/05/08

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