私は海外旅行に行ったら現地のスーパーマーケットやコンビニに立ち寄り日本とは違った雰囲気の食品売り場を楽しみます。スーパーでは当然普通に売っていても、日本に持ち帰れないものがたくさんあるので、お土産選びには注意をしなくてはいけません。|海外旅行で持ち帰れない食べ物系お土産は?

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公開日:2019.05.08

海外旅行で持ち帰れない食べ物系お土産は?

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旅行に行ったらお土産を必ず買いますよね。現地の名産品やお菓子など、食べ物は特に人気です。

私は海外旅行に行ったら現地のスーパーマーケットやコンビニに立ち寄るのですが、その理由は2つあります。

一つ目の理由は、日本とは違った雰囲気の食品売り場です。

日本のスーパーでは野菜や果物の多くは袋売りされています。

しかし、海外では量り売りがメジャーです。また、日本ではあまり見かけない果物や野菜の数々・・・。ビッグサイズの飲み物やその土地の人が大好きな加工食品など、ただ見ているだけでワクワクします。

もう一つの理由は手ごろな価格でお土産をゲットできる、ということです。免税店や観光地の土産物売り場もいいのですが、ちょっと高額すぎたり、そもそも国によってはお土産文化がないこともあります。

しかし、スーパーでは当然普通に売っていても、日本に持ち帰れないものがたくさんあるので、お土産選びには注意をしなくてはいけません。何も知らずに美味しそうだからとか名物だからといって買うと、日本の空港で没収されてしまう恐れがあります。

そこで日本に持ち込みNGな食べ物を紹介したいと思います。

【肉、肉製品】
生肉だけでなく、ソーセージ、ハム、ベーコン、ジャーキーなども持ち込みNGです。豚や羊など、鶏やアヒルなど家きん類、卵もダメです。チーズはOK。

缶詰・ビン詰で常温保存可能で未開封、賞味期限が長いもの、常温保存可能なレトルトパウチなども同じ扱いです。持ち込みNGです。ただし、輸出国政府機関発行の検査証明書があり、指定の国・地域のものであればOK。動物検疫に立ち寄り証明書を提出してください。以前は大丈夫だったようですが、最近になって厳しくなったようです。

これらは動物の感染症を未然に防ぐための防止策です。動物感染症とは、豚コレラ、口蹄疫、鳥インフルエンザなどがあります。昨年から日本でも豚コレラの発生が確認されています。鳥インフルエンザも近年度々確認されています。鳥インフルエンザは低病原性と高病原性のものがありますが、特に高病原性のもので人へ感染するウイルスもあります。

人へ感染するリスクは特定の鳥インフルエンザ以外、今のところはありません。しかし、豚コレラや口蹄疫、鳥インフルなど指定の感染症は動物間で強い感染力があり、致死率も高いものです。口蹄疫以外は有効なワクチンや治療法がないため、いったん日本にウイルスが上陸、まん延すれば、感染した家畜を飼う畜産農家のみならず、その畜産業界全体へ影響します。

テレビで殺処分されたとの報道を聞きますが、まん延防止にはすばやく感染源をなくすこと、消毒することが大切だからです。ちなみに、殺処分した畜産農家にはちゃんと補償制度があります。そうでなければ、迅速に適切な処置をしない可能性があるからです。

なお、輸出検査証明が添付された肉製品は持ち帰れます。ただし、ハワイやオーストラリアなど一部地域でのみ対応しています。ややこしいのは免税店で売られているものです。免税店で売っていても検査証明がなければ、街で売っているものと変わりありません。

【生の果物、野菜、香辛料など】
植物防疫法施行規則第九条及び別表一、二には輸入禁止地域及び輸入禁止植物、有害動物が指定されています。輸入禁止植物以外は持ち込めますが、禁止植物が多いのと、一般的に判別が難しいので、とにかく持って帰らない方が無難です。(こういうことを言うと身も蓋もないのですが・・・。)

どうしてもお土産として持ち帰りたい、という方はきちんと法律を調べて持って帰れるかを確認してから買ってください。
「アーモンド、カシューナッツ、ココやし、こしよう、ピスタシオノキ、ぺるしやぐるみ及びマカダミアナッツの乾燥した種子」は大丈夫です。また、冷凍果物、ドライフルーツは輸入禁止植物ではありませんが、空港カウンターで検査を受ける必要があります。病害虫が付着していなければOKです。

先日、台湾に旅行にいったのですが、空港の到着ロビーには靴を消毒するためのマットがありました。また、旅行中に動物に触れた人、農場や市場に行った人は自己申告で検疫カウンターに行くように何度もアナウンスされていました。検疫カウンターで携帯品の消毒を行ってもらうそうです。

肉製品や生の果物などの輸入禁止品は、日本に持ち込むことができないだけで、現地や飛行機の中で消費してしまうのであれば問題ありません。関空を利用した際に見かけたのですが、免税店で高級イチゴを買ったアジア人家族が出発ロビーで飛行機を待つ間にそのイチゴを食べていました。もしかしたら輸出証明付きイチゴだったのかもしれませんが、食べてしまえば帰国時に届け出る必要はなくなります。

2019/05/07

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